居宅介護支援事業所は、利用者に緊急事態が生じた場合でも適切に対応できる体制を整えることが省令(平成11年厚生省令第38号)に求められています。特に夜間・休日に利用者から緊急連絡が入るケース・入退院の急変・家族からの問い合わせへの対応が実務上の課題です。この記事では緊急時・夜間対応の体制整備のポイントを整理します。
緊急時連絡体制の整備義務
省令では、居宅介護支援事業所は「緊急時の連絡先・緊急時の処置の方法」を定め、重要事項説明書に記載して利用者・家族に周知しなければならないと規定されています。重要事項説明書に緊急時の連絡先を記載し、サービス開始時に利用者・家族に説明します。
緊急時連絡体制として整備すべき主な内容は以下のとおりです。
- 担当ケアマネジャーへの連絡先:通常の連絡先(事務所の電話番号)と緊急時の連絡先(担当者の携帯電話等)
- 担当者不在時の代替連絡先:担当者に連絡がつかない場合の管理者・事業所の連絡先
- 緊急性の高い場合の対応:救急搬送が必要な場合は「119番通報を最優先」の旨を利用者・家族に説明する
- 主治医・訪問看護への緊急連絡先:医療的な緊急対応が必要な場合の連絡先(主治医の緊急連絡先・訪問看護ステーションの24時間連絡先)
夜間・休日対応の実態と対応方法
居宅介護支援事業所は24時間体制のサービスを提供する義務はありませんが、実務上は夜間・休日に利用者・家族・サービス事業所から連絡が入ることがあります。
| ケース | 対応のポイント |
|---|---|
| 利用者が急変・救急搬送された | 搬送先病院の確認・家族への連絡・搬送先病院のソーシャルワーカーへの連絡・翌日のケアプラン調整 |
| 担当利用者が深夜に転倒した | 訪問介護・訪問看護が対応している場合は翌日に状況を確認する。緊急受診が必要な場合は家族と主治医への連絡をサポートする |
| 施設から急に退所を求められた | 翌日に家族・施設担当者と連絡をとり、在宅復帰支援・他の受け入れ先の調整を行う |
| 担当サービス事業所からの緊急連絡 | 担当訪問介護員が行けなくなった・担当者が急病等の場合は、代替サービスの調整を行う |
利用者の急変時:サービス担当者会議の緊急開催
利用者の状態が急変した場合(入退院・病状の大幅な変化・要介護度の変更等)は、ケアプランの見直しが必要です。省令第13条第9号に基づき、サービス担当者会議を開催(または担当者への照会)してケアプランを更新します。緊急を要する場合は照会(電話・書面・メール等での確認)でケアプランを変更し、後日サービス担当者会議を開催することも認められています。
緊急入院対応と入院時ケアマネジメント
担当利用者が緊急入院した場合は、以下の対応を行います。
- 家族から入院の連絡を受けたら、搬送先病院・入院の状況を確認する
- 入院元のサービス事業所(訪問介護・通所介護等)に入院の事実を連絡し、サービスを一時中断する
- 入院先病院の医療ソーシャルワーカー(MSW)に連絡を入れ、退院に向けた情報共有の準備をする
- 入院期間中も利用者・家族との連絡を定期的に行い、退院後のケアプランの準備を進める
入院時に医療機関の医師・看護師・MSW等に情報提供を行い、退院時に情報提供した場合は「入退院連携加算(居宅介護支援費Ⅱ)」を算定できます。
地域の24時間体制との連携
在宅療養の継続のためには、夜間・休日に対応できる訪問診療医・訪問看護ステーション・夜間対応型訪問介護等との連携体制を事前に構築しておくことが重要です。ケアプランに24時間対応可能な事業所を位置付けておくことで、ケアマネジャーへの直接の夜間連絡を減らすことができます。
居宅介護支援事業所の収支と加算収入の試算は、居宅介護支援事業所(ケアマネ事務所)収支シミュレーターで確認できます。
参考・出典
- 指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第38号)第13条
- 指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準について(平成11年老企第22号通知)
この記事は2026年11月時点の法令に基づいています。詳細は事業所所在地の市区町村に確認してください。
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