飲食店の開業には、物件契約から営業開始まで平均6〜12か月の準備期間が必要です。公庫の融資申請・保健所の営業許可・消防署への届出・税務署への開業届など、やることは多岐にわたります。準備が抜けると開業日が遅れたり、工事後に設備の手直しが必要になったりと、追加コストが発生します。開業前に手続きの全体像を把握しておくことが、スムーズな開業の第一歩です。
すぐにご利用されたい方は、こちらからどうぞ。
▶ 飲食店の開業 収支シミュレーター
開業前の手続きを6つのフェーズで整理する
飲食店の開業準備は大きく6つのフェーズに分かれます。各フェーズをまたぐ手続きも多いため、早めに動くことが重要です。
| フェーズ | 主な内容 | 目安の時期(開業日から逆算) |
|---|---|---|
| ① 事業計画の作成 | 業態・席数・ターゲット・収支計画の作成。公庫への融資申請準備 | 6〜12か月前 |
| ② 物件探し・契約 | 立地調査・内見・賃貸借契約。用途地域・排気可否等の確認 | 6〜9か月前 |
| ③ 融資申請 | 公庫・信用保証協会等への融資申請・審査 | 5〜7か月前(審査に1〜2か月かかる) |
| ④ 許認可・届出 | 保健所・消防署・警察署・税務署への各種届出 | 3〜5か月前(内装工事と並行) |
| ⑤ 内装・設備工事 | 内装工事・厨房設備の搬入・看板設置 | 2〜4か月前 |
| ⑥ 開業直前の準備 | スタッフ採用・研修・メニュー確定・仕入先決定・試食テスト | 1〜2か月前 |
許認可・届出のチェックリスト
飲食店の開業に必要な許認可・届出をまとめます。
| 手続き | 提出先 | タイミング | 費用の目安 |
|---|---|---|---|
| 食品衛生責任者の取得 | 食品衛生協会(講習受講) | 内装工事中に並行して取得 | 12,000円程度(東京都) |
| 飲食店営業許可申請 | 所轄保健所 | 内装完成後・施設検査→許可証交付まで1〜2週間 | 18,300円(東京都・練馬区の例) |
| 防火管理者の選任(収容人員30人以上) | 所轄消防署 | 開業前(選任後に届出書を提出) | 講習費5,000〜7,000円程度 |
| 深夜酒類提供飲食店営業の届出(深夜0時以降に酒類提供する場合) | 所轄警察署 | 営業開始の10日前まで | 原則無料 |
| 個人事業の開廃業等届出書(開業届) | 所轄税務署 | 事業開始から1か月以内 | 無料 |
| 青色申告承認申請書 | 所轄税務署 | 開業年の3月15日まで(1月16日以降開業の場合は開業から2か月以内) | 無料 |
| 給与支払事務所等の開設届出書(従業員を雇う場合) | 所轄税務署 | 従業員雇用から1か月以内 | 無料 |
| 雇用保険の適用事業所設置届(労働者を雇う場合) | ハローワーク | 雇用から10日以内 | 無料 |
| 労働保険の保険関係成立届(労働者を雇う場合) | 労働基準監督署 | 成立した日の翌日から10日以内 | 無料 |
保健所への事前相談は内装工事前に行う
飲食店の開業で最もよくある「手戻り」は、内装工事後に保健所から設備の修正を求められるケースです。工事前に保健所への事前相談(無料)を行い、シンクの数・位置・換気設備の基準を確認しておくことで、工事後の手直しを防ぐことができます。
保健所が確認するポイントの主なものを整理します。
| 確認事項 | 基準の例(都道府県によって異なる) |
|---|---|
| シンク | 調理場に2槽式シンク(洗浄用・すすぎ用)が必要。手洗い専用のシンクを設置する |
| 換気設備 | 調理場に適切な換気能力を持つ排気設備が必要 |
| 冷蔵設備 | 食材を適切な温度で保管できる冷蔵・冷凍設備が必要 |
| 壁・床の材質 | 調理場の壁・床は清掃しやすい素材(タイル・FRP等)が推奨される場合がある |
| 従業員用更衣スペース | 必要とされる場合がある(都道府県によって基準が異なる) |
公庫への融資申請前に揃えておく書類
公庫の創業融資を申請する前に、以下の書類の準備が必要です。申請後の審査に1〜2か月かかる場合があるため、早めに動き始めることが重要です。
| 書類 | 内容 |
|---|---|
| 創業計画書 | 公庫の所定様式。事業内容・市場・強み・必要資金・収支計画を記入 |
| 自己資金の確認書類 | 預金通帳のコピー等。自己資金の出所が確認できる書類 |
| 物件の賃貸借契約書(または交渉経緯がわかる書類) | 物件が確定していることを示す書類 |
| 見積書(内装・厨房設備) | 設備資金の根拠として必要 |
| 本人確認書類 | 運転免許証・マイナンバーカード等 |
融資申請の準備と収支計画の作成については、飲食店の開業で公庫の融資を受けるにはと創業計画書の「事業の見通し」で確認できます。
開業直前チェックリスト(開業1か月前〜開業当日)
| 項目 | 確認内容 |
|---|---|
| 営業許可証の受取 | 保健所から許可証を受け取ったか |
| スタッフの採用・研修 | 必要人数を確保・接客・調理のOJT完了 |
| 仕入先の確定 | 食材仕入先・発注方法・納品スケジュールを決定 |
| メニューの確定・価格設定 | 原価率・客単価を計算し、目標FLに収まるか確認 |
| レジ・POSの設定 | メニュー登録・会計フロー・キャッシュレス端末の確認 |
| Googleビジネスプロフィールの整備 | 住所・電話番号・営業時間・写真を登録・公開 |
| 開業前試食・試験営業 | 想定客数で料理提供・会計フローを試験。問題点を修正 |
| 開業時の手元資金の確認 | 開業後1〜3か月の運転資金が確保できているか |
開業スケジュールの全体像は飲食店の開業スケジュールと準備期間の費用で整理しています。
すぐにご利用されたい方は、こちらからどうぞ。
▶ 飲食店の開業 収支シミュレーター
本記事の許認可・届出の手続きは2026年11月時点の一般的な情報をもとにしています。手続きの内容・費用・期限は都道府県・市区町村・個別の事情によって異なる場合があります。開業前に所轄の保健所・消防署・警察署・税務署に必ずご確認ください。本ツールは当方が作成した民間のシミュレーターであり、日本政策金融公庫が作成・提供するものではありません。むむ(fufumumu_design)作成・2026年11月確認。


コメント