アラーム弁(湿式流水検知装置)の構造と試験に出る部品の役割

アラーム弁(湿式流水検知装置)の構造と試験に出る部品の役割 資格

アラーム弁(湿式流水検知装置)は、スプリンクラーヘッドが作動して配管内に水流が生じたとき、クラッパーが開放して警報を出す弁です。1次側(給水側)・2次側(ヘッド側)の圧力差でクラッパーが開き、リターディングチャンバーを経て圧力スイッチが作動します。試験では構造の名称と作動の順序が繰り返し出題されます。

作成:fufumumu_design(ふふ)/作成日:2026年10月28日/数字の出典は各表の下に記載しています。

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アラーム弁は湿式流水検知装置の正式名称

流水検知装置には湿式・乾式・予作動式の3種類がありますが、もっとも普及しているのが湿式です。湿式の流水検知装置は通称「アラーム弁」と呼ばれ、消防法施行規則第14条第1項第2号の規定に基づいて設置されます。

アラーム弁は配管の途中に設置され、1次側(ポンプ・水源側)と2次側(スプリンクラーヘッド側)を仕切るクラッパーと呼ばれる弁体を持っています。通常は1次側と2次側が同圧に保たれているためクラッパーは閉じています。ヘッドが作動して2次側の圧力が下がると、1次側との差圧でクラッパーが押し開かれます。

アラーム弁の構成部品と各部の役割

部品名 役割
クラッパー(弁体) 1次側と2次側を仕切る。2次側の圧力低下で開放する
リターディングチャンバー クラッパーが開いた水を一時的にためる小室。水圧スイッチへの誤作動防止に使う
圧力スイッチ(水圧スイッチ) リターディングチャンバー内の圧力上昇を検知して火災信号を出す
警報用補助弁(アラームテストバルブ) テスト時に水を流してアラームを鳴らすための弁
排水弁(ドレンバルブ) 点検後に配管内の水を排水する弁
圧力計 1次側・2次側それぞれの圧力を表示する

出典:消防法施行規則第14条(2026年10月28日に確認)

アラーム弁が作動するまでの流れ

火災によるヘッドの作動から警報が鳴るまで、アラーム弁の内部では以下の順序で動作します。

  1. スプリンクラーヘッドが熱で作動し、2次側配管に水が流れ出す
  2. 2次側の圧力が低下し、1次側との差圧でクラッパーが開放する
  3. 1次側の水がリターディングチャンバーに流れ込む
  4. リターディングチャンバーが充水されて圧力スイッチが作動する
  5. 受信機に信号が送られ、警報ベルが鳴る
  6. 同時にポンプ起動信号が送られ、加圧送水装置が動作する

リターディングチャンバーは、配管内の微細な圧力変動(ウォーターハンマーや漏水など)では充水されにくい構造になっています。これによって誤報を防いでいます。

リターディングチャンバーが必要な理由

アラーム弁にリターディングチャンバーを設けるのは、誤報を防ぐためです。配管内では水撃(ウォーターハンマー)や微細な漏水によって2次側圧力が瞬間的に下がることがあります。リターディングチャンバーなしでは、このような一時的な圧力変動でもクラッパーが開いて警報が鳴ってしまいます。

リターディングチャンバーは一定量の水が流れ込んで初めて圧力スイッチが作動する構造のため、一時的な圧力変動では警報が出ません。スプリンクラーヘッドが実際に作動した場合は継続的に水が流れるため、チャンバーが充水されて圧力スイッチが作動します。

試験でよく出るアラーム弁の問題パターン

第1類の試験では、アラーム弁の構造と機能について以下のような出題があります。

出題パターン ポイント
各部品の名称と役割を選ぶ クラッパー・リターディングチャンバー・圧力スイッチの組み合わせ
作動の順序を正しく並べる ヘッド作動→クラッパー開→チャンバー充水→スイッチ作動の順
リターディングチャンバーの目的を選ぶ 誤作動・誤報の防止(ウォーターハンマー等への対応)
1次側・2次側の圧力関係を選ぶ 通常時は同圧。2次側低下でクラッパー開
アラームテストバルブの用途を選ぶ 定期点検時のアラーム動作確認に使う

アラーム弁の設置基準

アラーム弁(湿式流水検知装置)は、消防法施行規則第14条第1項第2号の規定により、スプリンクラー設備の配管系統ごとに設けなければなりません。設置場所については、点検が容易にできる場所に設けることとされています。

アラーム弁1台がカバーできる警戒区域の面積は、一般的な基準として3,000m²以下とされています。これを超える場合は複数台設置します。

乾式・予作動式との違い

湿式アラーム弁と乾式・予作動式の主な違いは、2次側配管の状態です。

方式 2次側配管の状態 作動条件
湿式(アラーム弁) 常時充水(水が入っている) ヘッドが熱で開放するだけで放水
乾式 加圧空気(窒素)が入っている 空気圧低下→弁開放→充水→放水
予作動式 大気圧(何も入っていない) 感知器作動AND(かつ)ヘッド開放→放水

乾式・予作動式の詳細は乾式・予作動式スプリンクラーの設置場所と仕組みにまとめています。

まとめ

アラーム弁は湿式スプリンクラーの要となる弁で、クラッパーの開放・リターディングチャンバーの充水・圧力スイッチの作動という流れで警報を出します。試験では構成部品の名称と役割、作動順序、リターディングチャンバーの目的が繰り返し出題されます。流水検知装置の種類(湿式・乾式・予作動式)との違いも合わせて整理しておくと、鑑別・筆記の両方に対応できます。

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