就労移行支援を開設・運営するには、職業指導員・生活支援員・就労支援員・サービス管理責任者(サビ管)の4種類の職種を省令の定める人数以上配置する必要があります。職業指導員と生活支援員の合計は「利用者数÷6(端数切り上げ)」以上、就労支援員は「利用者数÷15(端数切り上げ)」以上です。定員ごとの最低必要人数を整理します。
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4種類の職種と役割
就労移行支援では、以下の4種類の職員を配置します(障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準(以下「省令171」)第175条)。
- 職業指導員:就労に必要なスキルや職業的自立を支援する職員
- 生活支援員:日常生活や社会生活上の支援を行う職員
- 就労支援員:職場への適応、求職活動、就職後の定着まで支援する職員(就労移行支援に特有の職種)
- サービス管理責任者(サビ管):個別支援計画の作成・進捗管理・職員への指導を担う責任者
なお、管理者は事業所の管理業務を行う職種ですが、常勤かつ専従で配置します(他の職務との兼務は管理業務に支障がない範囲で可)。
職業指導員・生活支援員の必要人数は「利用者数÷6」
職業指導員と生活支援員の合計は、「利用者の数を6で除した数(端数切り上げ)以上」で、かつ職業指導員・生活支援員それぞれ1人以上の配置が必要です(省令171 第175条第1項第1号)。
「利用者の数」は1日あたりの利用者数(開設前は推定値を使用)で計算します。
| 定員 | 計算式 | 合計最低人数 | 内訳(最低) |
|---|---|---|---|
| 10人 | ⌈10÷6⌉=2 | 2人 | 職業指導員1人、生活支援員1人 |
| 15人 | ⌈15÷6⌉=3 | 3人 | 各1人以上(合計3人) |
| 20人 | ⌈20÷6⌉=4 | 4人 | 各1人以上(合計4人) |
「定員」と「利用者数」は異なります。定員20人でも実際の利用者が10人であれば、計算の基礎は10人になります。ただし、開設前の申請時は「定員」を見込みの利用者数として計算する場合があります。詳細は管轄の都道府県・市区町村の指定権者に確認してください。
就労支援員の必要人数は「利用者数÷15」
就労支援員は、「利用者の数を15で除した数(端数切り上げ)以上」で、かつ1人以上必要です(省令171 第175条第1項第2号)。
| 定員 | 計算式 | 最低人数 |
|---|---|---|
| 10人 | ⌈10÷15⌉=1 | 1人 |
| 15人 | ⌈15÷15⌉=1 | 1人 |
| 20人 | ⌈20÷15⌉=2 | 2人 |
就労移行支援では、就労支援員が就職活動の支援・職場への橋渡し・就職後の定着まで伴走します。就労継続支援A型・B型には就労支援員の配置義務がないため、就労移行支援に特有の職種といえます。
サービス管理責任者(サビ管)は60人以下で1人
サービス管理責任者は、利用者の数が60人以下で1人以上の配置が必要です(省令171 第175条第1項第3号)。就労移行支援は定員10人以上(省令174 第62条の2)なので、開業当初は1人でスタートする事業所がほとんどです。
サビ管は常勤かつ専従が原則ですが、利用者が40人以下の場合、同一敷地内の他の事業所のサビ管等との兼務が認められる場合があります。詳細は告示・通知でご確認ください。
定員別の職員の最低構成まとめ
| 定員 | 職業指導員+生活支援員 | 就労支援員 | サビ管 | 合計(最低) |
|---|---|---|---|---|
| 10人 | 2人(各1人) | 1人 | 1人 | 4人 |
| 15人 | 3人(各1人以上) | 1人 | 1人 | 5人 |
| 20人 | 4人(各1人以上) | 2人 | 1人 | 7人 |
これは省令が定める最低基準です。実際には支援の質を保つために最低基準より多く配置するケースが多く、全国平均では常勤換算8.6人が配置されています(令和7年度障害福祉サービス等経営概況調査・全体・n=296)。
人員配置と収支の関係
職員数は収支に直接影響します。就労移行支援の全国平均給与費率は64.9%(令和7年度障害福祉サービス等経営概況調査・定員20以下・n=288)で、収入の3分の2近くが人件費です。
一方、常勤職員の比率を高めると「福祉専門職員配置等加算」を算定できます。
- 福祉専門職員配置等加算(I):職業指導員・生活支援員・就労支援員の常勤割合35%以上で15単位/日
- 福祉専門職員配置等加算(II):同25%以上で10単位/日
- 福祉専門職員配置等加算(III):同75%以上か3年以上の勤続30%以上で6単位/日
常勤換算2.5人・7人のように「何人常勤にするか」は、加算の取得可否と給与費のバランスを見て決める必要があります。実際の損益への影響は事業所ごとの条件によって異なるため、シミュレーターで確認することをおすすめします。
「新規指定は推定値で申請する」の意味
開設前の申請では実際の利用者数が確定していないため、定員を「1日あたりの利用見込み人数」として計算します(省令171 第175条第2項に基づく推定)。例えば定員20人で申請する場合、職業指導員+生活支援員は⌈20÷6⌉=4人以上が必要です。
開設後に実利用者が定員を大きく下回り続ける場合でも、定員の変更申請をしない限り最低基準は変わりません。
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参照した資料
障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準(省令171)第175条。指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準第171条の規定により市町村が定める基準(省令174)第62条の2。令和7年度障害福祉サービス等経営概況調査(令和6年度決算・n=296全体)。数値は令和8年10月時点。人員基準の詳細は管轄の指定権者にご確認ください。


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