訪問介護の2人訪問(同行訪問)加算。算定できる条件と、1回あたりの収入はいくらか。

2人の訪問介護員が同時に訪問する「2人訪問」は、所定単位数の200%で算定できます。身体介護30〜60分(387単位)なら387×2=774単位、その他地域で7,740円です。1人訪問の2倍の収入を得られますが、人件費も2人分かかります。算定できる条件と収支の考え方を整理します(出典:令和6年厚生労働省告示第86号)。

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2人訪問の単位数は「1人が訪問した場合の単位数×200%」

通常の訪問(1人)と2人訪問の単位数の違いは次の通りです。算定の基本的な仕組みは、1人の訪問介護員が1人で訪問したとした場合の所定単位数に200%を乗じて算定します(出典:令和6年厚生労働省告示第86号)。

サービス 1人訪問 2人訪問(×200%) 差額(その他)
身体介護 20〜30分(244単位) 2,440円 4,880円 +2,440円
身体介護 30〜60分(387単位) 3,870円 7,740円 +3,870円
身体介護 1時間以上(567単位) 5,670円 11,340円 +5,670円

2人訪問は1回あたりの収入が2倍になりますが、同時に2人のスタッフが稼働します。

2人訪問を算定できる主な条件

2人訪問(複数の訪問介護員による訪問)を算定するには、利用者の状態や介護の必要性に関する条件があります。正確な算定要件は厚生労働省の算定基準および解釈通知でご確認ください。一般的に次のような場合に認められます。

  • 利用者の体格や身体状況から、1人での介護が身体的に困難な場合
  • 利用者の行動障害等の理由から、1人では安全に介護を行えない場合
  • ターミナル期など、状態によって複数対応が必要と判断される場合

算定の可否は担当ケアマネとの相談・ケアプランへの反映が必要です。指定権者(都道府県・市区町村)によって解釈が異なる場合もあるため、開業前または算定前に確認することをお勧めします。

2人訪問の収支バランス。収入が2倍になっても利益は同じ

2人訪問は収入が2倍になりますが、スタッフも2人分の人件費がかかります。1回あたりの収支を単純化して考えると次のようになります。

項目 1人訪問 2人訪問
1回の収入(身体介護30〜60分・その他) 3,870円 7,740円
スタッフへの人件費(1回分・概算) 2,000円(例) 4,000円(2人分)
収入−直接人件費 1,870円 3,740円

収入から直接人件費を引いた粗利は2倍になります。ただし同じ時間帯に2人のスタッフが1箇所に集中するため、その時間帯の別の訪問に対応できなくなります。事業所全体の稼働効率の観点では、2人訪問が多すぎると他の利用者への対応が減ることになります。

2人訪問を受け入れるメリット

重度対応や身体的負担の大きい利用者を積極的に受け入れることは、事業所の評価と加算取得に関係します。

  • 重度対応の実績が積まれる: 要介護4・5の利用者への対応実績は、特定事業所加算(Ⅰ・Ⅱ)の要件の一つ(重度者等への対応)に関連します
  • ケアマネからの信頼: 「難しい利用者も断らない事業所」という評価につながり、紹介が継続しやすくなります
  • スタッフのスキル向上: 重度対応の経験は訪問介護員全体の技術力を上げ、人材確保にもつながることがあります

月10回2人訪問を受け入れた場合の収入増

身体介護30〜60分(その他地域)で月10回2人訪問を受け入れた場合の試算です。

  • 1回あたりの収入差(2人訪問 vs 1人訪問): 7,740 − 3,870 = +3,870円
  • 月10回: +3,870 × 10 = +38,700円の収入増

人件費も同額増加しますが、スタッフの拘束時間や移動コストが増えるかどうかは体制次第です。既存のスタッフで対応できる範囲であれば、実質的なコスト増は軽微になります。

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参照した資料
令和6年厚生労働省告示第86号(指定居宅サービス等に要する費用の額の算定に関する基準)。2人訪問の算定要件の詳細は厚生労働省の算定基準・解釈通知でご確認ください。数値は令和8年10月時点。試算はその他地域(10.00円)基準。人件費は概算例示であり実際の費用とは異なります。

この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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