第一種衛生管理者の試験全体については、こちらの記事もご参照ください。
▶ 第一種衛生管理者 試験ガイド(概要・合格率・勉強法)
第一種衛生管理者の試験は、出題パターンが比較的安定しています。科目ごとに繰り返し問われるテーマが決まっており、公表試験問題(協会公式の過去問)を分析することで「よく出る範囲」を絞り込めます。このページでは5科目それぞれの頻出テーマと、試験対策のポイントを整理します。
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有害業務法令(10問)のよく出るテーマ
有害業務法令は、有機則・特化則・鉛則・粉じん則・石綿則の5規則から出題されます。各回の試験で概ね次の内容が出ています。
| よく出るテーマ | 出題のポイント |
|---|---|
| 特殊健康診断の実施頻度 | 有機則・特化則・鉛則・石綿則は6か月以内に1回(雇い入れ時・配置転換後とその後定期的に)。粉じん則のじん肺健診は管理区分により1〜3年以内(粉じん則第26条・じん肺法第8条) |
| 作業主任者の選任義務の有無 | 有機溶剤作業・特定化学物質作業・鉛作業・石綿作業などで選任が必要。粉じん作業は一部のみ選任必要 |
| 局所排気装置の設置義務 | 第1種・第2種有機溶剤業務では原則として局所排気装置等が必要。密閉された設備内では不要 |
| 作業環境測定の頻度と記録保存 | 有機則・特化則・鉛則:6か月以内に1回。記録保存:有機則3年・特化則3年(特別管理物質30年) |
| 健康管理手帳の交付対象 | 石綿・ベンゼン・ビス(クロロメチル)エーテルなど特定の有害物質に従事後、退職時または転職時に交付 |
有害業務労働衛生(10問)のよく出るテーマ
| よく出るテーマ | 出題のポイント |
|---|---|
| 職業性疾病(原因物質と症状) | 有機溶剤→中枢神経障害・肝障害 / 鉛→貧血・腹仙痛・末梢神経障害 / 石綿→中皮腫・肺がん / 粉じん→じん肺 / 一酸化炭素→酸素欠乏・頭痛 |
| 作業環境測定の方法(A測定・B測定) | A測定:単位作業場所の気中有害物質の平均的濃度。B測定:最も高濃度になると思われる場所・時間帯を狙った測定。管理区分はA・B両方の結果で判定 |
| 管理区分の判定 | 第1管理区分(良好)・第2管理区分(改善が必要)・第3管理区分(直ちに措置が必要)。第3では作業中止も |
| 呼吸用保護具の種類と適用 | 防じんマスク(粉じん)・防毒マスク(有機ガス・特定化学物質)・送気マスク(酸素欠乏・高濃度有害ガス)・空気呼吸器(緊急時) |
| リスクアセスメントの対象と手順 | 化学物質等のリスクアセスメントの義務化(改正安衛法)。①危険性・有害性の特定→②リスクの見積り→③リスク低減措置の検討→④実施→⑤記録 |
一般法令(7問)のよく出るテーマ
| よく出るテーマ | 出題のポイント |
|---|---|
| 衛生管理者の選任条件 | 選任人数・業種区分・専任義務の発生条件(1,000人以上等)・選任後の届出義務 |
| 産業医の職務と権限 | 健康診断の実施・面接指導・勧告権・事業者への意見具申。専属義務:1,000人以上または有害業務500人以上 |
| 衛生委員会の構成と運営 | 議長(総括安全衛生管理者または事業場トップ)・産業医・衛生管理者・衛生推進者・労働者代表。毎月1回以上開催・議事録3年保存 |
| 定期健康診断の種類と頻度 | 一般定期:1年以内に1回 / 特殊(有害業務):6か月以内に1回(有機則・特化則・鉛則・石綿則共通)/ 入職時:採用直後 |
| ストレスチェック制度 | 50人以上の事業場で年1回の実施義務。実施者は医師・保健師等。結果は本人へ通知。集団分析の努力義務。50人未満は当面努力義務 |
一般労働衛生(7問)のよく出るテーマ
| よく出るテーマ | 出題のポイント |
|---|---|
| VDT(情報機器)作業の衛生基準 | ディスプレイと目の距離(40cm以上)・画面の上端(目線と同じかやや下)・作業1時間ごとに10〜15分の休止・照度(ディスプレイ周辺300〜500ルクス) |
| 照明の基準値 | 精密作業:300ルクス以上 / 一般作業:150ルクス以上 / 粗な作業:70ルクス以上 |
| 換気の基準 | 室内CO₂濃度:1,000ppm以下(建築物衛生法)。必要換気量は室内人数・CO₂産生量・外気CO₂濃度から算出 |
| メンタルヘルス対策の4つのケア | ①セルフケア(労働者本人)②ラインによるケア(管理監督者)③事業場内産業保健スタッフ等によるケア(産業医・衛生管理者)④事業場外資源によるケア(外部専門機関) |
| 腰痛予防対策指針 | 重量物取り扱いの際の持ち上げ姿勢・重量の制限(体重の40%以下目安)・補助具の活用・休憩の取り方 |
労働生理(10問)のよく出るテーマ
| よく出るテーマ | 出題のポイント |
|---|---|
| 血液と循環 | 赤血球(酸素運搬・ヘモグロビン)・白血球(免疫)・血小板(止血)・血漿(液体成分)。体循環(心臓→全身→心臓)と肺循環(心臓→肺→心臓) |
| 呼吸のメカニズム | 外呼吸(肺での酸素・CO₂交換)・内呼吸(組織での交換)。呼吸数15〜20回/分(安静時)。CO₂増加→延髄の呼吸中枢が刺激→呼吸数増加 |
| 自律神経系の働き | 交感神経(緊張・興奮時):心拍数増加・瞳孔散大・消化抑制。副交感神経(安静時):心拍数減少・瞳孔縮小・消化促進 |
| 体温調節 | 体熱産生(代謝・筋肉収縮)と体熱放散(汗・血管拡張)のバランス。熱中症:熱失神・熱疲労・熱けいれん・熱射病(重症) |
| 疲労の種類と指標 | 身体的疲労と精神的疲労の違い。フリッカー値(視覚性疲労の指標:疲労すると低下)。乳酸(激しい運動で産生・疲労の原因の一つ) |
出題傾向から見えること。同じ問題が形を変えて繰り返される
公表試験問題を複数回分比較すると、同じテーマが言い回しや数値を変えて繰り返し出題されていることが分かります。たとえば「衛生委員会の開催頻度は毎月1回以上」「A測定とB測定の違い」「自律神経の交感神経と副交感神経の違い」などは、ほぼ毎回何らかの形で出題されています。
したがって、新しい問題を広く解くことより、公表問題の頻出テーマを繰り返し確認することが合格への最短ルートです。上記の表に挙げたテーマを中心に、各テーマの「正確な数値・条件・方向性」を確認してから試験に臨んでください。
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出典:
・公益財団法人 安全衛生技術試験協会「公表試験問題」(www.exam.or.jp)
・労働安全衛生法・関係省令・厚生労働省「メンタルヘルス指針」「腰痛予防対策指針」「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」

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