短期入所のBCP研修・訓練は、年1回以上が義務
短期入所のBCP(業務継続計画)は、研修・訓練ともに年1回以上の実施が義務づけられている。委員会の設置は義務ではない。
根拠は国の解釈通知(障発第1206001号・最終改正 令和7年3月31日)。短期入所は基準省令の第170条でBCPの規定を直接置き、研修・訓練の年間回数はこの通知「第七の3の(13)」に示されている。
BCPとして義務づけられている内容
| 義務の内容 | 頻度・補足 |
|---|---|
| 業務継続計画の策定 | 令和6年4月から全事業者に義務 |
| 研修の実施 | 年1回以上・新規採用時には望ましい |
| 訓練の実施 | 年1回以上 |
| 定期的な見直し | 訓練結果等を踏まえた見直し |
出典:厚生労働省「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準について」(障発第1206001号・最終改正 令和7年3月31日)第七の3の(13)
短期入所のBCPで考える固有の視点
短期入所は、利用者が宿泊する。通所系サービスとは異なり、夜間・深夜も利用者が事業所内にいる状態で災害・感染症が発生する可能性がある。そのため、BCPには昼間の対応だけでなく、夜間帯の対応手順も含める必要がある。
夜間対応の体制を明記する
夜間に火災・地震が発生した場合、昼間と同じ職員数が確保できるとは限らない。夜勤帯に想定できる最少の職員数で、利用者全員を安全に避難させるための手順が必要になる。避難の順番・誘導担当・介助が必要な利用者の優先順位などを具体的に決めておくことが、訓練の前提となる。
医療的ケアが必要な利用者への対応
短期入所の利用者には、呼吸器・胃ろう・喀痰吸引など医療的ケアが必要な方が含まれることがある。停電や機器の故障が重なった場合の対応手順(バッテリーの稼働時間・医療機関への連絡先・搬送の判断基準)をBCPに盛り込むと、いざというときの判断の手助けになる。
家族への連絡手順を整備する
宿泊中に緊急事態が発生した場合、家族への連絡が最優先になる。連絡先リストの整備・連絡手段の確保(固定電話・携帯電話・伝言ダイヤル)・連絡のタイミングをBCPに記載しておくと、職員が判断に迷う時間を減らせる。
訓練で確認する内容
年1回以上の訓練で確認すべき主な内容は次のとおりだ。
- 宿泊中の利用者・夜勤職員の安否確認の手順
- 夜間帯の避難誘導(最少人数での役割分担・介助が必要な利用者の対応)
- 医療的ケアが必要な利用者がいる場合の対応手順
- 家族への緊急連絡の手順(誰が・いつ・何を伝えるか)
- 連絡先リストの場所・内容の確認
- 指揮命令系統(管理者不在時の代行者)の確認
避難場所・避難経路の確認
宿泊施設としての短期入所では、避難場所と避難経路の確認が訓練の中心になることが多い。夜間の照明が限られる状況での避難経路、車いす・ストレッチャーを使った場合の通路の確認、屋外の避難場所への移動手順などを訓練に組み込むと実践的だ。
記録の整備と保存期間
BCP研修・訓練の記録は2年間保存する。運営指導では次の書類が確認される。
- 業務継続計画の計画書本文
- 研修の実施記録(日時・参加者・内容)
- 訓練の実施記録(日時・参加者・方法・夜間想定の場合はその旨・改善点)
ツールで記録様式と研修資料をまとめて用意する
短期入所の法定研修の資料・確認テスト・訓練の記録様式がまとまったキットを用意している。

コメント