二級ボイラー技士試験【ガス燃料】都市ガスとLPGの違い・取扱い上の注意

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ガス燃料は液体燃料と比べてクリーンで取扱いが簡単な反面、爆発範囲(燃焼範囲)を持つ可燃性ガスであるため、漏えい時の危険性があります。試験では都市ガスとLPG(液化石油ガス)の比重・爆発範囲・漏えい時の危険の違いが毎回問われます。数値を正確に覚えることが得点につながります。

都市ガスとLPGの基本的な違い

ボイラーで使われるガス燃料には、都市ガス(天然ガス主体)とLPG(液化石油ガス:プロパン・ブタンが主成分)の2種類があります。最大の違いは「空気との比重」です。

特性 都市ガス(13A) LPG(プロパン)
主成分 メタン(CH₄)約90% プロパン(C₃H₈)・ブタン(C₄H₁₀)
空気との比重 0.65程度(空気より軽い) 1.5〜2.0(空気より重い)
漏えい時の危険箇所 天井・高い場所に滞留する 床・低い場所に滞留する
爆発下限界 約5% 約2.1%(プロパン)
爆発上限界 約15% 約9.5%(プロパン)
付臭(においの有無) 付臭されている(漏えい検知のため) 付臭されている(漏えい検知のため)

試験では「都市ガスは空気より軽い」「LPGは空気より重い」という比重の比較問題が最頻出です。

爆発範囲(燃焼範囲)とは

ガスと空気が混合したとき、点火源があれば爆発(急激な燃焼)を起こす濃度の範囲を「爆発範囲」または「燃焼範囲」といいます。

  • 爆発下限界:爆発が起きる最低ガス濃度。この濃度より薄いと点火しても爆発しない
  • 爆発上限界:爆発が起きる最高ガス濃度。この濃度より濃いと空気が不足して爆発しない
  • 爆発範囲が広いほど危険:下限界と上限界の差が大きいほど危険な濃度帯が広くなる

都市ガス(メタン)の爆発範囲は5〜15%(幅10%)で、LPG(プロパン)の爆発範囲は2.1〜9.5%(幅約7.4%)です。LPGは爆発下限界が低い(少しの濃度でも爆発リスクがある)ため、扱いには特に注意が必要です。

ガス漏えい時の確認と注意事項

ガスが漏えいした場合、都市ガスとLPGでは危険な場所が異なります。比重の違いを踏まえた対応が必要です。

  • 都市ガス漏えい時:軽いため天井付近に滞留する。換気は天井に近い高い位置から行う。天井付近の検知器が有効
  • LPG漏えい時:重いため床・ピット・地下空間に滞留する。換気は床に近い低い位置から行う。床付近の検知器が有効。排水溝・下水道にも流れ込む危険がある
  • 共通の対応:ガス漏えいを確認したら元栓を閉める・電気スイッチに触れない(火花で引火する恐れ)・窓を開けて換気する・118番(ガス漏えいは消防署へは119番)または事業者に連絡する

ガス燃料の着火方法とパージの重要性

ガスボイラーを起動するときは、必ず炉内と煙道の残留ガスを換気(パージ)してから着火します。残留ガスが残った状態で着火すると爆発的燃焼(爆発着火)が起きる危険があります。

  • プレパージ(点火前パージ):点火前に送風機を動かして炉内・煙道の残留ガスを排出する。パージ量の目安は炉内容積の4〜5倍以上の空気量
  • ポストパージ(消火後パージ):消火後にも残留ガスを排出する。次回起動時の安全確保が目的
  • 着火確認:パイロットバーナー(種火)で主バーナーに着火。着火確認の「フレームアイ(火炎検出器)」が作動しない場合は燃料供給を遮断する

都市ガスの付臭と検知器の使用

天然ガス(メタン)は本来無臭です。漏えいを人間の嗅覚で検知できるよう、都市ガスにはメルカプタン(硫黄化合物)などの付臭剤が加えられています。LPGも同様に付臭されています。

  • 付臭剤の匂い:腐った玉ねぎのような独特の臭気
  • ガス検知器の設置:ガスの比重に合わせた位置に設置する(都市ガス:天井付近、LPG:床付近)
  • 付臭を感じた場合:直ちに使用を中止し換気と元栓閉鎖を行う

試験頻出ポイントと誤りやすい箇所

  • 都市ガスは空気より軽い(比重0.65程度)→ 天井に滞留する
  • LPGは空気より重い(比重1.5〜2.0)→ 床・低所に滞留する(最頻出の比較問題)
  • 爆発下限界はLPGの方が低い(2.1% vs 5%)→ LPGは少量漏れでも危険
  • 「爆発範囲が広いほど危険」は正しい。都市ガスの方が爆発範囲が広い(5〜15%)
  • 着火前に必ずプレパージを行う。ガス漏れ状態での電気スイッチ操作は厳禁

この記事のまとめ

都市ガスは空気より軽く(比重0.65程度)天井付近に滞留します。LPGは空気より重く(比重1.5〜2.0)床・低所に滞留します。爆発下限界はLPGの方が低い(2.1%)ため、少量の漏えいでも爆発リスクがあります。着火前は必ずプレパージで炉内の残留ガスを排出します。ガス漏えい時は電気スイッチに触れず換気して元栓を閉めます。試験では比重の違い・漏えい時の滞留場所・爆発範囲の数値が繰り返し出題されます。


出典:安全衛生技術試験協会 公表試験問題・ボイラー及び圧力容器安全規則(e-Gov法令検索)
作成:fufumumu_design|更新:2026年11月

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