消防設備士4類の試験で「時間が足りなかった」と感じる受験者は少なくありません。特に甲4は試験時間が3時間15分と長い一方、製図問題で手が止まると後半の時間が一気に圧迫されます。本記事では、乙4・甲4それぞれの試験時間と問題数を整理し、科目別の時間配分・見直しに使える時間の目安・時間切れを防ぐ対処法を解説します。
試験時間と問題数の全体像
消防試験研究センターの「試験科目及び問題数」に基づく、乙4・甲4それぞれの試験時間と問題数は以下のとおりです。
| 区分 | 試験時間 | 筆記問題数 | 実技問題数 | 合計 | 1問あたり平均 |
|---|---|---|---|---|---|
| 乙4(通常) | 1時間45分(105分) | 30問 | 5問 | 35問 | 約3分 |
| 乙4(電工2種免除) | 1時間(60分) | 16問 | 5問 | 21問 | 約2分50秒 |
| 甲4(通常) | 3時間15分(195分) | 45問 | 7問 | 52問 | 約3分45秒 |
| 甲4(電工2種免除) | 2時間30分(150分) | 約23問 | 7問 | 約30問 | 約5分 |
問題数・時間はセンターの最新情報で確認してください。変更がある場合があります。
平均だけ見ると「1問3分もある」と感じますが、筆記の選択肢問題と実技の記述問題では必要な時間がまったく異なります。筆記は短い問題で30秒、長い計算問題で3〜4分かかることもあります。実技の記述は1問あたり5〜10分以上かかる場合もあります。平均時間はあくまで目安で、科目別の配分を意識することが重要です。
乙4の科目別時間配分
乙4の試験時間は1時間45分(105分)、合計35問(筆記30問・実技5問)です。
筆記30問の目安配分
| 科目 | 問数 | 目安時間 | 理由 |
|---|---|---|---|
| 消防関係法令(共通) | 6問 | 9分 | 知識問題が中心・条文の当てはめで解ける |
| 消防関係法令(第4類) | 4問 | 6分 | 問題数が少ない・1問の重みが大きい |
| 基礎的知識(電気) | 5問 | 10分 | 計算問題が含まれる・式を立てる時間が必要 |
| 構造・機能・整備(電気) | 9問 | 15分 | 感知器の構造や配線の問題・幅広く問われる |
| 構造・機能・整備(規格) | 6問 | 10分 | 数値の暗記が決め手・知っていれば速い |
筆記30問に60分を使うと、残り45分が実技に使えます。
実技5問の目安配分
実技は記述式(鑑別)で、写真や図を見て名称・用途・数値を答える形式です。1問あたり5〜8分を目安に確保します。5問で25〜40分、残りを見直しに使います。
- 写真の読み取りに時間がかかる問題:8分まで
- 名称を書くだけの問題:2〜3分
- 設置基準の数値を記述する問題:4〜5分
実技は部分点があるため、空欄で終わらせるより不完全でも何か書くほうが得点に結びつきます。時間が迫っていても最後の1問は必ず記入します。
甲4の科目別時間配分
甲4の試験時間は3時間15分(195分)、合計52問(筆記45問・実技7問)です。実技には鑑別5問に加えて製図2問が含まれます。
筆記45問の目安配分
| 科目 | 問数 | 目安時間 | 理由 |
|---|---|---|---|
| 消防関係法令(共通) | 8問 | 12分 | 乙4より2問少ない・同じ感覚で解ける |
| 消防関係法令(第4類) | 7問 | 10分 | 乙4と同じ問数・法令知識の確認 |
| 基礎的知識(電気) | 10問 | 20分 | 計算問題の比率が高い・1問に時間がかかる |
| 構造・機能(電気) | 12問 | 25分 | 甲4最多の科目・配線・受信機の問題が多い |
| 構造・機能(規格) | 8問 | 15分 | 数値の暗記・知っていれば速い |
筆記45問に82分(約1時間22分)を使うと、残り113分(約1時間53分)が実技に使えます。
実技7問の目安配分
甲4の実技は鑑別5問(記述)+製図2問(計算・図の作成)です。製図に十分な時間を確保することが重要です。
| 実技区分 | 問数 | 目安時間 | 内容 |
|---|---|---|---|
| 鑑別 | 5問 | 40〜50分 | 写真・図の名称・用途・数値の記述 |
| 製図 | 2問 | 50〜60分 | 感知器の個数計算・系統図・平面図への記入 |
製図2問に50〜60分を確保するのが目標です。製図を後回しにすると時間切れのリスクが上がります。試験の順序は自由なので、製図を先に解いてから鑑別に戻る戦略を取る受験者もいます。
電工2種免除時の時間の変化
第二種電気工事士(または第一種)の免状を持つ場合、試験申込み時に申請することで一部の科目が免除されます。免除後は問題数が減るとともに試験時間も短縮されます。
乙4の免除後
「基礎的知識(電気)5問」と「構造機能整備(電気)9問」が免除され、筆記が30問から16問に減ります(残科目:法令共通6問・法令4類4問・規格6問)。試験時間は1時間45分から1時間に短縮されます。
60分で21問(筆記16問+実技5問)を解くため、1問あたりの平均は約2分50秒です。免除なしの場合(1問3分)より短くなります。計算問題に時間をかけすぎないよう注意が必要です。
甲4の免除後
基礎的知識(電気)の一部と構造機能(電気)の一部が免除されます。筆記が45問から約23問に減り、試験時間は3時間15分から2時間30分に短縮されます。
150分で約30問(筆記23問+実技7問)を解くため、1問あたりの平均は5分です。製図に十分な時間が取れる一方、慣れていないと実技で時間を使いすぎる場合があります。
問題数・免除範囲・試験時間は消防試験研究センターの最新情報で必ず確認してください。
見直しに使える時間の目安
見直し時間は「全問を解き終えてから試験終了まで」に残る時間です。上記の目安配分を守った場合、乙4・甲4それぞれの見直し時間の目安は以下のとおりです。
| 区分 | 試験時間 | 解答目安時間 | 見直し見込み時間 |
|---|---|---|---|
| 乙4(通常) | 105分 | 90〜95分 | 10〜15分 |
| 乙4(電工免除) | 60分 | 50〜55分 | 5〜10分 |
| 甲4(通常) | 195分 | 175〜185分 | 10〜20分 |
| 甲4(電工免除) | 150分 | 130〜140分 | 10〜20分 |
見直し時間はあくまで目安です。1問で詰まって時間を消費すると見直し時間がなくなります。
見直しで得点が変わりやすい場面
- 選択肢の読み違いに気づく(「正しいものはどれか」を「誤りはどれか」と勘違いしていた)
- 計算問題の単位変換ミス(kΩとΩの混同・断面積と直径の混同)を発見できる
- 実技の記述で「名称だけ書いて用途を書き忘れていた」に気づける
- マークシートの記入ずれを修正できる(CBT方式はこのリスクがないが書面試験は要注意)
見直し時間を最低5分は確保できるよう、試験の序盤から時間を意識します。
時間が足りなくなる場面と対処法
計算問題で手が止まる
基礎的知識(電気)の計算問題(オームの法則・合成抵抗・回路抵抗など)や、甲4の感知器個数計算で手が止まる場合があります。対処法は以下のとおりです。
- 2分以上かかりそうと感じたら一旦飛ばして次の問題に進む
- 全問を一周してから戻って解く
- 選択肢から逆算できる問題は式を立てるより先に選択肢を見る
実技の記述で考えすぎる
鑑別問題で写真の機器が特定できず、長時間考え込む場合があります。対処法は以下のとおりです。
- 名称が出てこなくても「役割・用途」から書き始める
- 部分点を意識して、知っている情報だけ先に記入する
- 完全な空欄より不完全な記述のほうが得点につながる
甲4の製図で手順を忘れる
製図問題は手順を体に染み込ませていないと、試験中に何から始めるか迷って時間を消費します。対処法は以下のとおりです。
- 試験前に「警戒区域の区切り → 感知器の種類の選定 → 個数の計算 → 系統図/平面図への記入」という手順を繰り返し練習する
- 試験開始直後に問題用紙の余白に手順のメモを書いておく
- 計算は問題用紙に書いて、答えを解答用紙に転記する手順を徹底する
最後の問題を解き終えられない
試験残り5分で残り3問という状況を避けるには、序盤から「残り時間と残り問数」を把握します。試験の中間地点(乙4なら52分・甲4なら97分)で全体の半分を終えているかを確認し、遅れていれば飛ばして先に進みます。
試験時間の管理で意識すること
試験時間の管理で最も重要なのは「1問に使える上限時間を決めて守る」ことです。目安は以下のとおりです。
- 筆記の選択肢問題:1問最大3分(それ以上かかる問題は飛ばす)
- 計算問題:1問最大4分(手が止まったら飛ばす)
- 実技の鑑別:1問最大8分(部分点を確保してから次へ)
- 甲4の製図:1問最大25分(30分を超えたら見切りをつける)
試験本番は練習より時間を感じにくいため、日頃の練習から時間を測る習慣をつけます。問題集で解答する際にストップウォッチを使い、1問あたりの実際の所要時間を把握しておくと、試験本番での時間管理がしやすくなります。
出典
- 消防試験研究センター「試験科目及び問題数」(公式サイト)
- 消防試験研究センター「受験案内」(公式サイト)
本記事に記載の問題数・試験時間は消防試験研究センターの公式情報に基づきますが、変更される場合があります。受験前にセンターの最新情報を確認してください。
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4類の試験概要・料金・よくある質問は消防設備士4類 案内ページをご覧ください。


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