消防設備士4類の構造・機能・整備(電気)対策。甲4は12問・乙4は9問で最多の科目を攻略する。

消防設備士4類の構造・機能・整備(電気)対策。甲4は12問・乙4は8問で最多の科目を攻略する。 資格

消防設備士4類の試験科目の中で、最も問題数が多いのが「構造・機能・整備(電気)」です。甲4では12問、乙4では9問が出題されます。科目足切りは40%以上(甲4で5問以上、乙4で4問以上)ですが、問題数が多いため、ここを安定させることが全体の合格を左右します。

この記事では、構造・機能・整備(電気)で何が問われるか、感知器・受信機・配線それぞれのポイントをどう押さえるか、試験でよく出る数値の整理方法を解説します。

構造・機能・整備(電気)とは何か

この科目は、自動火災報知設備を構成する機器の仕組みと、設備全体として動作する仕組みを問います。「構造」は機器の内部構造、「機能」は動作の仕組みと性能基準、「整備」は点検・試験・修理の手順を指します。

区分 甲4の問題数 乙4の問題数 足切りライン
構造・機能・整備(電気) 12問 9問 40%以上(甲4:5問・乙4:4問)

甲4の12問は筆記全45問の約27%を占めます。乙4の9問も筆記30問の30%です。合格基準は科目40%以上かつ全体60%以上(消防試験研究センターの試験科目の基準による)なので、この科目を5〜6問確実に取れると全体の底上げになります。

出題の4大テーマ

構造・機能・整備(電気)の問題は、大きく4つのテーマに分かれます。

  • 感知器の構造と動作原理:差動式・定温式・煙感知器・炎感知器それぞれの仕組み
  • 受信機の動作フロー:P型・R型の違い、火災信号の処理、予備電源
  • 配線の計算と系統:共通線の警戒区域数、送り配線、終端器の位置
  • 整備・試験の手順:加煙試験・加熱試験・導通試験の方法と判定基準

感知器の構造と動作原理

感知器は火災の「熱」「煙」「炎(光)」のいずれかを検出して、火災信号を発する機器です。それぞれの動作原理が試験に出ます。

差動式スポット型感知器

温度の上昇速度(差動)を検出します。空気の膨張を利用しており、室温が急激に上昇すると内部の空気が膨張してダイアフラムを押し、接点が閉じて信号を発します。リーク孔があるため、ゆっくりとした温度上昇には反応しません。

  • 動作原理:空気の膨張によるダイアフラムの変位
  • リーク孔:緩やかな温度変化では動作しない構造
  • 非作動(復旧):空気が冷えるとダイアフラムが戻る

定温式スポット型感知器

設定された温度(公称作動温度)に達したときに動作します。バイメタルや低融点合金を使った構造で、一定温度で変形・溶融して接点を閉じます。

  • バイメタル式:2種の金属の熱膨張率の差を利用
  • 低融点合金式:設定温度で合金が溶けて動作(不可逆型が多い)
  • 公称作動温度:60℃・70℃・80℃・90℃など、設置場所の最高雰囲気温度より20℃以上高い温度を選定

光電式スポット型感知器(煙感知器)

煙が検知室に入ると、発光素子からの光が散乱して受光素子に届くことで動作します(散乱光方式)。

  • 散乱光方式:煙の粒子に光が当たって散乱した光を受光素子が検出
  • 減光方式(分離型):発光器と受光器を離して設置し、煙による光の減少を検出
  • 1種・2種・3種の感度区分あり(作動濃度が異なる)

炎感知器

火炎が放射する赤外線や紫外線を検出します。道路トンネル・駐車場・倉庫など、天井が高く熱・煙感知器では感知が遅れる場所に使います。

  • 赤外線式:炎の炭酸ガス共鳴放射(IR₃)を検出
  • 紫外線式:炎が放射する紫外線を光電管で検出
  • 設置できる天井高さの上限はなく、高天井への対応が特徴

受信機の動作フロー

受信機は感知器・発信機からの信号を受けて、地区表示・音響警報・連動制御を行う中枢機器です。試験ではP型とR型の違いと、動作の各ステップが問われます。

P型受信機とR型受信機の違い

項目 P型1級 P型2級 R型
警戒回路数 制限なし 5回路以下 制限なし
信号方式 共通信号(on/off) 共通信号(on/off) 固有信号(アドレス)
電話機能 必要 不要(省略可) 必要
受信確認 必要 一部省略可 必要

P型1級・P型2級の選定は警戒回路数で決まります。回路数が5回路を超える場合はP型1級またはR型を使わなければなりません。この判断基準は甲4の製図問題にも直結します。

受信機の動作フロー(火災時)

感知器が動作してから警報・連動制御が完了するまでの流れは次のとおりです。

  1. 感知器が動作 → 感知器回路に電流が流れる(抵抗変化)
  2. 受信機が信号を検出 → 火災灯・地区表示灯が点灯
  3. 主音響装置(受信機の音響)が鳴動
  4. 地区音響装置(各フロアのベル・スピーカー)が鳴動
  5. P型の場合は電話連絡機能が起動
  6. 連動制御(防排煙・エレベーター・消火設備)が起動(連動設定がある場合)

受信機には「蓄積機能」を持つ製品があります。蓄積受信機は、感知器が動作しても一定時間(5〜60秒の間)蓄積して、同一回路から再度信号が来た場合のみ火災として扱います。誤報防止に有効ですが、火災時の初動が遅れるリスクもあります。

予備電源

受信機は常用電源(商用電源)が停電した場合に備えて予備電源(蓄電池)を内蔵します。予備電源の容量は、監視状態で60分以上、火災作動状態(鳴動状態)で10分以上継続できる容量が必要です(規則第24条第1号ヌ)。試験では予備電源の切り替えのタイミングや容量要件が問われることがあります。

配線の計算問題

構造・機能・整備(電気)の中で計算が絡む分野が配線です。甲4の製図問題とも関連しますが、筆記でも配線の本数・共通線の条件が問われます。

共通線(C線)の警戒区域数

P型受信機を使った系統では、感知器回路ごとに「L線(感知器線)」と「C線(共通線)」の2本で配線します。C線は最大7警戒区域まで共用できます。これを超えると別のC線を引く必要があります。

配線 役割 制限
L線(感知器線) 各警戒区域の感知器に接続 1本/1警戒区域
C線(共通線) 複数のL線で共用する帰還線 最大7警戒区域まで共用

送り配線と終端器

自動火災報知設備では断線を検出するために「送り配線」を採用します。感知器を直列に接続し、最後の感知器の先に終端器(終端抵抗)を取り付けます。受信機は終端器を通じて常時電流を監視しており、断線が生じると電流が流れなくなるため検出できます。

  • 送り配線:感知器を直列につなぐ配線方式
  • 終端器:末端感知器の先に取り付ける抵抗器
  • 断線監視:終端器への電流が途絶えると受信機が断線として表示

配線本数の計算(P型の基本)

幹線(受信機から最初の中継器・発信機ボックスまで)の本数は、警戒区域数とC線の共用数から算出します。警戒区域が7区域以下なら、L線7本+C線1本=8本(応答線・電話線・表示灯線を加えると合計が変わる)が基本の考え方です。

甲4の製図問題では、実際に平面図・系統図に本数を書き込む問題が出ます。この計算の考え方は「系統図の読み方と配線本数」(shobo-4rui-keitouzu)でも詳しく解説しています。

整備・試験の手順

整備の問題は「どの試験をどの感知器に使うか」「判定基準は何か」を問います。感知器の種類と試験方法の組み合わせを表で押さえておくと効果的です。

感知器の種類 試験方法 試験器具
差動式・定温式(熱感知器) 加熱試験 加熱試験器(ドライヤー型)
光電式(煙感知器) 加煙試験 加煙試験器(煙発生器)
炎感知器 光照射試験 専用の光源(赤外線または紫外線)

導通試験は配線の断線・短絡を確認するもので、感知器を動作させずに回路の抵抗値を測定します。加熱・加煙試験は実際に感知器を動作させて応答時間・感度が規定を満たすか確認します。

試験でよく問われる数値の整理

構造・機能・整備(電気)では、性能基準に関する数値も問われます。ただし規格省令の数値は製品・種別によって異なるため、試験では「〜以内」「〜以上」という条件の向きを正確に覚えることが優先です。

項目 内容 備考
差動式スポット型の公称作動温度差 15℃/min 以上の温度上昇速度で動作 種別によって異なる・目安値
定温式の公称作動温度 最高雰囲気温度より20℃以上高い温度を選定 施行規則第23条の設置基準
P型2級の最大警戒回路数 5回路以下 5回路超はP型1級またはR型
C線の最大共用警戒区域数 7警戒区域 製図の配線本数計算の前提

これらの数値を丸暗記するより、「なぜその数値か」という根拠(感知器の動作原理・配線の断線監視の仕組み)を理解してから覚えると定着します。

科目攻略のポイントまとめ

構造・機能・整備(電気)を乗り越えるための3点です。

1. 感知器の動作原理は「物理的な仕組み」で覚える

差動式は「空気の膨張」、定温式は「バイメタルの変形」、光電式は「散乱光」と、物理現象として理解すると応用問題にも対応できます。名称の暗記だけでは引っかけ問題に弱くなります。

2. P型・R型の選定基準は「警戒回路数5」で切る

「5回路以下ならP型2級可・6回路以上はP型1級またはR型」という判断軸を最初に固めると、受信機関連の問題が解きやすくなります。製図問題でも同じ判断が必要です。

3. 配線の本数は「L線+C線の最大7区域」を基本単位にする

C線の共用上限(7区域)をベースに幹線本数を計算する思考を身につけると、系統図の問題が素早く解けます。終端器の位置(末端感知器の先)も一緒に確認しておきましょう。

関連記事・問題集

感知器の設置個数の計算は感知器の設置個数は、構造・取付け面の高さ・種別の表で決まるで、感知器の種類と設置場所の制限は熱・煙・炎、感知器の種類と設置できない場所でそれぞれ整理しています。

構造・機能・整備(電気)の問題をAIで繰り返し練習するには、消防設備士4類AI問題集をご活用ください。確認済み問題は無料で何度でも解けます。AIが作る問題(練習の続き)は1日3問まで無料です。

4類の試験概要・合格ラインは消防設備士4類の案内ページでまとめています。

出典

  • 消防試験研究センター「試験科目及び問題数」(https://www.shoubo-shiken.or.jp/)
  • 消防法施行規則第23条(感知器の設置基準)
  • 自動火災報知設備の設置基準に関する技術的事項は、一般社団法人日本火災報知機工業会の資料も参考にしています

本記事の数値・仕様はAIが整理したものです。受験に際しては消防試験研究センターの公式情報および最新の規格省令でご確認ください。

この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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