危険物取扱者 乙種第6類(乙6)の試験概要。3科目の出題内容と合格基準を整理する。

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危険物取扱者 乙種第6類(乙6)の試験は、法令・基礎的な物理学および基礎的な化学・危険物の性質ならびにその火災予防および消火の方法の3科目、合計35問で構成されています。各科目60%以上かつ全体でも60%以上が合格基準です(消防試験研究センター公表)。受験資格はなく、誰でも申し込めます。乙6が扱う第6類危険物は過塩素酸・過酸化水素・硝酸・三フッ化臭素・五フッ化臭素・五フッ化ヨウ素の6品目で、すべて酸化性液体です。

試験科目と問題数の内訳

乙6の筆記試験は3科目で、科目ごとに合格ラインが設けられています。1科目でも60%を下回ると不合格になります(消防試験研究センター「危険物取扱者試験 試験科目及び問題数」)。

科目 問題数 合格に必要な正解数
危険物に関する法令 15問 9問以上(60%)
基礎的な物理学および基礎的な化学 10問 6問以上(60%)
危険物の性質ならびにその火災予防および消火の方法 10問 6問以上(60%)
合計 35問 21問以上(全体60%)

問題はすべて4択の選択式で、記述式はありません。試験時間は2時間です。他の類の免状を持っている場合は科目免除があり、性消10問のみの受験で試験時間は35分になります。

乙6が対象とする第6類危険物の6品目

乙6の性質消火は第6類(酸化性液体)だけを扱います。乙4の第4類(引火性液体)が品目数の多さで知られるのと対照的に、乙6は6品目に絞られる代わりに各品目の性状・消火方法・危険等級を深く問われます。

品目 分子式 指定数量 危険等級 消火方法
過塩素酸 HClO₄ 300L I 大量の水
過酸化水素 H₂O₂ 300L II 大量の水
硝酸 HNO₃ 300L II 大量の水
三フッ化臭素 BrF₃ 300L I 乾燥砂(水厳禁)
五フッ化臭素 BrF₅ 300L I 乾燥砂(水厳禁)
五フッ化ヨウ素 IF₅ 300L I 乾燥砂(水厳禁)

第6類はすべての品目で指定数量が300Lです(消防法別表第一)。消火方法は「過塩素酸・過酸化水素・硝酸は大量の水」「三フッ化臭素・五フッ化臭素・五フッ化ヨウ素はフッ素化合物のため水と激しく反応するので乾燥砂」と覚えることが試験対策の柱になります。

法令15問の出題傾向

法令は3科目のうち最も問題数が多い科目です。消防法・危険物の規制に関する政令・危険物の規制に関する規則から出ます。乙4・甲種など他の類と共通の法令範囲なので、他の類の免状を持っている受験者は科目免除を利用できます。

  • 指定数量と倍数計算(複数品名がある場合の合算)
  • 危険物施設の種類(製造所・7種類の貯蔵所・4種類の取扱所)
  • 保安距離と保有空地の数値(製造所等ごとの基準)
  • 危険物取扱者の種類・選任義務・立会い規定
  • 危険物保安監督者・保安統括管理者の選任条件
  • 製造所等の設置許可・変更許可・完成検査の手続き
  • 定期点検の対象施設・記録の保存期間(3年間)
  • 危険物の運搬基準(容器・表示・積み重ね制限)

乙6の法令は第6類専用の条文があるわけではなく、消防法の共通部分(指定数量・製造所等の基準)から出ます。乙4でも同じ問題が問われるため、乙4の合格者や学習経験者は法令の勉強時間を短縮できます。

物理化学10問の出題傾向

物化は燃焼・爆発・電気・酸化還元など化学と物理の基礎知識から出ます。乙6では酸化性液体の性質に直接関わる酸化還元・強酸の化学が問われる場面があります。

  • 燃焼の三要素(可燃物・酸素・点火源)と消火の原理
  • 酸化と還元の定義(電子の授受・酸素の増減)
  • 強酸・弱酸の違い(過塩素酸・硝酸は強酸)
  • 気体の性質(蒸気比重・引火点・発火点)
  • 静電気の発生と除去
  • 金属の腐食と防食

物化は他の類との共通問題が多い科目です。計算問題は少ないですが、モル計算・密度・濃度の基礎は押さえておく必要があります。

性質消火10問の出題傾向

性消は乙6に特化した科目で、第6類(酸化性液体)6品目の性状・消火方法・危険等級・指定数量が問われます。過塩素酸・過酸化水素・硝酸の「水系消火が可能な品目」とフッ素系3品目の「水厳禁・乾燥砂」の区別が最重要テーマです。

  • 各品目の外観・臭い・融点・沸点・比重
  • 有機物・可燃物との接触による反応・発火危険
  • 皮膚・金属への腐食性
  • 危険等級I(過塩素酸・三フッ化臭素・五フッ化臭素・五フッ化ヨウ素)とII(過酸化水素・硝酸)の区分
  • 消火方法の違い(水系 vs 乾燥砂)
  • 保管容器の材質(フッ素系はフッ素樹脂容器・ガラス容器)
  • 漏洩時の応急措置(水で希釈・フッ素系は砂で吸収)

合格基準と科目落ちのパターン

合格には3科目すべてで60%以上かつ全体でも60%以上が必要です。全体が60%を超えていても1科目でも60%未満であれば不合格になります。

乙6での科目落ちは性消に集中しやすいと言われます。法令は乙4と共通の範囲なので学習しやすく、物化も比較的対策しやすいです。一方、性消の第6類6品目は暗記事項が多く、フッ素系化合物(三フッ化臭素・五フッ化臭素・五フッ化ヨウ素)は日常生活になじみがないため、後回しにしやすい科目です。6品目の性状を表で整理して繰り返し確認することが合格への近道です。

乙6の試験方式と日程の確認方法

試験方式はCBT試験(コンピュータ方式)と書面試験(ペーパー方式)の2種類です。CBT試験は全国のテストセンターで受験でき、空きがあれば自分の都合に合わせた日程を選べます。書面試験は都道府県ごとの試験日程・会場に合わせる必要があります。どちらの方式で受験しても取得できる免状は同じです。

最新の試験日程・申込み方法は消防試験研究センター(https://www.shoubo-shiken.or.jp/)の公式サイトで確認してください。受験手数料・申込締め切りも都道府県・試験方式によって異なります。

乙6の勉強の進め方

乙6の学習は、法令→物化→性消の順に進めるのが一般的です。法令は問題数が多く配点が高いため最優先で固める。物化は他の類と共通の基礎なので効率よく学べます。性消は6品目を表で比較しながら覚えます。

  • 法令(15問):消防法の体系・製造所等の種類・保安距離の数値・指定数量計算
  • 物化(10問):燃焼・酸化還元・酸塩基・電気の基礎
  • 性消(10問):第6類6品目の性状一覧表を繰り返し確認

乙4の免状を持っている場合は科目免除が使えるため、性消10問のみの学習に集中できます。勉強時間の目安は科目免除なしで50〜80時間程度(個人差あり)、科目免除ありで15〜30時間程度です。

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出典:消防試験研究センター「危険物取扱者試験 試験科目及び問題数」「危険物取扱者試験 試験実施について」、消防法別表第一(危険物の品名・指定数量)、危険物の規制に関する政令。作成日:2026年11月。

この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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