放課後等デイサービスの職員の給与水準は、人員確保・定着・処遇改善加算の算定区分に直接影響します。全国平均の給与データと、開業時の人件費の設定の考え方を整理します。
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職員の給与水準は、採用・定着と収支のバランスで決まる
放課後等デイサービスの人件費は、毎月の支出の中で最も大きな費用項目です。給与を高く設定すると採用・定着には有利ですが、損益分岐の稼働率が上がります。低く設定すると人件費は抑えられますが、採用が難しくなったり離職率が上がったりするリスクがあります。
全国平均の年間支出は約2,978万円(令和5年障害福祉サービス等経営実態調査・厚生労働省・485事業所・月換算約248万円)、職員数は5.0人(常勤換算)です。月248万円の支出の中で人件費は最大の費用ですが、具体的な人件費比率は事業所の規模・地域・雇用形態によって異なります。
厚生労働省の賃金構造基本統計調査から見る給与の目安
厚生労働省「賃金構造基本統計調査」では、「福祉施設介護員」「保育士」「社会福祉専門職業従事者」などの職種別の賃金データが公表されています。放課後等デイサービスの職員の給与は、地域・資格・経験年数によって幅がありますが、一般的に次のような水準が参考にされています。
| 職種・経験年数 | 月給の目安(税込) | 備考 |
|---|---|---|
| 児童指導員・保育士(新卒・経験1〜2年) | 18〜22万円程度 | 地域・事業所により異なる |
| 児童指導員・保育士(経験3〜5年) | 21〜26万円程度 | 処遇改善加算の有無でも変わる |
| 児童発達支援管理責任者(常勤専任) | 25〜35万円程度 | 要件を満たす人材は少なく相場が高め |
これらは一般的な参考値です。地域の最低賃金・他の事業所の給与水準・処遇改善加算の取得状況によって変わります。給与設定の前に、地域のハローワーク求人や同業他社の求人票を確認することをお勧めします。
処遇改善加算を取得することで、給与を上げながら収支も改善できる
処遇改善加算(令和8年度・放課後等デイサービス)は、収入全体に一定の率を上乗せすることで、職員への賃金改善の原資を作る仕組みです。最上位区分(Ⅰイ)で15.5%の上乗せになります。
処遇改善加算の収入は職員への賃金として分配する義務があります(自由に使える利益ではありません)。ただし、この仕組みを活用することで「処遇改善加算なしで給与を高く設定する」より「処遇改善加算ありで原資を確保してから給与を上げる」ほうが、収支上の余裕を保ちながら職員処遇を改善できます。
常勤・非常勤の組み合わせで人件費の固定費を調整できる
放課後等デイサービスの直接支援職員は、常勤換算で人数を管理するため、常勤職員と非常勤(パートタイム)職員を組み合わせることができます。
| 雇用形態 | 月人件費の目安(給与+社会保険料等) | 収支上の特徴 |
|---|---|---|
| 常勤(週40時間・社保あり) | 25〜35万円程度 | 固定費が高いが加配加算の上位区分を取得しやすい |
| 非常勤(週20時間・社保なし) | 8〜13万円程度 | 固定費を抑えられるが加算区分が下がる |
加配加算の上位区分(187単位・152単位)を取得するには、常勤専従の職員が必要です。人件費を抑えることで加算収入も下がり、月間収入の差が生じます。人件費と加算収入のバランスは収支シミュレーターで試算して判断することをお勧めします。
人件費は「採用・定着コスト」もあわせて考える
月々の給与だけでなく、採用にかかる費用(求人媒体への掲載費・面接・研修)や、職員が離職した場合の再採用コストも人件費に関連するコストです。
特に児童発達支援管理責任者は要件を満たす人材が少なく、採用難のケースが多いです。給与水準・職場環境・研修機会などを含めた処遇の設計が、採用成功と定着に影響します。
収支への影響はシミュレーターで確認できる
「月給を22万円で常勤2名・非常勤1名を雇う場合と、25万円で常勤3名の場合では損益分岐の稼働率がどれくらい変わるか」といった試算は、収支シミュレーターで確認できます。人員体制と給与水準のパターンを変えて比較することで、開業時の人件費設計の判断材料が得られます。
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作成者:fufumumu_design 作成日:2026-11-01
【出典】
・厚生労働省「令和5年障害福祉サービス等経営実態調査結果」第26表(放課後等デイサービス・令和4年度決算・有効回答485事業所)
・厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(参考値として)
本記事の給与の目安は参考値です。実際の給与水準は地域・経験・資格・処遇改善加算の状況によって異なります。


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