小規模多機能型居宅介護の収入は、登録者数と要介護度で決まる。

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小規模多機能型居宅介護を開業した場合、毎月の収入がどう決まるか、手元で確認したい方はこちらのツールをご利用ください。

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小規模多機能型居宅介護の収入は、「何人の利用者が登録しているか」と「その人たちの要介護度はどれくらいか」で、ほぼ決まります。

通い・訪問・宿泊を1つの事業所で一体的に提供するサービスですが、報酬の仕組みは月額定額制で、利用した回数や日数によって収入が増減するわけではありません。

この記事では、報酬の計算の仕組みと実際の試算の例を、厚生労働省の告示の数字をもとに整理します。

小規模多機能型居宅介護の報酬は「月額定額」で計算する

介護保険の他のサービス(例:訪問介護は1回ごとの料金、通所介護は1日ごとの料金)と違い、小規模多機能型居宅介護の基本報酬は1か月あたりの定額で設定されています。

利用者が月に通いを10回使おうと、20回使おうと、泊まりを何泊しようと、基本報酬の額は変わりません。その分、登録者数さえ一定数いれば収入が安定しやすいという特徴があります。

報酬は利用者1人あたりの月額単位数で設定されており、要介護度によって金額が異なります。

要介護度ごとの月額単位数

令和6年度の報酬改定後の基本報酬は、次のとおりです(地域区分:その他=1単位10円の場合)。

同一建物以外の利用者の場合(通常)

要介護度 月額単位数 月額(目安・その他区分)
要支援1 3,450単位 34,500円
要支援2 6,972単位 69,720円
要介護1 10,458単位 104,580円
要介護2 15,370単位 153,700円
要介護3 22,359単位 223,590円
要介護4 24,677単位 246,770円
要介護5 27,209単位 272,090円

出典:厚生労働省「指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準」(令和6年6月施行)

同一建物の利用者がいる場合(同一建物減算)

事業所と同じ建物に住んでいる利用者については、報酬が減算されます。

要介護度 月額単位数(同一建物)
要支援1 3,109単位
要支援2 6,281単位
要介護1 9,423単位
要介護2 13,849単位
要介護3 20,144単位
要介護4 22,233単位
要介護5 24,516単位

地域区分で単価が変わる

1単位あたりの金額は、事業所の所在地の地域区分によって異なります。人件費の割合が高い小規模多機能型居宅介護は、人件費割合70%のサービスとして設定されています。

令和6年度の地域区分と1単位あたりの金額は次のとおりです。

地域区分 上乗せ割合 1単位の金額(円)
1級地(東京23区など) +20% 11.40円
2級地(東京その他など) +16% 11.12円
3級地(大阪市など) +15% 11.05円
4級地(横浜市など) +12% 10.84円
5級地(名古屋市など) +10% 10.70円
6級地(千葉市など) +6% 10.42円
7級地(福岡市など) +3% 10.21円
その他(多くの地方都市) ±0% 10.00円

出典:厚生労働省「介護給付費単位数等サービスコード表」(令和6年6月版)

例として要介護3の利用者が1人いる場合、地域区分によって次のように金額が変わります。

  • その他(地方):22,359単位 × 10.00円 = 223,590円/月
  • 1級地(東京23区):22,359単位 × 11.40円 = 254,892円/月

同じサービスを提供しても、所在地によって月1人あたり約3万円の差があります。

処遇改善加算で収入が上乗せされる

基本報酬に加えて、介護職員の処遇改善のための加算を算定できます。令和6年6月に、それまでの3種類の加算(介護職員処遇改善加算・特定処遇改善加算・ベースアップ等支援加算)が1本に統合されました。

現在の区分と加算率は次のとおりです。

区分 加算率
処遇改善加算Ⅰ 14.9%
処遇改善加算Ⅱ 14.6%
処遇改善加算Ⅲ 13.4%
処遇改善加算Ⅳ 10.6%

出典:厚生労働省「令和6年度介護報酬改定の主な事項について」(2024年1月)

加算Ⅰを取得している場合、基本報酬に14.9%が加算されます。

例として、要介護3の利用者1人の月額収入に加算Ⅰを足すと:

  • 基本報酬:22,359単位 × 10円 = 223,590円
  • 加算額:223,590円 × 14.9% ≈ 33,315円
  • 合計:約256,905円

処遇改善加算は利用者への直接の支出ではなく、職員の給与として使われます。受け取った加算額を職員の賃金に反映させることが算定の条件です。

登録定員と収入の関係

小規模多機能型居宅介護の登録定員は、省令(指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準)で29人以下と定められています。

これが月額収入の上限を左右する最大の要素です。29人全員が要介護3(かつ加算Ⅰ取得・その他区分)という想定なら、月額収入の上限は次のようになります。

  • 22,359単位 × 10円 × 29人 = 6,484,110円
  • 加算Ⅰ込み:× 1.149 ≈ 7,450,262円

ただし実際には、要介護度の構成はさまざまで、要支援の方や軽度の要介護の方が含まれます。また登録しているすべての方が同月中にサービスを受けているとは限りません。

稼働率が重要になる理由

月額定額とはいえ、登録者が増えなければ収入は増えません。登録定員29人のうち、何人が実際に月額報酬の対象になっているかが、収入の実態を左右します。

開設直後は登録者が少ないため、赤字になりやすい時期があります。損益分岐点は、事業所の規模や職員の配置によって変わりますが、一般的には定員の60〜70%前後の登録率が黒字化の目安とされています。

収入の試算例

実際の収入を、2つの場面で試算してみます(地域区分:その他・加算Ⅰ・全員が同一建物以外の前提)。

試算例1:要介護3が中心・登録25人の場合

要介護度 人数 月額単位 小計
要介護2 5人 15,370 768,500円
要介護3 12人 22,359 2,683,080円
要介護4 5人 24,677 1,233,850円
要介護5 3人 27,209 816,270円
基本報酬合計(25人) 5,501,700円
処遇改善加算Ⅰ込み合計(×1.149) 約6,321,453円

試算例2:軽度が多い・登録22人の場合

要介護度 人数 月額単位 小計
要支援1 3人 3,450 103,500円
要支援2 4人 6,972 278,880円
要介護1 8人 10,458 836,640円
要介護2 7人 15,370 1,075,900円
基本報酬合計(22人) 2,294,920円
処遇改善加算Ⅰ込み合計(×1.149) 約2,636,862円

同じ22〜25人規模でも、要介護度の構成によって月額収入が大きく変わることがわかります。軽度の利用者が多い事業所では、収入が低くなる分、費用(人員配置)も調整が求められます。

収入の計算、実際に試してみる

登録定員・要介護度の構成・地域区分・加算の区分を入力すると、月額収入の試算と3年分の収支推移が確認できます。

数字を入れてすぐに試算できます。無料でご利用いただけます。

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この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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