消防設備士5類の法令類別4問。設置義務・業務範囲・免除の出題パターン。




消防設備士第5類の法令類別(5類固有)は筆記で4問出題されます。合格基準は40%以上(2問以上正解)ですが、問題数が少ないため1問の重みが大きい科目です。出題の中心は施行令第25条の設置義務の表(防火対象物の用途・階ごとの適用器具)、設置個数の計算、設置免除の条件、消防設備士の業務範囲の4テーマです。

問題をすぐに解いてみたい方は、こちらのアプリをご利用ください。
▶ 消防設備士 第5類(乙5・甲5)AI問題集

法令類別4問の出題テーマ

第5類の法令類別で出題される4問のテーマは次のとおりです。毎回同じテーマから出るわけではありませんが、以下の5つのテーマを網羅すれば対策は十分です。

出題テーマ 根拠法令 主な出題内容
①設置義務がある防火対象物と階 施行令第25条第1項 用途・収容人員・階の組み合わせ
②適用できる器具の種類(表の読み方) 施行令第25条第2項の表 用途と階に応じた器具の特定
③設置個数の計算 施行令第25条第2項 収容人員から設置個数を計算
④設置免除の条件 施行令第25条第3項・施行規則第26条 免除される建物・条件の識別
⑤消防設備士の業務範囲(5類固有) 消防法第17条の5・施行令第36条 乙5と甲5の業務範囲の区別

テーマ①:設置義務がある防火対象物と階(施行令第25条第1項)

施行令第25条第1項は、避難器具の設置義務がある防火対象物の種類と条件を定めています。設置義務が生じるのは「避難階および11階以上の階を除く階」です。

号数 防火対象物の用途 対象の階 収容人員の基準
第1号 (六)項(病院・診療所・福祉施設・保育所等) 2階以上の階または地階 20人以上(下階条件で10人以上)
第2号 (五)項(ホテル・旅館・共同住宅(3階以上)等) 2階以上の階または地階 30人以上(下階条件で10人以上)
第3号 (一)〜(四)項・(七)〜(十一)項 2階以上(耐火構造2階除く)または地階 50人以上
第4号 (十二)項・(十五)項(工場等) 3階以上の階または地階 無窓階等で100人以上、その他で150人以上
第5号 別表第一全般(3階以上で直通階段2以上ない階) 3階((二)(三)項等は2階)以上 10人以上

出典:消防法施行令第25条第1項(e-Gov法令検索)

試験では「次の建物に避難器具の設置義務はあるか」という形で出題されます。用途・階・収容人員の3つを組み合わせて判断します。よく出る引っかけは「11階以上の階」です。避難器具は11階以上には設置義務がありません(避難階も除かれます)。

テーマ②:適用できる器具の種類(施行令第25条第2項の表)

施行令第25条第2項の表は、防火対象物の用途と階ごとに「どの避難器具を設置できるか」を定めた一覧表です。この表の内容を暗記することが法令類別の得点に直結します。

階 (一)号((六)項等) (二)(三)号((五)項・一般)
地階 避難はしご・避難用タラップ 避難はしご・避難用タラップ
2階 滑り台・避難はしご・救助袋・緩降機・避難橋・避難用タラップ 滑り台・避難はしご・救助袋・緩降機・避難橋・すべり棒・避難ロープ・避難用タラップ
3階 滑り台・救助袋・緩降機・避難橋 滑り台・避難はしご・救助袋・緩降機・避難橋・避難用タラップ
4・5階 滑り台・救助袋・緩降機・避難橋 滑り台・避難はしご・救助袋・緩降機・避難橋
6階以上 滑り台・救助袋・避難橋 滑り台・避難はしご・救助袋・避難橋(一部)

出典:消防法施行令第25条第2項の表

表の中で試験に出やすいポイントは次の3点です。

  • (六)項(病院・福祉施設)の3階以上には避難はしごを設置できない
  • (六)項・(五)項の6階以上には緩降機を設置できない
  • 地階に設置できるのは避難はしごと避難用タラップのみ

テーマ③:設置個数の計算(施行令第25条第2項)

設置個数の計算式は防火対象物の号数によって異なります。

号数 収容人員 設置個数
第1号・第2号・第5号 100人以下 1個以上
第1号・第2号・第5号 101人以上 1個+(収容人員−100)÷100ごとに1個(端数切り上げ)
第3号 200人以下 1個以上
第3号 201人以上 1個+(収容人員−200)÷200ごとに1個
第4号 300人以下 1個以上
第4号 301人以上 1個+(収容人員−300)÷300ごとに1個

計算例:(六)項(第1号)の2階に収容人員320人の場合→ 1個+(320−100)÷100=1個+2.2→端数切り上げで3個

テーマ④:設置免除の条件(施行令第25条第3項・施行規則第26条)

次の条件を満たす防火対象物では、設置義務が生じていても避難器具を設置しないことができます。

  • 建物の位置・構造・設備の状況から避難上支障がないと認められ、消防長(消防署長)が認める場合
  • 施行規則第26条に定める具体的な免除条件(避難が容易な構造・直通階段の条件等)に該当する場合

施行規則第26条に定める主な免除条件は次のとおりです。

  • 直通階段が2以上設けられており、一方が屋外階段または特別避難階段である場合
  • 建物が耐火構造で階段に不燃材料が使われており、直通階段が2以上ある場合
  • 当該階に設置基準を上回る数の直通階段が設けられている場合

テーマ⑤:消防設備士の業務範囲(消防法第17条の5・施行令第36条)

第5類固有の業務範囲は「避難器具(避難はしご・救助袋・緩降機など)の工事・整備・点検」です(施行令第36条第1項)。

  • 乙種第5類:整備・点検のみ(工事は不可)
  • 甲種第5類:工事・設計・整備・点検のすべて

「工事」には新規設置・位置変更・増設が含まれます。既存の避難器具を修理・分解して元の状態に戻す「整備」は乙5でも可能です。ただし避難器具を取り外して別の場所に再設置する場合は「工事」に該当するため甲5が必要です。この区別は法令共通の「工事整備対象設備等」の出題とも関連します。

法令類別の得点戦略

4問しかない法令類別で確実に2問以上取るための戦略を整理します。

  • 施行令第25条の表を完全に覚える:用途×階の組み合わせで使える器具を答えられれば2問は安定して取れます
  • 「○○項の○○階に設置できる器具は何か」の問いをパターンで解く:(六)項の3階以上に避難はしごなし・(六)(五)項の6階以上に緩降機なし・地階はしご+タラップのみ
  • 設置個数の計算式を1つ覚える:第1・2・5号用(100人超で100ごとに1個加算)を軸に、第3号・第4号の倍数を覚える
  • 設置免除は「2以上の直通階段」がキーワード:具体的な条件は深追いせず、概要だけ押さえる

まとめ。施行令第25条の表を暗記することが最優先

法令類別の4問は、施行令第25条の表を覚えることで2〜4問を確実に取れます。表は縦が階(地階・2階・3階・4〜5階・6階以上)、横が用途((六)項・(五)項・その他)の対応関係です。暗記カードや繰り返しの書き取りで表を頭に入れた後、設置個数の計算と設置免除の条件を加えれば法令類別は合格基準を超えられます。

関連記事

この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

ご質問はメールで。電話・面談はしていません。

fufumumu_designをフォローする
資格
fufumumu_designをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました