小規模多機能型居宅介護の廃止・休止の手続き。1か月前の届出と利用者対応。

小規模多機能型居宅介護の廃止・休止の手続き。1か月前の届出と利用者対応。 介護

小規模多機能型居宅介護の廃止・休止には、介護保険法(平成9年法律第123号)に基づく届出手続きが必要です。利用者への影響を最小限にしながら手続きを進めることが求められます。この記事では廃止・休止の届出内容・手続きの流れ・利用者への対応を整理します。

廃止・休止の届出義務

小規模多機能型居宅介護の事業所が廃止または休止する場合、介護保険法の規定に基づき、廃止・休止の日の1か月前までに市区町村への届出が義務付けられています。

届出の主な内容は以下のとおりです。

廃止・休止届出の主な記載事項
項目 内容
廃止または休止の別 「廃止」か「休止」かを明記
廃止・休止の予定年月日 サービス提供を終了する日
廃止・休止の理由 経営上の理由・人員確保困難等の理由を記載
現在の登録者数 廃止・休止時点の登録者数
利用者への対応方針 登録者の移行先・引き継ぎ方法

廃止と休止の違い

廃止と休止の違い
項目 廃止 休止
意味 事業を終了し、指定を返上する 一時的にサービス提供を停止するが、指定は維持
再開の可能性 なし(再開する場合は指定申請からやり直し) あり(再開届出により再開可能)
主な理由 事業継続が困難・撤退する場合 改修工事・経営課題の整理・管理者交代等の一時的な事情
届出期限 廃止の日の1か月前まで 休止の日の1か月前まで

廃止・休止の手続きの流れ

廃止・休止の届出から完了までの流れを整理します。

廃止・休止の手続きの流れ
ステップ 内容 時期の目安
①市区町村への事前相談 廃止・休止の意向を事前に伝え、手続き書類・手順を確認する 廃止・休止予定の2〜3か月前
②利用者への説明・同意 登録者全員に廃止・休止の理由・時期・移行先について説明する 廃止・休止予定の1〜2か月前(できるだけ早い段階)
③利用者の移行先調整 登録者の次のサービス先(他の小規模多機能・居宅介護支援等)を手配する 廃止・休止予定の1か月前まで
④廃止・休止届出書の提出 市区町村へ届出書類を提出する(様式は市区町村から入手) 廃止・休止の日の1か月前まで
⑤利用者の引き継ぎ完了 全登録者の移行先でのサービス開始を確認する 廃止・休止日まで
⑥書類の保管 省令の規定に従いサービス記録等を保管する 廃止後も記録の保管義務(完結の日から5年間)は継続

利用者への対応:引き継ぎが最優先

小規模多機能型居宅介護の廃止・休止においては、登録者への対応が最も重要です。省令では廃止・休止の際に「登録者に対し、継続的にサービスを受けるために必要な援助を行わなければならない」と規定されています。

具体的な対応は以下のとおりです。

  • 全登録者に対して廃止・休止の事実とその理由を書面で説明する
  • 利用者本人・家族・担当ケアマネジャー(次のサービスでの担当者)への連絡・引き継ぎを行う
  • 利用者のアセスメント情報・サービス計画・医療情報等を引き継ぎ先に提供する(利用者の同意を得た上で)
  • 廃止後も利用者が安定したサービスを受けられるよう移行期間中のサポートを継続する

記録の保管義務:廃止後も5年間継続

事業所が廃止した後も、サービスに関する記録の保管義務は継続します。省令(平成18年厚生労働省令第34号)では、記録は「サービス提供が完結した日から5年間」の保管が必要です。

廃止後に保管が必要な主な記録は以下のとおりです。

  • 利用者のサービス計画・アセスメント記録
  • 通い・訪問・宿泊の日次サービス記録
  • 利用者への説明・同意書類
  • 処遇改善加算に関する書類(賃金の改善実績等)
  • 苦情・事故に関する記録

書類の保管場所(倉庫・別法人への委託等)については、廃止前に保管計画を立てておくことが重要です。

再開する場合の手続き

休止後に再開する場合は、市区町村への「再開届出」が必要です。ただし、市区町村によっては休止期間中に事業所の設備・人員状況を確認する場合があります。また、長期間の休止の後は指定の更新(指定の有効期間は6年)が必要な場合もあります。

廃止後に再度開業する場合は、最初の指定と同様の手続き(公募・指定申請)が必要です。

小規模多機能型居宅介護の開業・運営の収支計画は、小規模多機能型居宅介護 収支シミュレーターで確認できます。

参考・出典

  • 介護保険法(平成9年法律第123号)(廃止・休止の届出に関する規定)
  • 指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成18年厚生労働省令第34号)

この記事は2026年11月時点の法令に基づいています。手続きの詳細は事業所所在地の市区町村に確認してください。

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この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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