消防設備士 甲種第2類(甲2)の令和7年度合格率は27.2%(受験者4,334人・合格者1,179人)です(消防試験研究センター「試験実施状況」令和7年度)。令和6年度(27.3%)とほぼ同水準で、ここ数年は27〜30%台で推移しています。
令和2〜7年度の合格率推移
消防試験研究センター「試験実施状況」の公表データから甲種第2類のみを抜粋します。
| 年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 令和2年度 | 2,895人 | 960人 | 33.2% |
| 令和3年度 | 3,791人 | 1,370人 | 36.1% |
| 令和5年度 | 3,865人 | 1,170人 | 30.3% |
| 令和6年度 | 3,890人 | 1,061人 | 27.3% |
| 令和7年度 | 4,334人 | 1,179人 | 27.2% |
出典:消防試験研究センター「試験実施状況」各年度版。令和4年度の公表データは上記表に含まれていません。
令和2〜3年度にかけて合格率が33〜36%台と比較的高い水準でしたが、令和5年度以降は30%を下回る状況が続いています。受験者数は令和7年度に4,300人を超え、受験者数の増加と合格率の低下が並行している形です。
甲種各類との合格率比較(令和7年度)
令和7年度の甲種各類の合格率を並べると、第2類の位置づけがわかります。
| 種別 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 甲種特類 | 1,897人 | 605人 | 31.9% |
| 甲種第1類 | 9,285人 | 2,669人 | 28.7% |
| 甲種第2類 | 4,334人 | 1,179人 | 27.2% |
| 甲種第3類 | 2,374人 | 750人 | 31.6% |
| 甲種第4類 | 24,474人 | 8,434人 | 34.5% |
| 甲種第5類 | 2,428人 | 1,011人 | 40.5% |
出典:消防試験研究センター「試験実施状況」令和7年度。
甲種の中では第2類(27.2%)は第1類(28.7%)と並んで低いグループに属します。受験者が多く知名度の高い第4類(34.5%)や第5類(40.5%)より合格率は低い状況です。
乙種第2類との合格率比較
同じ第2類でも、乙種は大幅に合格率が高い状況です。令和7年度の乙種第2類は受験者7,931人・合格者5,213人・合格率65.7%(消防試験研究センター「試験実施状況」令和7年度)です。
甲種(27.2%)と乙種(65.7%)でこれほど差がある理由は、試験内容の差にあります。甲種は筆記45問(乙種30問の1.5倍)・実技に製図2問が加わります。また甲種は受験資格が必要なため、ある程度の経験者が受験しているにもかかわらず、この合格率です。
合格率から見た難易度の特徴
甲2の合格率が30%を下回る要因として、次の3点が挙げられます。
科目別の足切り
甲2の筆記試験は各科目で40%以上の正解が必要です(消防法施行規則第33条の14)。科目は「消防関係法令(共通)」「消防関係法令(類別)」「基礎的知識(機械)」「構造・機能及び工事整備」の4科目です。全体の正解率が60%以上でも、いずれか1科目で40%を下回ると不合格です。4科目の足切りを一度にクリアしなければならない点が、合格率の押し下げ要因になっています。
製図問題
実技(7問)には鑑別5問と製図2問があります。製図はフォームヘッドの配置設計(有効散水面積9㎡をもとに個数を算出し平面図に配置)や配管系統図の作成が出題されます。市販の問題集が少なく、独学が難しい科目です。
受験資格を持つ層でも落ちる
甲種は受験資格が必要で、理工系の学歴・他の甲種免状・乙種免状+2年の実務経験など、一定のバックグラウンドを持つ人しか受験できません。それでも約7割が不合格になっています。
合格に必要な勉強時間の目安
甲2の合格に必要な勉強時間は、乙2の学習経験や現場経験の有無によって大きく変わります。一般的な目安を示します。
| 背景 | 目安時間 |
|---|---|
| 乙2取得済み・現場経験あり(整備2年以上) | 100〜150時間 |
| 他の甲種持ち・泡消火の知識なし | 150〜200時間 |
| 理工系大卒・設備未経験 | 200〜250時間 |
製図対策に30〜50時間、構造・機能(25問)に50時間以上を割くことが合格への近道です。
合格した人の学習時間の目安
甲2の合格率から見た難易度をふまえ、合格者の学習時間の目安を示します。
| 背景 | 目安時間 |
|---|---|
| 乙2取得済み・現場経験あり(整備2年以上) | 100〜150時間 |
| 他の甲種持ち・泡消火の知識なし | 150〜200時間 |
| 理工系大卒・設備未経験 | 200〜250時間 |
甲2で最も時間をかけるべき科目は実技(鑑別・製図)です。鑑別は設備の写真・図を見て名称や機能を記述する問題、製図はフォームヘッドの配置設計や配管図の作成が出題されます。どちらも書いて覚える練習が不可欠です。
合格率の数え方と注意点
消防試験研究センターの「試験実施状況」は年度単位で公表されています。受験者数には「同年度内に複数回受験した人が含まれる場合がある」という点に注意が必要です。一方で合格者は同年度に1回しかカウントされません。そのため実際の実人数ベースの合格率は、表の数字より若干高くなる可能性があります。ただし受験者の大半は1回受験のため、大きくは変わりません。
不合格者の傾向
合格率27%前後から考えると、受験者の約7割が不合格になっています。主な不合格パターンを整理します。
- 筆記の科目別足切り(40%未満):特定科目の準備不足で、全体の正解率は足りていても足切りに引っかかるケース
- 実技(製図)の準備不足:製図の学習を後回しにしたまま試験日を迎えるケース。製図は独学が難しく、問題集が少ないため
- 数値の誤記憶:一斉開放弁の作動時間・フォームヘッドの有効散水面積など、法令の数値を誤って覚えてしまうケース
甲2は受験資格のある層でも7割が落ちています。「業務経験があれば合格できる」という見込みで準備不足のまま受験すると不合格になりやすい試験です。
甲2の問題練習は消防設備士 甲種第2類 AI問題集で。筆記106問は無料です。
消防設備士全般の情報は消防設備士の問題集・試験対策(5類横断)をご覧ください。
出典:消防試験研究センター「試験実施状況」令和2〜7年度・消防法施行規則第33条の14。

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