グループホームに使える物件の条件。個室の広さ・定員・設備基準をまとめます。





グループホームに使える物件の条件。個室の広さ・定員・設備基準をまとめます。


グループホームに使える物件の条件。個室の広さ・定員・設備基準をまとめます。

グループホーム(共同生活援助)の物件は、個室1室あたり7.43㎡以上・共同生活住居1か所あたり定員2〜10人(既存建物を活用する場合は2〜20人)という設備基準を満たす必要があります。事業所全体の定員は4人以上です。新築の場合は定員の上限が10人に制限されますが、既存の建物を借りて改修する場合は最大20人まで認められるため、多くの開業者が既存建物を選んでいます。

この記事では、共同生活援助の設備基準を「事業所・共同生活住居・個室」等の各単位に整理し、サテライト型住居の仕組み・新築と既存建物の違い・消防法や建築基準法との関係についてまとめます。物件を選ぶ前の確認事項として参考にしてください。

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設備基準は、事業所・共同生活住居・居室(個室)の単位で定められている。

グループホームの設備基準は、「事業所」「共同生活住居」「居室(個室)」等の単位で定められています(ユニット・サテライト型住居も含まれます。出典:埼玉県「共同生活援助(グループホーム)の基準 概要」R6.3版)。それぞれの単位で定員・面積・設備の基準が異なります。

単位 定員 概要
事業所 4人以上 複数の共同生活住居をまとめた指定の単位
共同生活住居 2〜10人(既存建物は2〜20人) 一軒家・マンションの一室など、生活の拠点となる建物
ユニット 2〜10人 個室と共用設備(居間・食堂・台所・浴室等)の一まとまり
個室(各居室) 1人 7.43㎡以上・日常生活に必要な設備を備えること
サテライト型住居 1人 本体住居から一定距離の範囲にある単身居室

指定を受ける単位は「事業所」です。1つの事業所が複数の共同生活住居を運営することができます。たとえば、定員5人の共同生活住居を3か所運営して、事業所全体の定員を15人とする形が全国平均的な規模です(出典:厚生労働省「令和5年障害福祉サービス等経営実態調査」・1施設あたり平均定員15人)。

個室は、7.43㎡以上必要。日常生活に必要な設備を備える。

居室(個室)1室あたりの床面積は7.43㎡以上と定められています(出典:埼玉県「共同生活援助(グループホーム)の基準 概要」R6.3版)。これは収納スペースを除いた居室本体の面積です。

7.43㎡は、1畳を1.62㎡(京間基準)として計算すると7.43÷1.62≒4.6畳になります。おおむね4.6畳弱の広さです。実際の居室はベッド・収納・デスク程度を置ける最低限の広さで、これを下回ると指定申請が受理されません。

「日常生活に必要な設備を備えること」という要件については、居室内にトイレがあることまでは求められていませんが、建物全体として入居者が使えるトイレ・浴室・台所・洗面設備が共用スペースに整っていることが必要です。

既存の一軒家やマンションを転用する場合、和室(畳敷き)の居室でも基準の面積を満たしていれば使用できます。改修の際は、個室ごとの面積を計測して確認することが重要です。

共同生活住居の定員は、2〜10人。既存建物なら最大20人まで。

1か所の共同生活住居に住める人数(定員)は、原則として2人以上10人以下です。ただし、既存の建物を活用する場合に限り、定員を最大20人まで設定できます(出典:埼玉県「共同生活援助(グループホーム)の基準 概要」R6.3版)。

「既存建物の活用」とは、もともと住宅や宿泊施設として建てられた建物を、改修してグループホームとして使う形です。目的外建物(グループホームとして新たに建てた建物)では定員の上限が10人になります。

なぜ定員の上限が重要かというと、大きな建物に多くの利用者を集めるほど、1か所あたりの固定費(家賃・光熱費)を分散できるからです。ただし、後述する「大規模住居等減算」により、1か所あたりの定員が8人以上になると基本報酬が下がる仕組みがあるため、単純に人数を増やせばよいわけではありません。

実務的には、1か所4〜6人規模の共同生活住居を複数か所運営する形が多くみられます。これは減算を避けながら、事業所全体の定員を確保するためのバランスです。

事業所全体の定員は、4人以上。

グループホームの指定を受けるためには、事業所全体の定員が4人以上であることが必要です(出典:埼玉県「共同生活援助(グループホーム)の基準 概要」R6.3版)。

つまり、2人定員の共同生活住居を1か所だけ開設しても、事業所全体の定員が2人になるため指定を受けることができません。最低でも2か所以上の共同生活住居(合計4人以上)か、1か所で定員4人以上の住居が必要です。

なお、後述するサテライト型住居はこの定員数に含まれます。本体住居2〜3人+サテライト1〜2人の組み合わせで定員4人以上を確保する方法もあります。

サテライト型住居は、1人の単独居室。本体住居に附属する。

サテライト型住居は、定員1人の単独居室で、本体住居に附属する形で運営できる仕組みです(出典:埼玉県「共同生活援助(グループホーム)の基準 概要」R6.3版)。

本体住居との距離には一定の範囲内という条件がありますが、1人暮らしに近い生活を望む利用者が段階的に自立へ向かうための居住形態として位置づけられています。

サテライト型住居を設置できる上限は、次のとおりです。

  • 本体住居の定員が4人以下の場合:1か所まで
  • 本体住居の定員が4人超の場合:2か所まで

ただし、サテライト型住居は介護サービス包括型・外部サービス利用型のみに認められています。日中サービス支援型では設置できません。

サテライト型住居は、他の共同生活住居と比べて面積や設備の基準の確認が複雑になる場合があります。設置を検討する場合は、指定権者(都道府県・市町村)に事前相談することが推奨されます。

新築より既存建物の方が、定員の上限が広い。

同じ「共同生活住居」でも、新築(目的外建物)と既存建物の活用では、定員の上限に違いがあります。

建物の種別 共同生活住居1か所の定員上限
新築(グループホームとして建てた建物) 10人
既存建物の活用(賃貸・改修して使う) 20人

既存建物の活用が多い理由は主に2つあります。第一に、定員の上限が20人と広いため、1か所で多くの利用者を受け入れられます。第二に、新築に比べて初期費用を抑えられます。グループホームの開業資金の目安として、賃貸での開業は500〜800万円、自己所有の物件での開業は数千万円とされており(出典:藤原行政書士事務所の解説記事)、賃貸・既存建物の活用が費用面でも有利です。

ただし、既存建物を使う場合でも、個室の面積・共用設備・バリアフリー等の設備基準は同様に満たす必要があります。また、建築基準法上の用途変更が必要になる場合があります(次項参照)。

物件を選ぶ前に、消防署と建築担当課に相談する。

グループホームとして物件を使うためには、設備基準を満たすことに加えて、消防法・建築基準法・バリアフリー法などの法令への対応が必要です。これらの具体的な要件は、物件の所在地・建物の規模・用途変更の有無によって異なります。

消防法への対応

グループホームは「社会福祉施設」として消防法の対象となります。スプリンクラーの設置義務・誘導灯・自動火災報知設備・消火器等が求められますが、建物の延床面積や既設の消防設備の状況によって適用が変わります。物件を決める前に、最寄りの消防署に事前相談することが重要です。消防法上の対応が大規模な改修を要する場合、想定以上のコストがかかることがあります。

建築基準法への対応(用途変更)

住宅(一戸建て・共同住宅)をグループホームとして使う場合、建築基準法上の用途変更の手続きが必要になることがあります。延床面積が200㎡を超える建物では確認申請が必要で、それ以下でも用途変更の届出が求められる場合があります。市区町村の建築担当課に事前に確認してください。

バリアフリーへの対応

廊下・トイレ・浴室の幅員・手すりの設置など、バリアフリー基準への対応も求められます。都道府県・市区町村によっては独自の基準を設けている場合があるため、指定権者への事前相談で確認することをお勧めします。

指定申請の手続きでは、消防署・建築担当課への事前相談状況の確認書類を提出することが多く、物件を決める前に早期に相談を始めることが開業スケジュールの遅れを防ぐポイントです。

設備基準と収支シミュレーターの関係。

グループホームの設備基準(定員・個室面積)は、収支計画に直結します。定員が多いほど収入が増えますが、同時に家賃・改修費・人件費も増えます。逆に定員を絞ると固定費の回収に時間がかかります。

また、定員が8人以上の共同生活住居では「大規模住居等減算」が適用され、基本報酬が5%〜7%下がります。複数の共同生活住居を運営する場合は、1か所あたりの定員を8人未満に抑える設計が多い理由のひとつです。

収支シミュレーターでは、定員・障害支援区分の分布・共同生活住居の数を入力することで、大規模住居等減算が自動で反映されます。物件の定員設計を検討する際にあわせてご活用ください。

まとめ

グループホーム(共同生活援助)の設備基準のポイントを整理します。

  • 個室は1室あたり7.43㎡以上・日常生活に必要な設備を備えること
  • 共同生活住居1か所の定員は2〜10人(既存建物の活用は2〜20人)
  • 事業所全体の定員は4人以上
  • サテライト型住居は定員1人・本体住居に附属(包括型・外部サービス型のみ)
  • 既存建物の活用は定員上限が広く、初期費用も抑えやすい
  • 物件を選ぶ前に消防署・建築担当課・指定権者への事前相談が重要

設備基準を満たす物件を確保できたら、次は収支計画の試算です。定員・地域・障害支援区分の分布を入力すると、36か月の収支・資金計画が自動で作成されます。

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出典

作成日:2026年10月27日


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この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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