エステサロンの2店舗目を出すタイミング。1店舗目の利益積み上げで判断する基準。

エステサロンの2店舗目を出すタイミング。1店舗目の利益積み上げで判断する基準。 エステサロンの開業

エステサロンの2店舗目を出す目安は「1店舗目が安定黒字化し、2店舗目の初期費用(350万円前後)を手元資金で賄えるか、または融資計画が立てられるか」です。1店舗目の月次利益が30〜50万円の場合、350万円を積み上げるには7〜12か月かかります。ただし2店舗目を出すとオーナーの不在時間が増え、1店舗目の売上・リピート率に影響するため、スタッフを先に1人育ててから出店する順序が合理的です。

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2店舗目の初期費用の目安

2店舗目の初期費用は1店舗目とほぼ同額になります。公庫「2025年度新規開業実態調査」(全業種)の開業費用中央値は600万円ですが、エステサロンの場合は設備費の選択次第で幅があります。シミュレーターの既定値(350万円)を参考に試算します。

エステサロン2店舗目の初期費用の目安(1人・1室・ベッド1台の例)
費用項目 費用の目安
物件(保証金・礼金・仲介手数料) 30〜50万円
内装工事費 100〜300万円(居抜きなら50万円台も可)
施術機器 50〜300万円
什器・備品・消耗品初期仕入れ 20〜50万円
合計(目安) 200〜700万円(中央値350万円)

1店舗目の利益から2店舗目の資金を積み上げる期間

1店舗目の月次営業利益をすべて2店舗目の資金として積み上げた場合の期間を確認します。

月次利益別・2店舗目の初期費用(350万円)を積み上げる期間
1店舗目の月次利益(目安) 年間積み上げ額 350万円に達するまでの期間
20万円/月 240万円/年 約17.5か月(約1年5か月)
30万円/月 360万円/年 約11.7か月(約1年)
40万円/月 480万円/年 約8.8か月
50万円/月 600万円/年 約7か月

上記は月次利益をすべて積み立てた場合の試算です。実際には生活費・税金・突発的な支出もあるため、積み上がり速度はこれより遅くなります。融資を活用する場合は別途計算が必要です。

1人サロン(固定費23万円・月商90万円)の月次利益は約51.7万円です。ただし、この利益からオーナーの生活費・所得税・住民税・社会保険料(年合計180〜200万円、月換算15〜17万円)を差し引くと、毎月の手残りは30〜35万円程度になります。この水準で積み上げると、350万円に達するのは10〜12か月です。

2店舗目を出す前に確認する3つの条件

資金が貯まったからといって、すぐに2店舗目を出すのは早い場合があります。次の3つの条件を確認します。

  1. 1店舗目がオーナー不在でも回せる体制ができているか
    2店舗目の開業・立ち上げ期間中、オーナーは新店舗の準備・施術に時間を取られます。1店舗目はスタッフが1人以上いて、施術・接客・予約管理を任せられる状態になっていることが前提になります。スタッフがいない状態で2店舗目を出すと、1店舗目の来客対応が難しくなりリピート率が下がります。
  2. 1店舗目の月次利益が半年以上安定しているか
    月次利益が安定しているのが「直近1〜2か月だけ」の場合、季節変動・施策の一時的な成果の可能性があります。半年以上の月次利益データを確認し、最低月と最高月の振れ幅が小さいことを確認してから出店を判断することを推奨します。
  3. 2店舗目の立ち上がり期(赤字期間)の資金が手元にあるか
    2店舗目も開業直後は月商が計画を下回る期間があります(資金繰りの記事参照)。2店舗目の固定費3〜6か月分(69〜138万円)を、1店舗目の利益とは別に手元に確保しておくことを推奨します。

スタッフ採用→安定→2店舗目の段階的な拡大

2店舗目を出すまでの段階的な拡大順序を整理します。

エステサロンの段階的な拡大の目安
フェーズ 体制 月商の目安 月次利益の目安
フェーズ1:1人サロン立ち上げ オーナー1人・ベッド1台 60〜90万円 20〜50万円
フェーズ2:スタッフ採用(パート) オーナー+パート1人・ベッド2台 90〜150万円 15〜40万円(人件費増)
フェーズ3:スタッフ採用(正社員) オーナー+正社員1人・ベッド2〜3台 150〜270万円 30〜60万円
フェーズ4:2店舗目出店 オーナーが2店舗を管理・各店舗にスタッフ 270〜450万円(2店合計) 50〜100万円(見込み)

フェーズ2〜3でスタッフを育てておくことが、2店舗目を出した後に1店舗目を安定して運営する基盤になります。スタッフを採用してから安定稼働するまでに3〜6か月かかるため、2店舗目出店の6〜12か月前にスタッフを採用しておく計画が合理的です。

公庫融資を使う場合のポイント

2店舗目の初期費用を融資で調達する場合、公庫の事業融資(新事業活動促進資金等)が選択肢になります。1店舗目の収益データ・確定申告書を提出できると、実績に基づく申請ができます(融資審査の記事参照)。1店舗目の開業融資とは別枠で借り入れることになるため、月次の返済額が増えます。2店舗目の月次固定費に返済額を含めた損益分岐点を事前に計算してください。

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この記事は、fufumumu_design(当方)が公表資料をもとに整理した情報です。記載の内容は情報提供を目的としており、経営・融資の相談・代行は行っていません。出店タイミングの判断は事業の状況・資金計画によって異なります。税理士・中小企業診断士などの専門家に相談されることをお勧めします。最終確認:2026年10月。

この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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