小規模多機能型居宅介護と訪問介護の違い。どちらが開業しやすいか。

介護

小規模多機能の開業前の収支試算は、こちらのシミュレーターをご利用ください。

▶ 小規模多機能型居宅介護 収支シミュレーター

小規模多機能型居宅介護(小規模多機能)と訪問介護は、どちらも在宅介護を支えるサービスですが、制度の構造が大きく異なります。開業を考えている方にとって、どちらを選ぶかは収益・人員・物件の面で重要な判断です。

この記事では、両サービスの制度上の違いを整理し、開業のしやすさという観点から比較します。

サービス内容の違い

項目 小規模多機能型居宅介護 訪問介護
提供形態 通い・訪問・宿泊の3つ 訪問のみ
報酬体系 月額定額制 サービス時間・回数ごとの報酬
担当ケアマネ 事業所内のケアマネが担当 居宅介護支援事業所のケアマネが担当
他サービスとの併用 制限あり(同種の他事業所との併用は原則不可) 他サービスと組み合わせが可能
指定権者 市区町村(地域密着型) 都道府県(居宅サービス)

収益の仕組みの違い

小規模多機能:月額定額制

登録者1人あたりの介護報酬は要介護度に応じた月額定額です。要介護1であれば月額約107,000円、要介護5は月額約272,000円が基本です(地域区分・加算によって変わります)。

定額制のため、月に何回通いに来ても・何回訪問に行っても、1人あたりの収入は変わりません。登録者が増えれば収入は増えますが、サービス提供量が増えると職員の負担が増すという特性があります。

訪問介護:出来高払い

訪問介護は、1回の訪問ごとにサービス種別(身体介護・生活援助)と時間に応じた報酬が発生します。サービスを提供した分だけ収入になるため、稼働率を高めれば収入も増えます。ただし登録者が少ないと収入が少なく、人件費との逆転が起きやすい面があります。

開業のハードル比較

項目 小規模多機能型居宅介護 訪問介護
物件 通い・宿泊ができる専用スペースが必要 事務所のみ(小規模でよい)
初期費用の目安 2,000万〜5,000万円以上(規模・物件による) 数百万円〜1,000万円程度
看護師の確保 必要(または訪看との連携) 不要
ケアマネ資格 計画作成担当者として必要 不要
管理者要件 認知症介護経験3年+管理者研修修了 サービス提供責任者(ヘルパー2級等)
指定の窓口 市区町村 都道府県

どちらを選ぶか

一概にどちらが開業しやすいとは言えません。判断のポイントを整理すると:

小規模多機能に向いているケース

  • 物件・資金が確保できる
  • 認知症介護の経験者や看護師が確保できる見通しがある
  • 月額定額で安定した収益基盤を作りたい
  • 地域密着の「顔の見えるケア」をしたい

訪問介護に向いているケース

  • 初期費用を抑えて始めたい
  • ヘルパーの確保は見込めるが物件や看護師の確保が難しい
  • まず小さく始めて、徐々に規模を拡大していきたい

訪問介護から始め、利用者と職員の基盤ができたところで小規模多機能への転換・新設を検討するというルートも、実際には行われています。

小規模多機能の収支を事前に確認する

どちらのサービスを選ぶか迷っている段階でも、小規模多機能の収支を具体的な数字で確認することで、判断の材料になります。

登録者数・要介護度の構成・地域区分・職員数を入力して収支を試算できます。

▶ 小規模多機能型居宅介護 収支シミュレーター

この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

ご質問はメールで。電話・面談はしていません。

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