規格は6問出題され、6問中3問以上(40%以上)が合格基準です。出題の中心は泡消火薬剤の規格(膨脹比・流動値)と泡ヘッドの規格(担当面積・放射区域)です。数字の根拠を条文と照らして整理します。
作成:fufumumu_design(ふふ)/作成日:2026年10月25日/数字の出典は各表の下に記載しています。
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規格は6問・3問正解で足切り突破
乙2の試験科目と問題数は消防法施行規則第33条の12に定められています。規格の科目(「消防用設備等の規格に関する部分」)は6問で、合格基準は各科目40%以上かつ全体60%以上です。6問中3問を落とすと規格の科目で足切りになります。
規格の出題は大きく2つに分かれます。泡消火薬剤の規格を定める省令(昭和50年自治省令第26号)に基づく薬剤の性質と、消防法施行規則第18条の2に基づく泡ヘッドの設置基準です。どちらも数字を問う問題が多く、根拠とセットで覚えることが合格への近道です。
泡消火薬剤の規格。膨脹比と流動値を覚える
泡消火薬剤の規格を定める省令(昭和50年自治省令第26号)は、薬剤の種類ごとに膨脹比と流動値の基準を定めています。
| 薬剤の種類 | 膨脹比 | 流動値(25℃) |
|---|---|---|
| たん白泡消火薬剤 | 6倍以上 | 60mm以上 |
| 合成界面活性剤泡消火薬剤 | 6倍以上 | 60mm以上 |
| 水成膜泡消火薬剤(AFFF) | 5倍以上 | —(規定なし) |
出典:泡消火薬剤の規格を定める省令(昭和50年自治省令第26号)(2026年10月時点確認)
膨脹比は、元の薬剤液の体積に対して生成した泡の体積の比です。膨脹比6倍以上とは、1の薬剤液から6以上の体積の泡を作れることを意味します。数字が大きいほど少ない薬剤で多くの泡を作れます。
流動値は、泡の広がりやすさを示す指標です。流動値試験では泡を一定の型に流し込み、広がった直径(mm)を測定します。60mm以上とは、泡がそれだけ広がることを要求するものです。水成膜泡消火薬剤(AFFF)は流動性が高い性質を持つため、規定がありません。
たん白と合成の数字が同じ(膨脹比6倍以上・流動値60mm以上)であることと、水成膜(AFFF)が膨脹比5倍以上(たん白・合成より低い)であることが試験で問われやすいポイントです。
高発泡用薬剤は膨脹比80倍以上。低発泡とは別の基準
フォームヘッドやFWSヘッドで使う低膨脹泡の膨脹比は6〜20倍未満です。これに対し、高発泡用泡放出口で使う高膨脹泡は膨脹比が80倍以上と定められています(泡消火薬剤の規格を定める省令)。
膨脹比が80倍以上になると、少量の薬剤で空間全体を泡で満たす(冠泡)ことができます。床面高さが5mを超える飛行機格納庫などで採用される方式です。
低発泡(6〜20倍未満)と高発泡(80倍以上)の区別は試験でも出題されます。「膨脹比6倍以上」は低発泡薬剤の基準であり、高発泡とは別物であることを押さえておく必要があります。
フォームヘッドの規格。担当面積9m²と放射区域の範囲
フォームヘッド(開放型・低膨脹泡用)の設置基準は消防法施行規則第18条の2に定められています。
| 項目 | 基準 |
|---|---|
| 1個あたりの担当面積 | 9m²以下 |
| 有効散水半径 | 2.1m以下 |
| 放射区域(一般) | 50m²以上100m²以下 |
| 放射区域(道路・駐車場) | 80m²以上160m²以下 |
出典:消防法施行規則第18条の2(2026年10月時点確認)
放射区域とは、一斉開放弁(デリュージバルブ)1個が担当する区域のことです。フォームヘッドは開放型なので、一斉開放弁の操作によって担当区域の全ヘッドが一斉に泡を放出します。1つの放射区域に設置できるヘッドの数は、区域の面積を1個あたりの担当面積(9m²)で割ることで計算できます。
道路(建物の屋内部分)と駐車場は一般の放射区域より広い基準(80〜160m²)が設けられています。道路・駐車場では火災の延焼範囲が広がりやすいため、より広い区域を一度に放射できる設計が求められます。
FWSヘッドの規格。閉鎖型で担当面積8m²
FWSヘッド(Foam Water Spray・閉鎖型)は飛行機・回転翼航空機の格納庫専用のヘッドです。フォームヘッドと同じく施行規則第18条の2に基づきますが、担当面積が異なります。
| 項目 | 基準 |
|---|---|
| 1個あたりの担当面積 | 8m²以下 |
| 有効散水半径 | 2.1m以下 |
| 感熱素子 | あり(ガラスバルブまたはヒュージブルリンク) |
| 使用場所 | 飛行機・回転翼航空機の格納庫 |
出典:消防法施行規則第18条の2(2026年10月時点確認)
FWSヘッドはスプリンクラーと同じ原理で動作します。感熱素子(ガラスバルブまたはヒュージブルリンク)が火炎の熱で溶けることでヘッドが開放し、泡を放射します。フォームヘッドの9m²に対してFWSヘッドは8m²とやや狭い担当面積になっています。格納庫の床面に対してより密にヘッドを設置する設計です。
高発泡用泡放出口の規格。冠泡高さと設置数
高発泡用泡放出口は、膨脹比80倍以上の高膨脹泡を使って空間全体を泡で満たす(冠泡)放出口です。床面高さが5mを超える飛行機格納庫等に設置されます。
| 項目 | 基準 |
|---|---|
| 使用する泡の膨脹比 | 80倍以上 |
| 適用場所の床面高さ | 5mを超えるもの |
| 冠泡高さ | 防護対象の最高位から0.5m以上 |
| 設置数 | 防護面積500m²ごとに1個以上 |
出典:消防法施行規則第18条の2(2026年10月時点確認)
冠泡高さとは、泡で満たしたときの高さです。防護対象の最高位(航空機の一番高い部分)から0.5m以上の余裕を持って泡を積み上げる必要があります。格納庫内の航空機がすべて泡に浸かる高さが確保されることで、消火効果が得られます。
プロポーショナーと混合比の規格
プロポーショナーは、加圧水に泡消火薬剤を一定の割合(混合比)で混ぜ合わせる装置です。混合比が正確でないと、生成した泡の膨脹比・流動値が規格を満たさなくなります。
混合比は薬剤の種類と用途によって3%または6%が使われます(薬剤規格省令に定められた試験条件に対応する比率)。プロポーショナーの種類(ライン式・プレッシャー式・ポンプ式)と仕組みについては乙2の鑑別対策・プロポーショナーの仕組みと種類にまとめています。
規格の数字まとめ
規格で問われる主な数字を一覧にまとめます。試験直前の確認に使ってください。
| 項目 | 数字 | 根拠 |
|---|---|---|
| フォームヘッド 担当面積 | 9m²以下/個 | 施行規則第18条の2 |
| FWSヘッド 担当面積 | 8m²以下/個 | 施行規則第18条の2 |
| フォームヘッド 有効散水半径 | 2.1m以下 | 施行規則第18条の2 |
| FWSヘッド 有効散水半径 | 2.1m以下 | 施行規則第18条の2 |
| 放射区域(一般) | 50〜100m² | 施行規則第18条の2 |
| 放射区域(道路・駐車場) | 80〜160m² | 施行規則第18条の2 |
| 高発泡用 設置数 | 500m²ごとに1個以上 | 施行規則第18条の2 |
| 高発泡用 冠泡高さ | 防護対象最高位+0.5m以上 | 施行規則第18条の2 |
| たん白・合成 膨脹比 | 6倍以上 | 薬剤規格省令 |
| たん白・合成 流動値 | 60mm以上(25℃) | 薬剤規格省令 |
| 水成膜(AFFF)膨脹比 | 5倍以上 | 薬剤規格省令 |
| 高膨脹泡 膨脹比 | 80倍以上 | 薬剤規格省令 |
出典:消防法施行規則第18条の2・泡消火薬剤の規格を定める省令(昭和50年自治省令第26号)(2026年10月時点確認)
規格の対策まとめ
規格の6問は、薬剤の規格(膨脹比・流動値)とヘッドの規格(担当面積・放射区域)の2本立てです。たん白・合成は6倍以上、水成膜は5倍以上という膨脹比の違いと、フォームヘッド9m²・FWSヘッド8m²という担当面積の違いが最頻出です。数字の丸暗記ではなく「なぜその数字か」の背景とセットで理解すると、応用問題にも対応できます。
規格に関連する数字の総まとめは乙2で覚える数字まとめにも掲載しています。薬剤の種類の違いについては泡消火薬剤3種類の違いを合わせてご確認ください。
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