危険物甲種の物化計算問題は、気体の状態方程式(PV=nRT)・モル計算・密度計算の3種類が頻出です。解法のパターンは決まっているため、公式と単位変換を覚えて問題を繰り返し解くことで安定して得点できます。
甲種物化に出る計算問題の種類
| 計算の種類 | 頻出度 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 気体の状態方程式 | 高 | 温度・圧力・体積・物質量の関係を求める |
| モル計算 | 高 | 質量↔mol↔体積の変換 |
| 密度・比重計算 | 中 | 液体危険物の質量・体積の換算 |
| 燃焼範囲・爆発限界 | 中 | 燃焼下限界・上限界の数値 |
| 熱量・発熱量 | 低 | 反応熱・ヘスの法則(出る場合あり) |
気体の状態方程式:PV=nRT
気体の状態方程式 PV=nRT は甲種物化で最も出やすい計算です。
各変数の定義と単位
| 変数 | 意味 | 単位(SI) | 換算 |
|---|---|---|---|
| P | 圧力 | Pa(パスカル) | 1atm = 101,325 Pa ≈ 1.013×10⁵ Pa |
| V | 体積 | m³ | 1L = 10⁻³ m³ |
| n | 物質量 | mol | — |
| R | 気体定数 | 8.314 J/(mol·K) | 0.082 L·atm/(mol·K) |
| T | 絶対温度 | K(ケルビン) | T(K) = t(℃) + 273 |
問題の解き方の手順
- 温度を℃からKに変換(T = t + 273)
- RとPとVの単位系を統一(Pa・m³系 または atm・L系)
- PV=nRT に数値を代入して未知数を求める
計算例
問:0℃・1.013×10⁵ Pa の条件で2molの気体の体積を求めよ。
T = 0 + 273 = 273 K
V = nRT/P = 2 × 8.314 × 273 ÷ (1.013×10⁵) ≈ 0.0448 m³ = 44.8 L
※1mol の気体が標準状態(0℃・1atm)で22.4Lになることから、2molで44.8Lと確認できます。
モル計算:質量↔mol の変換
n(mol)= 質量(g)÷ モル質量(g/mol)
モル質量は分子量と同じ数値です(単位がg/mol)。
主な物質のモル質量(甲種でよく使う)
| 物質 | 化学式 | モル質量 | 計算根拠 |
|---|---|---|---|
| 水 | H₂O | 18 g/mol | H×2+O=1×2+16=18 |
| 酸素 | O₂ | 32 g/mol | O×2=16×2=32 |
| 二酸化炭素 | CO₂ | 44 g/mol | C+O×2=12+32=44 |
| 水素 | H₂ | 2 g/mol | H×2=1×2=2 |
| 窒素 | N₂ | 28 g/mol | N×2=14×2=28 |
| メタン | CH₄ | 16 g/mol | C+H×4=12+4=16 |
| エタノール | C₂H₅OH | 46 g/mol | C×2+H×6+O=24+6+16=46 |
原子量:H=1・C=12・N=14・O=16・Na=23・K=39・Ca=40・S=32・Cl=35.5
モル計算の例
問:二酸化炭素(CO₂)88gは何molか。
n = 88 ÷ 44 = 2 mol
密度・比重の計算
液体危険物の質量と体積を換算する問題に使います。
- 密度(g/mL または g/cm³)= 質量(g)÷ 体積(mL)
- 比重 = 物質の密度 ÷ 水の密度(1.0 g/mL)
- 質量 = 体積 × 密度 = 体積 × 比重(比重は水に対する相対値のため)
計算例
問:比重0.8の液体が200Lある場合の質量を求めよ。
質量 = 200,000 mL × 0.8 g/mL = 160,000 g = 160 kg
(200L = 200,000mL であることに注意)
計算ミスを防ぐ3つのポイント
- 温度は必ずKに変換する:℃のまま代入すると計算結果が全く異なる。最初に変換する習慣をつける
- 単位系を統一してから計算する:PaとatmをRの使い方で統一(SI系ならR=8.314 J/(mol·K)・Pa・m³、慣用系ならR=0.082 L·atm/(mol·K))
- 答えの桁を概算で確認する:1molの気体が標準状態で22.4Lという基準値と比較して、計算結果が妥当かチェックする
この記事について
掲載の計算式・原子量は化学の標準的な値に基づいています。試験での電卓使用の可否・計算問題の形式は消防試験研究センター受験案内(https://www.shoubo-shiken.or.jp/)で確認してください。
作成:fufumumu_design 最終更新:2026年11月

コメント