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ボイラーの熱効率は燃料の熱エネルギーを有効に蒸気に変換する割合を示す指標です。一級ボイラー技士試験では、熱効率の計算式・熱損失の種類・向上策が出題されます。
ボイラー効率(熱効率)の定義
ボイラー効率(η)は発生蒸気が持つ熱量(有効熱)を燃料の完全燃焼熱(投入熱量)で割った比率です。
η(%) = 発生蒸気の有効熱量 ÷ 燃料の発熱量 × 100
η(%) = G × (h₂ – h₁) ÷ (F × H_l) × 100
G:発生蒸気量(kg/h)、h₂:蒸気エンタルピー(kJ/kg)、h₁:給水エンタルピー(kJ/kg)、F:燃料消費量(kg/h または m³/h)、H_l:低発熱量(kJ/kg または kJ/m³)
熱損失の種類
燃料の持つ熱量からボイラー効率を引いた残りが「熱損失」です。主な熱損失には以下があります。
| 熱損失の種類 | 内容 | 割合(目安) |
|---|---|---|
| 排ガス損失 | 排気ガスが持ち去る熱量(最大の損失) | 10〜15%(設備による) |
| 不完全燃焼損失(化学的) | CO・未燃炭化水素等の発生による損失 | 1〜3% |
| 未燃分損失(機械的) | ばいじん・灰中の未燃炭素による損失 | 石炭燃焼で0.5〜5% |
| 放熱損失 | ボイラー外表面からの放熱 | 1〜3% |
| ブロー損失 | ブロー排水が持ち去る熱量 | 0.5〜2% |
排ガス損失の計算
排ガス損失は最大の熱損失です。排ガス温度と外気温度の差が大きいほど損失が大きくなります。
排ガス損失 ∝ 排ガス量 × (排ガス温度 – 外気温度)
排ガス温度を20℃下げると熱効率が約1%向上するとされます(設備条件により異なります)。
熱効率向上策
排ガス温度を下げる
- 節炭器(エコノマイザー)の設置:排ガス熱で給水を予熱してから排気する。排ガス温度を低下させ熱効率を向上させる
- 空気予熱器の設置:排ガス熱で燃焼用空気を予熱する。燃焼温度が上がり、排ガス温度が下がる
燃焼効率を上げる
- 空気比の最適化:空気比が大きすぎると余剰空気が排ガスに含まれて排ガス量が増え損失が大きくなる。最適空気比(油は1.1〜1.2程度)に調整する
- 燃料の霧化・混合改善:バーナーの整備で燃焼効率を向上させる
スケール・すすの除去
- スケール(水管内壁):厚くなると熱伝達が悪化する。軟化処理・ブロー・化学洗浄でスケールを除去する
- すす(水管外壁):燃焼ガス側に付着するすすも伝熱を妨げる。スートブロワー(蒸気吹き付け)で除去する
計算例
発生蒸気量 5,000 kg/h、蒸気エンタルピー 2,780 kJ/kg、給水エンタルピー 84 kJ/kg、重油消費量 350 kg/h、重油低発熱量 40,000 kJ/kg のとき:
有効熱 = 5,000 × (2,780 – 84) = 5,000 × 2,696 = 13,480,000 kJ/h
投入熱 = 350 × 40,000 = 14,000,000 kJ/h
η = 13,480,000 ÷ 14,000,000 × 100 ≒ 96.3%
試験ポイント
- ボイラー効率=発生蒸気の有効熱÷投入熱×100
- 最大の熱損失は排ガス損失
- 排ガス温度を下げる→節炭器・空気予熱器が有効
- 空気比が大きすぎると排ガス量増加で効率低下
出典:ボイラー及び圧力容器安全規則・安全衛生技術試験協会 公表試験問題
作成:fufumumu_design|更新:2026年11月
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