居宅介護支援のサービス担当者会議は、省令(平成11年厚生省令第38号)第13条第9号に定められた義務です。要介護認定の新規・更新・区分変更のタイミングや、居宅サービス計画を大きく変更する際に開催します。利用者・家族と各サービス担当者が一堂に集まり、ケアプランの内容を確認・合意する場です。記録の作成と2年間の保管も義務付けられています。この記事では開催のタイミング・参加者・照会による代替要件・記録の書き方を整理します。
サービス担当者会議を開催しなければならないタイミング
省令第13条第9号では、以下の場合にサービス担当者会議の開催が義務付けられています。
| タイミング | 詳細 |
|---|---|
| 要介護認定(新規)を受けた時 | はじめて居宅サービス計画を作成する際。認定結果を踏まえてケアプランを作成し、担当者間で内容を確認する |
| 要介護認定(更新)を受けた時 | 認定の更新に伴い、ケアプランを見直す際。更新後の認定区分に応じたサービス内容を担当者と確認する |
| 要介護区分の変更申請の結果が出た時 | 区分変更の認定結果を受けてケアプランを変更する際。区分が上がった・下がった場合ともに開催が必要 |
| 居宅サービス計画を新たに作成・変更する時 | サービスの種類・内容・量を変更するケアプランの変更。ただし軽微な変更(担当者の交代・提供時間の微調整等)は省略可 |
| 要介護認定の有効期間の満了から概ね30日前まで(更新申請の際) | 認定更新前に現在のケアプランの継続可否を担当者で確認するために開催する(通知による努力義務) |
サービス担当者会議の参加者
省令第13条第9号では、居宅サービス計画に関係するサービス担当者が参加することとされています。
- 居宅介護支援事業所のケアマネジャー(進行・記録)
- 利用者本人(原則参加。本人の参加が難しい場合も可能な限り意向を反映する)
- 家族・後見人等(利用者の支援状況を把握している者)
- 居宅サービス計画に位置付けられた各サービスの担当者(訪問介護・通所介護・訪問看護等の担当ヘルパー・相談員・看護師等)
- 担当医・歯科医師・薬剤師等(医療系サービスの利用がある場合は参加が望ましい)
実務上は、全員が同一日時に集まることが難しいケースも多くあります。そのような場合の対応については次の「照会による代替」を参照してください。
担当者照会(書面等での代替)が認められる場合
全担当者が集まることが困難な場合、照会(書面・FAX・メール等)による代替が認められています。ただし、照会で代替するには省令が定める合理的な理由が必要です。
| 照会が認められる理由 | 注意点 |
|---|---|
| 担当者の事業所が遠方にある・多数の事業所が関係しており会議の招集が困難 | 「遠方」「多数」の目安は明示されていないが、客観的に困難と認められる理由を記録に残す |
| 利用者の状態に著しい変化がなく、サービス内容に実質的な変更がない軽微な変更 | サービスの種類・内容・量の変更は軽微な変更に当たらないため照会では代替不可 |
| 末期の悪性腫瘍等で急変リスクが高く、迅速な対応が必要な場合 | 急を要する場合は開催を省略できるが、事後に記録を整備する |
照会を実施した場合は、照会した相手・照会方法(書面・FAX・メール)・照会内容・回答の内容を記録に残します。照会の記録がないと実地指導で指摘の対象となります。
ICTを活用したオンライン開催(令和3年以降)
令和3年の改定で、利用者・担当者全員の同意を前提に、テレビ電話等のICTを活用したオンラインでのサービス担当者会議も認められるようになりました。オンラインで開催した場合も、開催日・参加者・協議内容を記録する義務は変わりません。
サービス担当者会議の記録に書くべき内容
サービス担当者会議を実施した後は、記録を作成する義務があります。記録の様式は省令に定められていませんが、実地指導では以下の内容が確認されます。
- 開催年月日:会議を実施した日付(オンラインの場合はその旨を明記)
- 開催場所:利用者居宅・事業所・病院等の開催場所
- 出席者の氏名と所属・役職:参加した担当者の氏名、事業所名、職種を記載
- 欠席者と欠席の理由:参加できなかった担当者とその理由(照会に切り替えた場合はその旨)
- 協議内容:ケアプランの内容の確認、各サービスの状況・課題・意見
- 結論:ケアプランの承認・変更点の確認・今後の方針
- 次回予定:次回の会議やモニタリングの予定(必要に応じて)
軽微な変更でサービス担当者会議を省略できるケース
すべてのケアプラン変更でサービス担当者会議を開催する必要はありません。通知(平成11年老企第22号)では、以下のような「軽微な変更」は会議の開催・照会を省略できるとされています。
- サービス提供の曜日変更(利用者の状況に変化がなく、実質的な内容は同じ)
- 事業所の担当者(ヘルパー等)の変更
- 同一サービス内容・同一事業所内での担当者交代
- 目標の期間延長(達成状況に問題なく継続とする場合)
- 福祉用具の同等品への変更
ただし、軽微な変更かどうかはケースバイケースです。判断に迷う場合は、市区町村の担当窓口や国保連への確認が確実です。
記録の保管期間は2年間
サービス担当者会議の記録は、居宅介護支援に関する記録として、サービス提供が完結した日から2年間保管する義務があります(省令第29条)。廃止・休止の場合も2年間の保管は継続します。
居宅介護支援事業所の開業に向けた収支の試算は、居宅介護支援事業所(ケアマネ事務所)収支シミュレーターで確認できます。
参考・出典
- 指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第38号)第13条第9号・第29条
- 指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準について(平成11年老企第22号通知)
この記事は2026年11月時点の法令に基づいています。手続きの詳細は事業所所在地の市区町村に確認してください。
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