放課後等デイサービスの開業費用の内訳。内装・設備・備品の相場と節約方法。

放課後等デイサービスの開業費用の内訳。内装・設備・備品の相場と節約方法。 放課後等デイサービス・児童発達支援

放課後等デイサービスの開業には、物件の内装工事費・設備費・備品費・法人設立費・運転資金など複数の費用が必要です。全体の費用は開業規模・物件の状態・地域によって大きく異なりますが、定員10名・スケルトン物件からの内装工事ありの場合で500万〜1,000万円程度が目安とされることが多いです。この記事では、費用の内訳と各費用の考え方を整理します。

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開業費用の主な内訳:設備資金と初期運転資金に分けて考える

放課後等デイサービスの開業費用は「設備資金(物件・工事・設備に関する一度かかる費用)」と「初期運転資金(開業後の収入が安定するまでの運転資金)」の2つに大別されます。

放デイ開業費用の主な内訳
費用の種類 主な内容 費用の性質
物件取得費 敷金・礼金・仲介手数料 設備資金(初期一括)
内装工事費 間仕切り・床・天井・バリアフリー改修・消防設備 設備資金(初期一括)
備品・設備費 机・いす・棚・玩具・遊具・PC・コピー機・送迎車など 設備資金(初期一括)
法人設立費用 登録免許税・定款認証・司法書士費用など 設備資金(初期一括)
指定申請の費用 手数料・書類作成費用(行政書士等) 設備資金(初期一括)
初期運転資金 開業後の人件費・家賃・光熱費などが収入を上回る期間の累積赤字 運転資金(月次)

内装工事費は、物件の状態によって大きく変わる

内装工事費は、物件の状態(スケルトン・居抜き)と必要な改修の内容によって大きく異なります。

物件の状態別・内装工事費のイメージ
物件の状態 内装工事費の目安 特徴
スケルトン(内装がない状態) 200〜500万円程度 自由度が高いが、工事費が高くなる
前テナントの内装が残る居抜き 50〜200万円程度(改修の程度による) 既存内装を活かせれば費用を抑えられる

これらはあくまで目安です。実際の工事費は面積・施工内容・地域・業者によって異なります。見積もりは複数業者から取ることをお勧めします。

放課後等デイサービスの内装では、訓練・作業室の面積基準(定員×2.47m²以上)を満たした間取り、相談室(プライバシーが守られる間仕切り)、バリアフリー対応(手すり・段差の解消)、消防法に基づく設備(自動火災報知設備等)が必要になる場合があります。

備品・設備費の主な内訳

備品・設備費は、使用する機器の規模・質によって変わります。主な費用項目は次のとおりです。

放デイ開業に必要な主な備品・設備
カテゴリー 主な品目 費用の目安(概算)
家具・什器 机・いす・棚・ロッカー 30〜80万円程度
遊具・教材 おもちゃ・ゲーム・学習教材 20〜50万円程度
事務機器 PC・プリンター・コピー機・電話 15〜30万円程度
送迎車両 ミニバン・ハイエース等 リースなら月3〜6万円・購入なら100〜300万円程度
厨房・衛生設備 流し台・冷蔵庫・おやつ用の調理器具 10〜30万円程度

送迎車両は購入よりリースやカーシェアリングで費用を抑える選択もあります。初期費用と月々の固定費(リース料)のバランスで判断します。

初期運転資金は「収支シミュレーターの累積赤字」が目安になる

開業後、利用者が少ない月が続く期間は、毎月の支出(人件費・家賃等)が収入を上回ります。この差が月ごとに累積した額が、必要な「初期運転資金」の目安です。

全国平均(令和5年経営実態調査)の月間支出は約248万円です。開設初月に収入が少ない場合、毎月100〜200万円規模の資金が必要になる可能性があります。一般的には、開業後6か月〜1年分の運転資金を準備しておくことが推奨されていますが、稼働率の上昇スピードによって必要額は変わります。

収支シミュレーターに稼働率の想定(月ごとに徐々に増えるパターン)を入力すると、何か月目に月次黒字化するか・累積赤字の最大額がいくらになるかを確認できます。これが融資申請の際に必要な「運転資金の根拠」にもなります。

全体の開業費用のイメージ(定員10名・スケルトン物件の場合)

定員10名・スケルトン物件での開業費用の目安(概算)
費用の種類 目安の金額(概算)
物件取得費(敷金・礼金等) 50〜150万円
内装工事費 200〜500万円
備品・設備費 80〜180万円
法人設立・指定申請費用 10〜30万円
初期運転資金(3〜6か月分) 300〜700万円
合計目安 640万〜1,560万円

これらはあくまで概算であり、物件の状態・地域・仕様によって大きく変わります。「500〜1,500万円」という幅が現実的です。実際の費用は見積もりを取って確認してください。

必要な開業費用と融資額を決めるには収支試算が先

融資申請では「何のために、いくら必要か」を具体的に整理する必要があります。設備資金の見積もりを取り、収支シミュレーターで必要な運転資金の目安を確認した上で、全体の資金計画を立てることをお勧めします。

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作成者:fufumumu_design 作成日:2026-11-01
【出典】
・厚生労働省「指定通所支援の人員、設備及び運営に関する基準」(省令174号)
・厚生労働省「令和5年障害福祉サービス等経営実態調査結果」第26表(放課後等デイサービス・令和4年度決算・有効回答485事業所)
本記事の費用の目安は一般的な参考値です。実際の費用は見積もりで確認してください。

この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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