衛生管理者の仕事内容。7つの職務と日常業務を解説

第一種衛生管理者の試験全体については、こちらの記事もご参照ください。
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衛生管理者の仕事は、職場の労働衛生に関する技術的な事項を管理することです。具体的には、毎週1回の職場巡視・衛生委員会への出席・健康診断の実施管理・労働者の健康保持増進のための施策立案などが主な業務です。ここでは試験にも出る衛生管理者の職務内容を、安衛則の規定に沿って解説します。

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衛生管理者の職務。安衛則第11条が定める7つの管理事項

労働安全衛生法第12条は「衛生管理者は、厚生労働省令で定めるところにより、その事業場の規模・業種に応じた衛生に係る技術的事項を管理しなければならない」と定めています。具体的な職務内容は、労働安全衛生規則第11条に次の7項目として列挙されています。

  1. 健康に異常のある者の発見および処置
  2. 作業環境の衛生上の調査
  3. 作業条件・施設等の衛生上の改善
  4. 労働衛生保護具・救急用具等の点検・整備
  5. 衛生教育・健康相談・その他の労働者の健康保持に必要な事項
  6. 労働者の負傷・疾病、それに伴う死亡・欠勤・移動に関する統計の作成
  7. その他の労働衛生に関する事項の管理

これらの職務は、事業場の規模・業種・有害業務の有無によって実際の業務量が変わります。第一種衛生管理者は有害業務を行う事業場にも選任できるため、化学物質管理・作業環境測定の管理など、より高度な技術的知見が求められます。

日常業務の内容

毎週1回以上の職場巡視

衛生管理者は毎週1回以上、作業場を巡視しなければなりません(安衛則第11条第1項)。巡視では次の点を確認します。

  • 作業環境の状態(温度・湿度・換気・照明・騒音など)
  • 衛生設備(トイレ・休憩室・洗面所・救急箱など)の維持状態
  • 保護具(防じんマスク・保護手袋など)の着用状況
  • 危険・有害物質の保管・取り扱い状況
  • 作業者の健康状態(顔色・疲労の様子・体調不良の有無)

巡視の記録は義務ではありませんが、実務上は巡視記録票を作成して保管することが推奨されます。問題を発見した場合は、事業者(または管理監督者)に報告し、改善を促します。

衛生委員会への出席と運営補助

50人以上の事業場では毎月1回以上、衛生委員会を開催しなければなりません(安衛法第18条)。衛生管理者は委員として必ず参加し、次の役割を担います。

  • 職場巡視の結果報告・改善提案の提出
  • 健康診断結果の分析・対策案の提案
  • 衛生に関する規程・計画の提案と改定
  • 産業医の意見・勧告内容の共有
  • 過重労働対策・ストレスチェック結果への対応方針の検討

健康診断の実施管理

衛生管理者は健康診断の実施・フォローアップを事務的・技術的に支援します。主な業務は次のとおりです。

業務 内容
健診機関の選定・スケジュール調整 定期健診・特殊健診の実施計画を立案する
受診案内・受診勧奨 未受診者へのフォロー・受診率の管理
健診結果の確認・記録 個人ごとの結果票の整理・保管(5年間)
有所見者への対応 産業医の意見聴取・就業上の措置の実施補助
労基署への報告 定期健康診断結果報告書(50人以上は提出義務)

過重労働・長時間労働への対応

月80時間超の時間外・休日労働を行った労働者で、申し出た者については医師による面接指導が必要です(安衛法第66条の8)。衛生管理者は対象者のリストアップ・産業医への連絡・面接記録の管理を行います。

ストレスチェックの実施補助

50人以上の事業場では年1回のストレスチェックが義務付けられています(安衛法第66条の10)。衛生管理者は実施スケジュールの立案・労働者への案内・集団分析結果の活用検討を支援します。

衛生管理者と選任時の届出義務

衛生管理者を選任したら、遅滞なく(14日以内が目安)所轄の労働基準監督署長に「衛生管理者選任報告」を提出しなければなりません(安衛則第7条)。届出には選任者の免許証の写しを添付します。

選任条件 必要な種類・人数
常時50〜200人の事業場 1人以上
常時201〜500人 2人以上
常時501〜1,000人 3人以上
常時1,001〜2,000人 4人以上
常時2,001〜3,000人 5人以上
常時3,001人以上 6人以上
常時1,000人超または有害業務で500人以上 専任(他の業務を兼務しない)

試験での出題ポイント

第一種衛生管理者の試験では、衛生管理者の「職務・権限・義務」に関する問題が一般法令から毎回出題されます。特に頻出なのは次の点です。

  • 巡視頻度:「毎週1回以上」(産業医の「毎月1回以上」と混同しない)
  • 権限:衛生管理者は「勧告権」はなく「意見具申」が中心。勧告権は産業医が持つ
  • 専任義務の発生条件:1,000人以上または有害業務で500人以上
  • 届出先:所轄労働基準監督署長(厚生労働大臣ではない)

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出典:
・労働安全衛生法 第12条・第18条・第66条の8・第66条の10
・労働安全衛生規則 第7条・第11条・第15条・第23条
・公益財団法人 安全衛生技術試験協会「衛生管理者試験受験案内書」(www.exam.or.jp)

この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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