短期入所の基本報酬、宿泊型・日中型の違い。

短期入所

短期入所(ショートステイ)の基本報酬は、障害支援区分だけでなく「その日に何をしていたか」によっても変わります。宿泊型と日中型という呼び方で語られることがありますが、告示では4区分に分かれています。整理します。

短期入所の基本報酬は4区分に分かれている

短期入所の基本報酬は、平成18年厚生労働省告示第523号 別表第7の1 イ(1)〜(4)で定められた4種類です。

区分 使う日
福祉型短期入所サービス費(Ⅰ) 通常の泊まりの日
福祉型短期入所サービス費(Ⅱ) 日中活動(通所)サービスを利用した日
福祉型短期入所サービス費(Ⅲ) 障害児が利用する日(通常)
福祉型短期入所サービス費(Ⅳ) 障害児が通所サービスを利用した日

(Ⅰ)が「宿泊型」に、(Ⅱ)が「日中型(通所の日)」に相当するイメージですが、正確には「その日に日中活動の通所サービスを使ったかどうか」で区分が変わります。

各区分の単位数

障害者((Ⅰ)(Ⅱ))の単位数は障害支援区分によって変わります。障害児((Ⅲ)(Ⅳ))は障害児支援区分で変わります。

福祉型短期入所サービス費(Ⅰ)(通常の泊まり・障害者)

障害支援区分 単位数
区分6 923単位
区分5 784単位
区分4 648単位
区分3 583単位
区分1・2 509単位

福祉型短期入所サービス費(Ⅱ)(日中活動の日・障害者)

障害支援区分 単位数
区分6 602単位
区分5 527単位
区分4 318単位
区分3 240単位
区分1・2 173単位

福祉型短期入所サービス費(Ⅲ)(通常の泊まり・障害児)

障害児支援区分 単位数
区分3 784単位
区分2 615単位
区分1 509単位

福祉型短期入所サービス費(Ⅳ)(通所の日・障害児)

障害児支援区分 単位数
区分3 527単位
区分2 279単位
区分1 173単位

(出典:平成18年厚生労働省告示第523号 別表第7の1 イ(1)〜(4)・令和8年6月施行分)

「日中活動の日」とは何か

(Ⅱ)(Ⅳ)が算定される「日中活動の日」とは、利用者がその日に生活介護・就労継続支援・就労移行支援・放課後等デイサービスなどの通所サービスを利用した日のことです。

通所サービスを利用している利用者が短期入所に泊まった場合、その日は(Ⅱ)または(Ⅳ)で算定します。通所サービスを利用しない日(土日祝日・休日・通所事業所が休みの日)は、(Ⅰ)または(Ⅲ)で算定します。

日常的に通所サービスを利用している利用者が多い事業所では、(Ⅱ)での算定日が増えます。(Ⅰ)と(Ⅱ)を比べると、区分6では923単位対602単位(321単位差)とかなりの差があります。

収支に与える影響

利用者が通所サービスを利用する割合(「日中活動の日」の割合)が高いほど、(Ⅱ)での算定日が増えて報酬単価が下がります。

定員6・区分構成が区分6/5/4/3/1・2=15/20/30/25/10%の場合、1人1日あたりの加重平均報酬は以下のとおりです。

  • (Ⅰ)(通常の日):約686単位
  • (Ⅱ)(日中活動の日):約368単位

日中活動の日が30%を占めると、全体の平均報酬は約591単位程度になります。日中活動の割合が高い事業所ほど、収入が下がる設計です。

地域区分との掛け算

単位数に地域区分の単価(1単位当たりの円数)を掛けた金額が報酬になります。短期入所の地域区分単価は、告示539で居宅介護などと同じ区分が適用されます(1級地11.20円〜その他10.00円)。

たとえば区分6・(Ⅰ)での算定の場合、1級地では923単位×11.20円=10,337.6円(1人1日あたり)になります。

定員20人以上は単位数に×0.9

定員20人以上の単独型事業所は、加算前の所定単位数に100分の90を掛ける減算があります(告示523 別表第7の1 イ注1)。定員6程度の小規模事業所では関係ありませんが、規模を拡大する場合に注意が必要です。

加算による報酬の上乗せ

基本報酬に加えて、要件を満たす場合に算定できる加算があります。

  • 単独型加算 320単位(単独型事業所が算定)
  • 短期利用加算 30単位(年通算30日以内の利用者・日数は入所日と退所日の両方を数える)
  • 食事提供体制加算 48単位(令和9年3月31日までの経過措置)
  • 重度障害児・障害者対応支援加算 30単位(利用者の50%以上が区分5・6または障害児支援区分3以上)
  • 常勤看護職員等配置加算(定員6以下で10単位・7〜12人で8単位・13〜17人で6単位・18人以上で4単位)
  • 送迎加算 186単位(同一敷地内は100分の70)

処遇改善加算の率

処遇改善加算は、短期入所には(Ⅱ)区分が存在せず、(Ⅰ)イ18.6%・(Ⅰ)ロ19.3%・(Ⅲ)16.5%・(Ⅳ)14.2%の4区分です(告示523・令和8年度改定)。他の障害福祉サービスとは区分の設定が異なる点に注意が必要です。

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この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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