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国土交通省告示第1366号別表第2の12テーマの一つ「貨物の正しい積載方法」は、荷崩れ・荷物落下・車両不安定を防ぐための積み方の基本を理解させることを目的としている。過積載とは別に、「積み方が悪い」ことで起きる事故も多く、ドライバー教育で繰り返し扱うテーマだ。
荷崩れ・落下は積み方が原因で起きる
過積載を犯していなくても、荷物の積み方が不適切だと走行中に荷崩れが起きる。荷物が荷台から落下すると後続車に直撃するリスクがあり、死亡事故につながる。積み方に起因する事故の主な原因は次のとおりだ。
- 重心が高い(重いものを上に積んでいる)
- 荷物の固定が不十分(ラッシングベルトが緩い・固定なし)
- 荷物が片側に偏っている(左右のバランスが悪い)
- 荷物同士の間に隙間があり、ブレーキで前にずれる
これらは「荷物が重ければ起きやすい」ではなく、軽い荷物でも積み方次第で起きる。ドライバーが積み込みに立ち会わない場合でも、出発前に固定状態を確認する習慣が必要だ。
正しい積載の3原則
荷物を安全に運ぶための基本として、次の3点を研修で伝えることが求められている。
| 原則 | 内容 |
|---|---|
| ① 重いものを下に | 重心を低く保つ。重いものを上に積むと横転リスクが上がる |
| ② 左右均等に | 片側に重量が偏ると、カーブや急ハンドルで横転しやすくなる |
| ③ 固定する | ラッシングベルト・ネット・養生材で荷物が動かない状態にする。固定なしで走行しない |
特に「③ 固定する」は、荷主側が積み込んだ場合でも、ドライバーが出発前に確認する責任がある。固定が不十分なまま走行して事故になった場合、運転者・運送事業者の責任が問われる。
積載方法は道路交通法と貨物自動車運送事業法の両方が関係する
積載物の飛散・落下は道路交通法第55条(乗車又は積載の方法)をはじめとする積載方法に関する規定で禁止されている。荷物が落下すると、乗車人員への影響に関わらず違反となる。
貨物自動車運送事業法の観点では、適切な積載方法の指導は輸送安全規則に基づく「貨物の正しい積載方法」として12テーマの研修対象になっている。荷主の指示であっても、法令違反の積載方法には従わない判断が求められる。
軽貨物(黒ナンバー)での荷崩れリスク
軽バン(ハイエース・N-VAN等)は荷室が比較的小さく、荷物が動きやすい。宅配・EC物流での使用が多いため、荷物数が多い・種類がばらばら・1日に何十回も扉を開け閉めする状況が続く。
荷室に荷物を無造作に積み上げた状態で急ブレーキをかけると、荷物がドライバー側に飛んでくるリスクがある。荷室と運転席を分けるパーティションの使用や、荷物を前後に詰めて隙間をなくす積み方が有効だ。
積み降ろし時の腰痛・転倒にも注意する
積み降ろし作業中に腰を痛めるドライバーは多い。腰痛は「荷物の重さだけ」の問題ではなく、「積み方が悪いため降ろしにくくなっている」ことも一因だ。荷物を積む順序(最後に使うものを先に積む等)、体への負担を減らす降ろし方も研修で扱うと実用的だ。
荷台からの転落(積み降ろし時に落ちる)も発生しやすい労災だ。荷台に乗る場合の安全確認(周囲の状況・荷台端からの距離)を意識させることが事故防止につながる。
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出典:国土交通省告示第1366号別表第2、道路交通法第55条・第75条の10(e-Gov法令検索)、貨物自動車運送事業輸送安全規則(e-Gov法令検索)。作成:2026年10月。


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