就労移行支援のBCP訓練は年1回以上。支援が止まると就職活動が遅れる、その視点でBCPを考える。

就労移行支援のBCP研修・訓練は、年1回以上が義務

就労移行支援のBCP(業務継続計画)は、研修・訓練ともに年1回以上の実施が義務づけられている。委員会の設置は義務ではない。

根拠は国の解釈通知(障発第1206001号・最終改正 令和7年3月31日)「第三の3の(23)」。就労移行支援は基準省令第139条でBCPの規定を直接置き、研修・訓練の年間回数はこの通知に示されている。

BCPとして義務づけられている内容

義務の内容 頻度・補足
業務継続計画の策定 令和6年4月から全事業者に義務
研修の実施 年1回以上・新規採用時には望ましい
訓練の実施 年1回以上
定期的な見直し 訓練結果等を踏まえた見直し

出典:厚生労働省「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準について」(障発第1206001号・最終改正 令和7年3月31日)第三の3の(23)

就労移行支援のBCPで考える固有の視点

就労移行支援は、利用者が一般就労を目指して訓練を受けるサービスだ。利用期間は原則2年(最大3年)で、就職活動のタイムラインが定められている。そのため、他の通所系サービスのBCPとは異なる論点がある。

支援の停止が就職活動のタイムラインに影響する

大規模災害や感染症の流行によってサービスが一時的に停止した場合、B型や生活介護では「再開後に支援を再開する」という対応で済む場面でも、就労移行支援では就職活動の遅れに直結することがある。

特に次のような状況では影響が大きい。

  • 企業実習の予定が入っている利用者がいる
  • 面接の日程が決まっていた利用者がいる
  • 利用期間の終了が近い利用者がいる

BCPに「就職活動中の利用者への対応手順(企業・ハローワーク等への連絡・日程変更の方法)」を盛り込んでおくと、発生時の混乱を減らせる。

実習先企業への連絡手順

利用者が企業実習中に災害・感染症が発生した場合、実習先企業への連絡が必要になる。誰が・いつ・どのような内容で連絡するかを事前に整理しておくことが、緊急時対応の一部として有効だ。

訓練で確認する内容

年1回以上の訓練で確認すべき主な内容は次のとおりだ。

  • 利用者・職員全員の安否確認の手順
  • サービスが停止した場合の利用者への通知方法
  • 就職活動中の利用者への連絡・日程変更の手順
  • 事業所が使えなくなった場合の代替場所・方法(オンライン面談の実施等)
  • 指揮命令系統(管理者不在時の代行者)の確認

記録の整備と保存期間

BCP研修・訓練の記録は2年間保存する。運営指導では次の書類が確認される。

  • 業務継続計画の計画書本文
  • 研修の実施記録(日時・参加者・内容)
  • 訓練の実施記録(日時・参加者・方法・改善点)

ツールで記録様式と研修資料をまとめて用意する

就労移行支援の法定研修の資料・確認テスト・訓練の記録様式がまとまったキットを用意している。

→ 就労移行支援 法定研修・訓練キット

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業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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