就労定着支援の利用者は「自分の事業所が送り出した就職者」に限定されません。就労移行支援・就労継続支援・生活介護・自立訓練・特別支援学校等を経て一般就労した方であれば、どこの事業所から送り出された方でも対象になります。見込み利用者をどのように確保するかが、開業後の事業安定の鍵になります。
見込み利用者の確保に重要な連携先
就労定着支援の見込み利用者を確保するには、以下の関係機関との連携が実務上の柱になります。
| 連携先 | 意義 |
|---|---|
| 就労移行支援事業所 | 就職者(修了者)が就労定着支援の主な対象者。運営法人が同一の場合は連携しやすい |
| 就労継続支援A型・B型事業所 | 一般就労への移行後に就労定着支援を利用するケースがある |
| 特別支援学校・高等支援学校 | 卒業後に就職した生徒が対象になることがある。進路担当者との関係を作る |
| ハローワーク・障害者就業・生活支援センター | 就職後の支援先として就労定着支援を紹介してもらえる |
| 相談支援事業所(計画相談) | 計画相談専門員が就労定着支援を利用者に紹介する立場にある |
就労移行支援と同一法人での多機能型が有利
就労移行支援事業所と就労定着支援を同一法人・同一拠点で多機能型として運営する形が、利用者の確保という点では有利です。就労移行支援で就職した方が、そのまま同じ法人の就労定着支援に移行しやすい関係ができます。
ただし、多機能型で運営する場合は人員・設備・会計をサービスごとに独立して管理する必要があります(詳細は「就労定着支援の多機能型」記事参照)。
単独で開業する場合の利用者確保
就労移行支援等の他サービスを運営していない事業者が就労定着支援のみで開業する場合は、地域の就労移行支援事業所・特別支援学校・障害者就業・生活支援センター等との連携が利用者確保のルートになります。
開業前から地域の支援機関に就労定着支援の事業所を開設する旨を伝え、紹介ルートを作っておくことが必要です。ただし、就労定着支援の利用者は「就職後6か月が経過した方」から始まるため、新規の紹介が即座に利用者増につながるわけではありません。見込みを持って準備することが重要です。
見込み利用者数と収支の関係
就労定着支援の収益は「利用者数×月額単位数×単価」です。利用者が少ない状態では固定費(人件費)を賄うことが難しくなります。サービス管理責任者・就労定着支援員を確保しながら収益を安定させるには、ある程度の利用者数が必要です。
目安として、就労定着支援員1人が担当できる利用者数は事業所によって異なりますが、支援の質を維持しながら月次で対応できる人数には限りがあります。開業時から段階的に利用者数を増やす計画を立てることが必要です。
就労定着支援の収支シミュレーション(利用者数・定着率区分・加算の組み合わせ)は就労定着支援 収支シミュレーターで確認できます。
参考・出典
- 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総合支援法)第5条第16項
- 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準(厚生労働省令第171号)
この記事は2026年11月時点の法令に基づいています。
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