乾式スプリンクラーは2次側配管に加圧空気(窒素)を封入した方式で、凍結のおそれがある寒冷地の場所に使います。予作動式は感知器が作動してかつヘッドが開放したときに放水する方式で、誤作動による水損が許容できない電算機室や精密機器の場所に使います。どちらも湿式より設備が複雑で、試験では作動条件・設置場所・流水検知装置の種類が繰り返し問われます。
作成:fufumumu_design(ふふ)/作成日:2026年10月28日/数字の出典は各表の下に記載しています。
問題をすぐに解いてみたい方は、こちらのアプリをご利用ください。
3方式の2次側配管の状態と作動条件
湿式・乾式・予作動式の最大の違いは、2次側配管(流水検知装置からヘッドまで)に何が入っているかです。
| 方式 | 2次側の状態 | 放水までの条件 | 流水検知装置の種類 |
|---|---|---|---|
| 湿式 | 常時充水(水が満たされている) | ヘッドが熱で開放するだけ | 湿式(アラーム弁) |
| 乾式 | 加圧空気または窒素が封入 | 空気圧が低下→乾式弁が開放→充水→ヘッドから放水 | 乾式(ドライパイプバルブ) |
| 予作動式 | 大気圧(何も封入されていない) | 感知器が作動AND(かつ)ヘッドが開放→放水 | 予作動式(デリュージバルブ型) |
出典:消防法施行規則第14条(2026年10月28日に確認)
乾式スプリンクラーの仕組み
乾式スプリンクラーは、2次側配管に加圧空気(または窒素)を封入し、この空気圧でドライパイプバルブ(乾式弁)を閉じています。
火災によりヘッドが開放すると、2次側の空気圧が低下します。空気圧が低下すると1次側(水圧側)との圧力バランスが崩れ、乾式弁が開放します。その後、2次側配管に水が充水され、最終的にヘッドから放水が始まります。
湿式に比べて放水開始までに「充水」の時間がかかるため、初期対応が遅れる可能性があります。このため乾式スプリンクラーには充水時間の規定があり、一般に60秒以内とされています。
乾式を使う場所
乾式スプリンクラーは凍結のおそれがある場所に使います。2次側に水がないため、寒冷地や屋外の軒下・寒冷倉庫などで凍結リスクがある場所に設置します。
| 設置場所 | 理由 |
|---|---|
| 寒冷地の屋内(倉庫・物流施設等) | 冬季の配管凍結を防ぐため |
| 屋外の軒下・ひさし下 | 外気温の影響を受けやすい場所 |
| 冷凍倉庫・冷蔵庫 | 常時低温でありながらスプリンクラー設置が必要な場所 |
予作動式スプリンクラーの仕組み
予作動式スプリンクラーは、感知器(熱感知器・煙感知器)の作動とスプリンクラーヘッドの開放という2つの条件が揃ったときに放水します。
作動の流れは次のとおりです。
- 火災感知器が作動し、制御盤に信号が送られる
- 制御盤が予作動式弁(デリュージバルブ)を電気的に開放する
- 2次側配管に充水が始まる(この時点では放水しない)
- 火災が拡大してヘッドが熱で開放する
- 充水済みの配管から放水が始まる
感知器だけが作動してヘッドが開放していない場合は充水のみで放水しません。ヘッドだけが開放しても感知器が作動していなければ放水しません。両方の条件が揃って初めて放水します(AND条件)。
予作動式を使う場所
予作動式は誤作動による水損を防ぎたい場所に使います。
| 設置場所 | 理由 |
|---|---|
| 電算機室・サーバールーム | 誤作動で機器が水損すると甚大な損害になる |
| 精密機器の製造・保管施設 | 水による機器損傷リスクが高い |
| 美術館・博物館・文書庫 | 水損が取り返しのつかない被害を生む展示物・文書がある |
二重インターロック方式
予作動式の中でも特に厳格な方式が二重インターロック(ダブルインターロック)方式です。通常の予作動式(シングルインターロック)は感知器が作動するだけで弁が開いて充水が始まります。これに対し、二重インターロック方式は感知器作動AND(かつ)ヘッド開放の両方が揃わないと弁が開きません。水損リスクをさらに低減したい場所に使われます。
試験で問われるポイント
| 問われる内容 | 答え |
|---|---|
| 乾式の2次側に何が入っているか | 加圧空気(または窒素) |
| 乾式を設置する場所はどこか | 凍結のおそれがある場所 |
| 予作動式の放水条件は何か | 感知器作動AND(かつ)ヘッド開放 |
| 予作動式を設置する場所はどこか | 誤作動による水損を防ぎたい場所(電算機室等) |
| 予作動式の2次側の状態は何か | 大気圧(何も入っていない) |
まとめ
乾式は凍結対策、予作動式は水損対策として使う方式です。乾式は2次側が加圧空気、予作動式は大気圧(空)で、どちらも湿式より作動が遅い代わりに誤放水のリスクを下げています。試験では2次側の状態・設置場所・放水条件のセットで覚えることが有効です。流水検知装置の全体像は流水検知装置の3種類にまとめています。
問題をすぐに解いてみたい方は、こちらのアプリをご利用ください。


コメント