就労継続支援B型から一般就労への移行支援、連携先と支援の流れを研修で確認する。

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就労継続支援B型の役割は、作業を継続的に提供することだけではありません。利用者が一般就労を希望したときに、ハローワークや就労移行支援事業所との連携をとり、就職後6か月以上の定着支援を行うことも、指定基準で義務づけられています。

この記事では、指定基準第193〜195条(第202条でB型に準用)が定める就労移行支援の義務内容、一般就労を希望する利用者が現れたときの対応手順、連携する機関とその役割、研修で確認する事項を整理します。

B型が就労移行支援を行う義務は、指定基準第193〜195条(第202条で準用)にある

就労継続支援B型は、利用者が「一般就労したい」と意思を示したときに、その実現に向けた支援を行う義務があります。根拠は指定基準第193〜195条で、第202条によりB型に準用されます。

条文 内容
第193条(就労移行支援・求職活動の支援等) ハローワーク等への同行援助、求職活動の支援を行う
第194条(関係機関との連携等) 就労支援機関・医療機関等との連携体制を整える
第195条(就職した利用者に対する相談等) 就職後6か月以上は、相談その他の援助を継続する

B型は「現時点では一般就労が難しい人の場所」ではなく、「一般就労に向けたステップを支援する場」でもあります。利用者の意向に応じて移行支援を進める体制と知識を、職員全員が持っておく必要があります。

一般就労を希望する利用者が現れたときの対応手順

利用者から「働きたい」「会社で働いてみたい」という意向が出たときの対応手順を、事業所内で共有しておきます。

ステップ 具体的な対応 関係する職員・機関
①意向の確認・記録 「一般就労への希望がある」ことを個別支援計画に記載。意向の強さ・希望する仕事の種類・時期の見通しを確認する サービス管理責任者・担当職員
②相談支援事業所との連携 計画相談支援の担当者に意向を共有する。サービス等利用計画の見直し(就労移行支援への移行を含む)について相談する 相談支援専門員
③就労支援機関への橋渡し ハローワーク(障害者担当窓口)または就労移行支援事業所への同行・紹介を行う。利用者のペースに合わせて準備期間を設ける ハローワーク・就労移行支援事業所
④求職活動中の作業調整 面接・職場実習などで通所回数が減る場合の作業スケジュールを調整する。B型の利用を継続しながら就職活動を進めることも可能 管理者・担当職員
⑤就職後の定着支援 就職後6か月以上は相談・援助を継続する(第195条)。職場の困りごと・体調管理・関係機関との連絡窓口として機能する サービス管理責任者・就労定着支援事業所

一般就労への移行は、B型の利用者数が減ることを意味します。しかし、利用者が希望する生き方に向けた支援をしないことは、権利擁護の観点からも問題があります。「B型に来続けてもらうこと」より「本人の意向に沿った支援」を優先することが、職員全員の共通認識として必要です。

連携する機関の役割と使い分け

就労移行支援で関わる機関は複数あり、それぞれの役割が異なります。研修では、地域にある機関の名前と役割を全職員で把握しておきます。

機関 役割 B型が連携するタイミング
ハローワーク(公共職業安定所)障害者担当窓口 求人の紹介・職業紹介・障害者雇用の手続き支援 求職活動を始める段階(同行援助を含む)
就労移行支援事業所 一般就労を目指す訓練・就職活動の支援・職場開拓 B型からの移行先として検討・紹介するとき
就労定着支援事業所 就職後6か月以降の職場定着支援(最長3年6か月) 就職が決まり定着支援の引き継ぎを行うとき
障害者就業・生活支援センター(なかぽつ) 就労・生活両面からの相談支援・関係機関との調整 複数の課題がある利用者で包括的な支援が必要なとき
相談支援事業所(計画相談) サービス等利用計画の作成・変更・モニタリング サービス種別の変更(B型→就労移行)を検討するとき

地域によって機関の名称・担当エリアが異なります。研修の場で「地元のハローワーク障害者担当の場所」「近くの就労移行支援事業所の名前」を確認しておくと、実際に利用者の意向が出たときに動きやすくなります。

就職後の定着支援はB型に義務がある(第195条)

指定基準第195条(第202条で準用)では、就職した利用者に対して就職後6か月以上にわたって相談その他の援助を行うことが義務づけられています。これは「就労定着支援」の制度と別に、B型自身が行う義務です。

具体的な定着支援の内容としては、次のようなものが考えられます。

  • 就職後の体調・職場環境について定期的に連絡をとる(月1回程度)
  • 職場でのトラブル・困りごとの相談に応じる
  • 必要に応じて医療機関や就労定着支援事業所に情報を引き継ぐ
  • 支援内容と連絡状況を記録として残す

就労定着支援事業所が担当するようになった後も、6か月間はB型も連携して関わる期間が生じます。支援の窓口が重複しないよう、役割分担を事前に決めておくことが重要です。

研修で確認する3つのこと

就労移行支援に関する研修では、次の3点を全職員で確認します。

  1. 利用者の意向を日常的に確認する習慣をつくる:「最近、仕事についてどう思っているか」を支援記録の中で定期的に確認し、変化があればサービス管理責任者に伝える体制を共有する
  2. 地域の連携先機関を把握する:管轄のハローワーク障害者窓口の場所・連絡先を確認する。近くの就労移行支援事業所の名前を少なくとも1か所把握する
  3. 就職後6か月の定着支援の流れを確認する:誰が・いつ・どのように連絡をとるかを決めておく。就労定着支援事業所との役割分担の考え方も共有する

まとめ

就労継続支援B型の移行支援研修では、指定基準第193〜195条(第202条で準用)に基づいて、一般就労を希望する利用者への同行・連携・就職後の定着支援の流れを確認します。連携する機関はハローワーク・就労移行支援事業所・就労定着支援事業所・障害者就業・生活支援センターで、それぞれの役割と使い分けを全職員が把握しておきます。就職後6か月以上の定着支援はB型自身の義務であるため、支援の引き継ぎ方と記録の残し方も研修で共有します。

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出典:指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準(平成18年厚生労働省令第171号)第193条・第194条・第195条・第202条。作成日:2026年10月。

この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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