軽貨物(黒ナンバー)のドライバー教育、令和7年4月から義務になった。

軽貨物(黒ナンバー)のドライバー教育、令和7年4月から義務になった。 運送業(ドライバー教育)

軽貨物自動車運送事業(黒ナンバー)のドライバー教育は、令和7年(2025年)4月1日から義務になりました。根拠は令和6年国土交通省告示第1193号です。義務の内容は一般貨物(緑ナンバー)の輸送安全規則第10条・告示第1366号と同じで、12テーマの指導・監督を行い、記録を1年間保存することが求められます。

フリーランスの配送ドライバーが増えるなかで、軽貨物事業者への安全管理の要請が高まった経緯があります。この記事では、軽貨物に義務化された内容・時期・対応のポイントを整理します。

義務化の根拠は令和6年告示第1193号

令和6年国土交通省告示第1193号により、貨物軽自動車運送事業者に対しても運転者への指導・監督が義務化されました。施行日は令和7年(2025年)4月1日です。

一般貨物の場合は貨物自動車運送事業輸送安全規則第10条が義務の根拠ですが、軽貨物の場合は同規則の適用範囲外のため、告示第1193号で別途義務を定める形をとっています。ただし12テーマの内容・頻度・記録の要件は一般貨物の告示第1366号と同じです。

出典:令和6年国土交通省告示第1193号(国土交通省公表・e-Gov法令検索)

令和7年4月1日より前は義務がなかった

令和7年3月31日以前は、軽貨物事業者に指導・監督の義務はありませんでした。令和7年4月1日以降に事業を継続しているすべての黒ナンバー事業者が新しく義務の対象になります。施行日をまたいで事業を続けている場合、令和7年4月1日から実施が求められます。

「義務化前から一般貨物に準じてやっていた」という事業者も、令和7年4月以降は法令の義務として対応が必要です。記録の要件を含めて改めて確認する必要があります。

12テーマの義務は一般貨物と同じ内容

令和6年告示第1193号が定める12テーマの内容は、一般貨物向け告示第1366号の別表第2と同じです。

No テーマ
1 事業用自動車を運転する場合の心構え
2 事業用自動車の運行の安全を確保するために遵守すべき基本的事項
3 事業用自動車の構造上の特性
4 貨物の正しい積載方法
5 過積載の危険性
6 危険物を運搬する場合に注意すべき事項
7 適切な経路の選択並びに道路及び交通の状況に応じた安全な運転方法
8 危険の予知及び回避
9 運転者の運転適性に応じた安全運転
10 交通事故が運転者に与える心理的影響
11 疾病が交通事故の要因となることについての知識
12 安全性の向上を図るための装置を備える事業用自動車の適切な運転方法

軽貨物の場合「ドライバーが自分自身」になるケースが多い

一般貨物(緑ナンバー)は、複数のドライバーを雇用する法人事業者が多く、「会社がドライバーを教育する」という形が典型です。軽貨物(黒ナンバー)の場合、個人事業主が1人で事業を行っているケースが多く、「ドライバーが自分」という状況になります。

この場合でも義務の内容は変わりません。自分自身で研修を行い、記録を残す必要があります。「1人だから誰にも教育できない」とはなりません。1人事業者であっても12テーマの学習・記録が求められます。

Amazonや楽天の配送委託を受けている場合も対象

Amazon FlexやDHL等の物流企業から配送業務を委託されているドライバーが、自ら黒ナンバーで事業者登録をしている場合は、令和7年4月以降の対象です。委託元の企業が行う安全教育とは別に、自身が事業者として12テーマの指導・監督を行う義務があります。

委託元企業が実施している教育を「自分の義務の代わりに使えるか」という疑問については、告示の要件を満たす形で実施・記録されていれば活用できる余地はあります。ただし自分の事業者としての記録として残すことが条件になります。委託元の研修記録をそのまま自分の記録とみなせるかは、運輸局の窓口でご確認ください。

一般貨物との違いは「監督機関」にある

一般貨物自動車運送事業者は、国土交通省(運輸局・運輸支局)の監督下にあり、巡回指導(運営指導)の対象になります。ドライバー教育の記録も、運輸局の巡回指導で確認されます。

軽貨物事業者については、令和7年4月以降の義務化に伴い、確認の仕組みも整備されています。実際の監督の運用については今後の動向を注視する必要がありますが、義務化された以上、記録の整備は早めに行っておくことをお勧めします。

令和7年4月以降に新規登録する場合も同じ義務がある

令和7年4月1日以降に黒ナンバーで事業を開始する場合も、同じ義務がかかります。事業開始後から12テーマの指導・監督を行い、記録を残すことが求められます。

なお、初任運転者(雇入れ時の特別教育)については、一般貨物と同様の規定があります。これは定期的な指導・監督とは別の規定です。

記録の要件は1年間の保存

指導・監督を行ったら、記録を作成し、1年間保存が必要です(令和6年告示第1193号・一般貨物の輸送安全規則第10条第2項と同じ要件)。書式は定まっていませんが、誰に・いつ・どのテーマで実施したかがわかる記録が必要です。

記録の残し方については「運送業のドライバー教育、記録はどこまで残せばいいか。」でまとめています。

12テーマの研修資料を準備するには

12テーマの研修資料・確認テスト・受講記録を、ブラウザで使える研修キットで公開しています。一般貨物・軽貨物どちらにも対応しており、1テーマ目(一般的な心構え)は無料でお使いいただけます。

軽貨物の個人事業主の方も、1人で学習・記録できる設計になっています。端末に保存するだけで、当方にデータは送信されません。

運送業 法定研修キット(12テーマ)はこちら

12テーマ全体の概要は「運送業のドライバー教育、何が義務で年何回か。」もあわせてお読みください。

あわせて読みたい:運送業のドライバー教育、何が義務で年何回か。

この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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