過酸化水素の性質と取り扱い。濃度・分解・消火方法を乙6試験向けに整理する。

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過酸化水素(化学式:H₂O₂)は第6類危険物(酸化性液体)の一種で、危険等級IIに分類されます。消防法別表第一に定める指定数量は300Lです。消毒液(オキシドール)の主成分として知られますが、危険物として規制されるのは政令で定める濃度(6%)以上のものです。乙6の試験では、分解によって酸素を発生する性質・遮光容器での保管・消火方法が頻出です。

過酸化水素の基本情報

項目 内容
化学式 H₂O₂
危険等級 II
指定数量 300L
外観 無色透明の液体(高濃度は青みを帯びる)
臭い わずかな刺激臭
比重 1.44(水より重い)
融点 -0.43°C
沸点 150.2°C(純粋なH₂O₂の場合)
消火方法 大量の水
保管容器 褐色ガラス瓶(遮光・密栓)

規制対象となる濃度

過酸化水素は濃度によって規制が異なります。危険物として規制されるのは、危険物の規制に関する政令別表第三で「過酸化水素(その含有量が6重量パーセント以上のもの)」と定められています。薬局で販売されるオキシドール(3%水溶液)は危険物には該当しません。

試験では「過酸化水素はすべての濃度で危険物に該当する」という誤り選択肢が問われます。正しくは「政令で定める濃度(6%)以上のもの」が対象です。

過酸化水素の化学的性質

不安定な構造と分解反応

過酸化水素はO-O結合(過酸化物結合)が弱く、条件によって水と酸素に分解します。

2 H₂O₂ → 2 H₂O + O₂

この分解は次の条件で促進されます。

  • 光(特に紫外線)
  • 加熱(温度上昇)
  • 金属イオン(鉄・マンガン・銅等の触媒作用)
  • 不純物の混入(有機物・アルカリ等)

分解すると酸素を発生します。密封容器に保管すると容器内の圧力が上昇するため、容器には小さなガス抜き口(通気孔)を設ける必要があります。

酸化性液体としての反応

過酸化水素は強力な酸化剤で、可燃物・有機物と接触すると燃焼を促進します。高濃度の場合は可燃物への発火を引き起こすことがあります。また、還元性物質(亜塩素酸ナトリウム等)と激しく反応します。

腐食性

高濃度の過酸化水素は皮膚・目・粘膜に対して強い腐食性を持ちます。皮膚に付着すると白変(タンパク質が変性)します。蒸気も有毒です。

過酸化水素の保管方法

  • 遮光容器(褐色ガラス瓶)で保管する(光による分解防止)
  • 容器には通気孔を設ける(分解によるガス発生・圧力上昇防止)
  • 冷暗所で保管する
  • 金属製容器は使用しない(金属イオンが分解触媒になる)
  • 可燃物・有機物と一緒に保管しない
  • アルカリ物質と接触させない(分解が促進される)

過酸化水素の消火方法

過酸化水素の消火には大量の水を使用します。フッ素を含まないため、水系消火が可能です。ただし、少量の水では濃縮されて危険性が高まるため、大量の水で希釈しながら消火します。

泡消火剤・二酸化炭素消火剤の有効性は低く、大量の水による希釈が最も有効です。消火作業時は防護具(防護服・ゴーグル・防毒マスク)を着用します。

試験で問われるポイント

遮光容器(褐色ガラス瓶)で保管する理由

「光(紫外線)によって分解が促進されるため、遮光容器を使用する」という理由と一緒に覚えます。「過酸化水素は透明容器で保管してよい」は誤りです。

密封してはいけない理由

「分解によって酸素が発生するため、密封すると容器内圧力が上昇して破裂する危険がある」という点が出題されます。「容器には通気孔を設ける」が正しい保管方法です。

危険等級がIIである点

過塩素酸は危険等級Iですが、過酸化水素は危険等級IIです。同じ第6類でも危険等級が異なります。

規制濃度の下限(6%)

「過酸化水素はあらゆる濃度で危険物に該当する」は誤りです。政令で定める濃度(6%)以上のものが危険物に該当します。

大量の水で消火できる点

「過酸化水素は水厳禁」は誤りです。フッ素系3品目(三フッ化臭素・五フッ化臭素・五フッ化ヨウ素)だけが水厳禁で、過酸化水素は大量の水で消火します。

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出典:消防法別表第一(危険物の品名・指定数量)、危険物の規制に関する政令別表第三(過酸化水素の濃度規定)。作成日:2026年11月。

この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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