産業医の職務・権限・選任要件|定期巡視の頻度・勧告権・衛生管理者との違い

第一種衛生管理者の試験全体については、こちらの記事もご参照ください。
▶ 第一種衛生管理者 試験ガイド(概要・合格率・勉強法)

産業医は、事業場において労働者の健康管理等を担う専門職です。職務・巡視・意見陳述権・勧告権が法令で定められており、衛生管理者とは異なる独立した立場で医学的見地から助言・指導を行います。試験では産業医の選任要件・職務内容・権限が出題されます。

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産業医の選任要件(安衛法第13条)

事業場の規模 産業医の形態 選任義務
常時50人以上1,000人未満 嘱託産業医(非専属) 1名以上
常時1,000人以上(有害業務は500人以上) 専属産業医 1名以上(専属:事業場に常勤)
常時3,000人超 専属産業医 2名以上

産業医の主な職務(安衛則第14条)

  • 健康診断の実施とその結果に基づく措置(就業上の意見)
  • 長時間労働者・高ストレス者への面接指導
  • 作業環境の維持管理(作業環境測定結果への意見)
  • 作業の管理(有害業務の管理)
  • 労働者の健康障害の原因の調査・再発防止措置
  • 衛生委員会への出席・意見陳述

産業医の定期巡視(安衛則第15条)

産業医は作業場等を巡視し、作業方法または衛生状態に有害のおそれがあるときは、直ちに改善のために必要な措置を講ずる権限があります。

巡視頻度 条件
月1回以上(原則) すべての産業医
2か月に1回(緩和) ①産業医が必要な情報提供を受けている(衛生委員会議事録等)かつ②事業者が同意した場合(2019年改正で緩和)

産業医の勧告権・意見陳述権

産業医には以下の権限があります(安衛法第13条第5項・第6項)。

  • 勧告権:労働者の健康管理上重要な事項について事業者に勧告できる
  • 意見陳述権:健康診断の結果・就業上の措置についての意見を事業者に述べる
  • 情報提供請求権:健康管理に必要な情報(時間外労働時間等)を事業者に請求できる

産業医と衛生管理者の違い

項目 産業医 衛生管理者
資格 医師(産業医の研修修了) 衛生管理者免許(第1種・第2種・衛生工学)
立場 医学的な専門家・独立した助言者 事業者に選任された衛生管理の実施者
権限 勧告権あり 勧告権なし
選任義務 50人以上 50人以上(業種によって人数が異なる)

試験での出題ポイント

  • 専属産業医:1,000人以上(有害業務は500人以上)・3,000人超は2名以上
  • 定期巡視:原則月1回→2か月緩和は「情報提供+事業者同意」が条件(2019年改正)
  • 産業医には「勧告権」がある→事業者はその勧告を尊重しなければならない

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出典:
・労働安全衛生法 第13条・第13条の2(産業医等)
・労働安全衛生規則 第14条・第15条(産業医の職務・巡視)

最新の試験日程・受験申請・公表試験問題は、公益財団法人 安全衛生技術試験協会(www.exam.or.jp)の公式サイトでご確認ください。

この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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