危険物甲種の合格率は例年34〜38%で推移しています。令和5年度の合格率は34.3%でした(消防試験研究センター公表)。乙4の合格率(約37%)とほぼ同水準ですが、甲種は受験資格のある専門知識層が受験しているため、実質的な難易度は乙4より高いとされています。科目別に見ると、全類を対象とする性消20問が最も難関です。
甲種の合格率は34〜38%で推移している
消防試験研究センターが公表している甲種の合格率は、過去5年間で以下のように推移しています。
| 年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 令和5年度 | 約10,000人 | 約3,430人 | 34.3% |
| 令和4年度 | 約10,000人 | 約3,600人 | 約36% |
| 令和3年度 | 約9,000人 | 約3,300人 | 約37% |
| 令和2年度 | 約8,000人 | 約2,800人 | 約35% |
| 令和元年度 | 約10,000人 | 約3,800人 | 約38% |
※受験者数・合格者数は概数。正確な値は消防試験研究センター(https://www.shoubo-shiken.or.jp/)の試験結果を参照してください。
出典:消防試験研究センター試験結果(令和5年度)
乙4・乙種との合格率比較
| 資格 | 合格率(近年の目安) | 受験者層 |
|---|---|---|
| 甲種 | 34〜38% | 受験資格あり(乙種4種類以上等) |
| 乙4 | 35〜40% | 誰でも受験可 |
| 乙1 | 60〜70% | 誰でも受験可(乙種免除あり) |
| 乙2 | 65〜75% | 誰でも受験可(乙種免除あり) |
| 乙5 | 60〜70% | 誰でも受験可(乙種免除あり) |
| 丙種 | 50〜55% | 誰でも受験可 |
甲種の合格率(34〜38%)は乙4(35〜40%)とほぼ同水準です。しかし甲種の受験者は乙種4種類以上保有者が多く、ある程度の基礎知識を持った層です。その中でも3人に2人が不合格になるため、実質的な試験難易度は数字以上です。
合格率が低い理由:性消20問が最難関
甲種で合格率が抑えられる主な理由は、性消(性質・消火)20問の難しさです。
乙4と甲種の性消の違い
| 項目 | 甲種(性消20問) | 乙4(性消10問) |
|---|---|---|
| 対象類 | 第1〜6類すべて | 第4類(引火性液体)のみ |
| 合格ライン | 12問以上(60%) | 6問以上(60%) |
| 学習量 | 6類分の品名・性状・消火方法 | 第4類の区分・品名のみ |
乙4保有者が甲種を受験する場合、第2・3・5・6類の性質と消火方法を新たに学ぶ必要があります。各類の主な品名・状態(固体か液体か)・特有の危険性・適切な消火剤を整理することが合格への近道です。
科目別合格基準と「足切り」に注意
甲種の合格基準は「各科目60%以上かつ全体60%以上」です。3科目すべてで60%を超えなければなりません。1科目でも基準を下回ると不合格です。
- 法令15問:9問以上(60%)
- 物化10問:6問以上(60%)
- 性消20問:12問以上(60%)
法令・物化を高得点でも、性消12問に届かなければ不合格です。性消を重点的に学びながら、3科目すべてが基準を超えるように学習を配分することが重要です。
甲種が「難しい」とされる本当の理由
合格率だけ見ると甲種と乙4は近い水準ですが、以下の要因から甲種の難易度は実質的に高いと考えられます。
- 受験資格の壁:乙種4種類以上を取得していなければ受験できない。乙種4種類取得だけでも相当の学習が必要。
- 学習範囲が広い:乙4は第4類だけだが、甲種は全6類を覚える必要がある。
- 物化の計算問題:乙4でも物化は出るが、甲種はより高度な化学計算(モル・状態方程式等)が出題される。
- 高学力の受験者層:化学系学歴ルートで受験する大学卒業者など、学習慣れしている受験者が多い。
不合格になりやすい科目は性消
甲種の受験者が不合格になる場合、性消20問で足切りにかかるケースが多いとされています。第1〜3・5・6類は乙4の知識では対応できないため、改めて学習する必要があります。法令は乙4と共通の範囲が多く、乙4合格者にとって得点しやすい科目です。物化の計算問題は練習で対応できるため、性消の対策を最優先にすることが合格率を上げます。
合格率を上げるための対策
- 性消優先:各類の主な品名・性状・消火方法を類ごとに表で整理して覚える
- 法令は乙4の知識を活用:乙4合格者は法令を短時間で仕上げ、性消・物化に時間を集中させる
- 物化の計算は反復:気体の状態方程式・密度計算・モル計算は解法パターンを身につける
- 過去問で出題傾向を把握:甲種の問題は毎年似たテーマが出る傾向があるため、過去問の確認が有効
この記事について
合格率のデータは消防試験研究センター公表の試験結果(令和5年度)に基づいています。受験者数・合格者数の詳細な数値は同センターの公式サイト(https://www.shoubo-shiken.or.jp/)を参照してください。
作成:fufumumu_design 最終更新:2026年11月

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