小規模多機能型居宅介護の開業資金はいくら必要か。

介護

開業前に資金の試算をしたい方は、こちらのシミュレーターをご利用ください。

▶ 小規模多機能型居宅介護 収支シミュレーター

小規模多機能型居宅介護を開業するには、指定申請の費用・物件の取得費や改修費・備品の購入費・運転資金など、さまざまな費用が必要です。

具体的にいくら準備すればよいかは事業所の規模や立地によって異なりますが、この記事では費用の種類ごとに、目安となる数字と根拠を整理します。

小規模多機能型居宅介護の開業に必要な費用の種類

開業にかかる費用は、大きく3つに分けられます。

  1. 初期費用(設備・物件関連):物件取得・改修・設備購入など、開業前に一度だけかかる費用
  2. 指定申請・登録関連費用:法人設立・行政への申請にかかる費用
  3. 開業後の運転資金:利用者が増えるまでの赤字期間を乗り越えるための資金

初期費用:物件・設備の取得

物件の取得

小規模多機能型居宅介護の施設基準(指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準・第63条)には、次の設備が必要とされています。

  • 居間(通いサービスのための部屋)
  • 食堂(食事提供のための部屋。居間との兼用可)
  • 宿泊室(定員9人以下)
  • 浴室・洗面・消火設備等

民家・マンション・店舗の居抜きなど、改修次第で基準を満たせる物件を活用するケースが多くあります。

物件費の目安は立地・物件の状態によって大きく異なりますが、一般的には次のような費用が発生します。

  • 賃貸の場合:敷金・礼金・前家賃(家賃の3〜6か月分が目安)+改修費
  • 購入・新築の場合:購入費または建設費(2,000万〜5,000万円以上の例が多い)

改修費

既存の建物を小規模多機能の基準に合わせて改修する場合、バリアフリー工事・スロープ・手すり・浴室改修などの費用がかかります。改修の範囲によって数十万円から数百万円と幅があります。

設備・備品の購入

介護用ベッド・車椅子・浴室設備・調理設備・事務用備品(パソコン・プリンター)などが必要です。リースや中古の活用で費用を抑えることもできます。目安として200万〜400万円程度のケースが多いですが、施設の規模や設備の内容によります。

指定申請・法人設立の費用

小規模多機能型居宅介護は、市区町村が指定権者である地域密着型サービスです。指定を受けるためには、法人格が必要です(個人事業主では指定を受けられません)。

法人設立費用

法人の種類 登録免許税・定款認証費用の目安
合同会社(LLC) 約6〜9万円
株式会社 約22〜30万円
NPO法人・社会福祉法人 費用は比較的少ないが時間がかかる

出典:法務省「会社設立の手続き」(登録免許税法別表第一)

行政書士・司法書士に代行を依頼する場合は、別途報酬が必要です。

指定申請費用

都道府県・市区町村への指定申請手数料は自治体によって異なりますが、多くの場合、数千円〜数万円の範囲です。また申請書類の作成に専門家(行政書士)を使う場合は、10万〜30万円程度の費用がかかることがあります。

運転資金:開業後の赤字期間に備える

小規模多機能型居宅介護の介護報酬は、サービス提供月の翌々月に入金されます。開業月に提供したサービスへの報酬が実際に入金されるのは2か月後です。

また、開業直後は登録者が少ないため、人件費や家賃などの固定費を賄えない赤字の期間が続きます。この期間を乗り越えるための運転資金が必要です。

運転資金の目安は、月の固定費×3〜6か月分が一般的です。月の固定費(人件費・家賃・光熱費など)が200万円であれば、600万〜1,200万円の運転資金を確保しておく必要があります。

資金調達の方法

開業資金の調達には、主に次の方法があります。

日本政策金融公庫の創業融資

日本政策金融公庫は、創業前後の法人・個人事業主向けに融資を行っています。「新規開業資金」の融資限度額は7,200万円(うち運転資金4,800万円)です。

審査にあたっては、事業計画書(収支の見通しを含む)の提出が求められます。

出典:日本政策金融公庫「新規開業資金」(2024年時点の公式ページより)

都道府県・市区町村の補助金・助成金

地域によっては、介護事業所の開設支援のための補助金・助成金制度があります。内容・条件は自治体ごとに異なります。開業予定地の市区町村の窓口に確認することをおすすめします。

資金の準備、手元で試算する

開設時の初期費用・月次の費用・運転資金の必要額は、人員配置や定員の数によって変わります。具体的な数字で確認したい方は、シミュレーターをご利用ください。

初期費用・月次収支・資金繰りを入力して確認できます。Pro版(9,800円)で3年分の推移と印刷ができます。

▶ 小規模多機能型居宅介護 収支シミュレーター

この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

ご質問はメールで。電話・面談はしていません。

fufumumu_designをフォローする
介護
fufumumu_designをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました