認知症GHの管理者・計画作成担当者の要件:資格・経験年数・兼務の可否

認知症GHの管理者は常勤で、認知症の介護に3年以上従事した経験が必要です。計画作成担当者は専従で1名以上の配置が求められ、認知症介護実践者研修の修了が必須要件です(介護支援専門員の資格保有は努力義務)。資格の有無より実務経験の年数が重視される点が、管理者要件の特徴です(指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準 第97条・第98条)。

管理者に必要な要件

管理者の要件は、①常勤であること、②認知症の介護に3年以上従事した経験があること、の2点です(省令第97条)。

「認知症の介護への従事」とは、認知症の方への直接介護・生活支援・夜間対応、または認知症の方を対象とする介護施設でのケアプラン作成や職員指導等を含むとされています。介護老人福祉施設・老人保健施設・グループホームなどでの従事経験が対象になります。

経験の証明には、前職・現職の事業所が発行する在職証明書や業務経歴書を用意します。氏名・在籍期間・業務内容(認知症の介護に従事した旨)が記載されたものを市区町村に提出します。

よくある誤解:介護福祉士・ヘルパー1級の資格は管理者要件に含まれない
管理者要件は「資格」ではなく「従事経験の年数」です。介護福祉士や訪問介護員(ヘルパー1級・2級)の資格を持っていても、認知症の介護への3年以上の従事経験がなければ管理者になれません。逆に、無資格でも経験年数が3年以上あれば管理者の要件を満たします。

計画作成担当者に必要な要件

計画作成担当者の要件は、①専従(その業務に専ら従事する)であること、②1名以上を配置すること、③認知症介護実践者研修を修了していること、の3点です(省令第98条)。

介護支援専門員(ケアマネジャー)の資格保有は「望ましい」という努力義務にとどまり、必須ではありません。ただし、介護支援専門員の資格があることで、ケアプランの作成業務を自事業所内で完結しやすくなります。

認知症介護実践者研修の概要

項目 内容
実施主体 都道府県(または都道府県が指定した法人)
実施頻度 年1〜2回(都道府県によって異なる)
研修期間 3〜5日程度(座学+実習)
受講費用 1〜3万円程度(都道府県によって異なる)
申込期限 開催の2〜3か月前が多い
修了証の有効期限 なし(取得後は永続して有効)

開業スケジュールに合わせて申し込みを逆算します。都道府県の高齢者福祉担当課または指定された研修機関のウェブサイトで開催日程を確認してください。修了証は指定申請時に写しの提出が求められます。

管理者と計画作成担当者の兼務

管理者と計画作成担当者は、同一人物が兼務することが認められています。ただし、管理者は「常勤」、計画作成担当者は「専従」という要件をともに満たす必要があります。1人で常勤・専従の両方を満たせるかどうかは実際の勤務実態によります。他の業務を兼ねている場合に「専従」の要件を満たせるかどうかは自治体の判断になることがあるため、指定申請前に市区町村の担当者に確認します。

管理者・計画作成担当者が変更になったときの手続き

管理者または計画作成担当者が変更になった場合は、変更後10日以内に市区町村へ変更届を提出します(省令第114条準用)。提出が遅れると指導の対象になることがあります。変更届には、新任者の氏名・資格・経験を証明する書類の写しを添付します。

開業前に確認すること

  • 管理者候補の在職証明書・業務経歴書の準備(認知症介護への従事期間を明記)
  • 計画作成担当者の研修受講スケジュールの確認(開業6〜9か月前に申し込みが必要になることがある)
  • 兼務の可否を市区町村に事前相談

人員基準の全体像は認知症GHの人員基準をあわせて確認してください。開業の流れは認知症GHの開業、最初に確認することも参考にしてください。

認知症介護実践者研修の受講スケジュール

計画作成担当者の必須要件である「認知症介護実践者研修」は、都道府県が指定した研修機関が年1〜2回実施します。受講申込みは研修開始の3〜6か月前に締め切られるため、開業予定日から逆算して早めに申し込む必要があります。研修期間は概ね3〜5日間(一部はeラーニング併用)、受講費用は都道府県や実施機関によって異なりますが、1〜3万円程度が目安です。修了証は指定申請書類の一部として市区町村に提出します。

管理者については認知症介護の実務経験(3年以上)が要件であり、特定の研修修了は必須ではありませんが、運営推進会議への対応や実地指導に備えて認知症ケアの専門研修(認知症ケア専門士等)を受けておくと実務に役立ちます。

管理者の業務範囲

管理者は事業所全体の運営を統括する役割です。主な業務には、①職員のシフト管理・労務管理、②利用者・家族への対応と苦情処理、③運営推進会議の開催(2か月に1回以上)、④市区町村への各種届出・報告、⑤実地指導への対応(書類整備・当日の立ち合い)が含まれます。介護現場にも関わりながら管理業務をこなす必要があるため、マネジメント能力と介護の実務経験の両方が求められます。

計画作成担当者の業務

計画作成担当者は利用者1人ひとりの居宅サービス計画(ケアプラン)を作成し、定期的にモニタリングを行います。担当者会議(少なくとも6か月に1回以上)を開催し、医療機関・訪問看護・薬局などの関係機関と連携することも義務です。利用者の状態変化があれば都度計画を見直します。介護支援専門員(ケアマネジャー)の資格保有は努力義務ですが、資格があると計画の質と外部機関との連携がスムーズになります。

1ユニット・管理者と計画作成担当者の兼務の実態

定員9人以下の1ユニット事業所では、管理者と計画作成担当者を1人が兼務するケースがあります。「管理者は常勤」「計画作成担当者は専従」の両方を満たす必要があるため、兼務者は他の法人・事業所と兼業せず、その事業所に常勤することが前提です。介護従業者も兼務する場合は、介護業務・計画作成・管理業務をすべてこなせる勤務体制かどうかを、指定申請の段階で市区町村と事前相談しておくことが重要です。

出典

  • 指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成18年厚生労働省令第34号)第97条・第98条・第114条
  • 各都道府県の認知症介護実践者研修のご案内(詳細は居住地の都道府県担当窓口へ確認)

管理者の兼務について

管理者は、原則として管理上支障がない場合に限り、同一敷地内の他の事業所の職務と兼務することが認められています(省令第97条ただし書き)。「管理上支障がない」かどうかは自治体の判断になります。他の事業所の業務が少なく、認知症GHの管理業務に専念できる実態があることを示す必要があります。

管理者と計画作成担当者を同一人物が兼ねる場合、管理者の「常勤」要件と計画作成担当者の「専従」要件を1人で満たすことが求められます。どちらも求められている以上、他の事業所との兼務は認められにくい場合があります。指定申請前に市区町村担当者に勤務実態を説明して確認します。

開業前の人員確保チェックリスト

  • 管理者候補の在職証明書・業務経歴書の入手(認知症介護への従事期間を明記)
  • 計画作成担当者の認知症介護実践者研修の受講申込(開業6〜9か月前)
  • 夜間勤務に対応できる介護従業者の確保(全ユニット通じて1名以上)
  • 介護従業者の常勤換算が「利用者3人に1人以上」を満たしているかシミュレーション

人員基準の全体像は認知症GHの人員基準で確認できます。開業全体のスケジュールは開業手順の記事をあわせてご覧ください。

変更・廃止の届出

管理者または計画作成担当者が変更になった場合は、変更後10日以内に市区町村へ変更届を提出します(省令第114条準用)。提出が遅れると指導の対象になることがあります。変更届には新任者の氏名・経験・資格を証明する書類を添付します。事業所の廃止・休止・再開についても事前または変更後10日以内の届出が必要です。

この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

ご質問はメールで。電話・面談はしていません。

fufumumu_designをフォローする
介護
fufumumu_designをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました