漏電火災警報器の設置義務がある建物はどこか。消防法施行令第22条をわかりやすく。

漏電火災警報器の設置義務は、消防法施行令第22条に定められています。「どんな建物に設置しなければいけないか」「面積や電路の条件は何か」という点が、試験の法令類別の科目から出題されます。このページでは施行令第22条の内容を、試験対策として必要な範囲で整理します。

設置義務は「ラスモルタル造などの建築物で延べ面積が150m²以上」が基本

消防法施行令第22条によると、漏電火災警報器の設置義務が生じる建物の基本的な条件は次の3つです。

  1. ラスモルタル造その他これに類する構造(電気設備から漏電が起きた場合に火災になりやすい構造)であること
  2. 延べ床面積が150m²以上であること
  3. 引込線の電流容量が50Aを超えること(契約電流容量の要件)

試験では「150m²以上」という数字が直接問われることが多く、「100m²以上」「200m²以上」という選択肢も出るため、「150」という数字を確認しておきます。なお「50Aを超える」という条件も合わせて出題されることがあります。

設置義務が生じる建物の種類は施行令第22条で定められている

施行令第22条は、設置が必要な建物の用途・規模を具体的に定めています。代表的なものとして次のような条件が規定されています(試験では個別の建物の種類よりも「延べ面積の基準」が出題されやすい)。

  • ラスモルタル造その他漏電による火災発生の危険性が高い構造の建物で、延べ床面積150m²以上のもの(第22条第1項)
  • 特定の用途(下宿・共同住宅・旅館・ホテル・複合用途のビルなど)のうち、電気設備の規模が大きいもの(各号に規定)

学習としては「150m²以上」という数字と「ラスモルタル造」という構造名を組み合わせて覚えることが優先です。建物用途の詳細は条文を一度通読しておくと、選択肢の誤りを見抜きやすくなります。

設置が免除される条件:漏洩電流が2A以下の電路

施行令第22条第2項では、設置が免除される条件も定められています。「電路の定格電流の値に応じて定める漏洩電流の上限が2A以下である電路については設置を要しない」という趣旨の規定があります。

「免除条件は漏洩電流2A以下」という部分が試験に出やすいポイントです。「1A以下」「5A以下」は誤りのため注意します。

変流器の設置位置:電路の引込口に最も近い箇所

漏電火災警報器を設置する際の変流器(ZCT)の取付位置は、消防法施行規則第24条の2第1項第4号によって「電路の引込口に最も近い箇所」と定められています。

建物に電気が引き込まれる最初の地点の近くに変流器を設置することで、建物全体の電路から発生する漏洩電流を一か所でまとめて検知できます。設置する側の都合で引込口から離れた場所に設置することはできません。

警戒電路の電圧上限は600V以下

漏電火災警報器を設置できる電路(警戒電路)の電圧の上限は600V以下と定められています(施行規則第24条の2)。これは低圧の電気設備の電圧上限と一致しており、高圧以上の電路(6,600Vなど)には漏電火災警報器による対応が前提にはなっていません。

設置工事の届出:工事開始10日前まで

漏電火災警報器の設置工事(甲種消防設備士が行う)を実施する場合、消防法第17条の14の規定により、工事開始の10日前までに所轄の消防署へ届出を提出する必要があります。

試験では「何日前までか」が問われます。「7日前」「14日前」との混同に注意します。

設置義務の要点をまとめて確認する

項目 内容 根拠
設置義務が生じる延べ床面積 150m²以上 消防法施行令第22条第1項
設置が免除される漏洩電流 2A以下 消防法施行令第22条第2項
変流器の設置位置 電路の引込口に最も近い箇所 施行規則第24条の2第1項第4号
警戒電路の電圧上限 600V以下 施行規則第24条の2
設置工事の届出期限 工事開始10日前まで 消防法第17条の14

設置義務の出題は法令類別の科目から

乙7の筆記は4科目(法令共通・法令類別・電気基礎・構造機能整備)で構成されており、各科目40%以上が合格基準です。施行令第22条が中心となる設置義務の知識は「法令類別」の科目から出題されます。

法令類別は出題数は多くありませんが、科目別の足切りがあるため、施行令・施行規則の基本的な数字(150m²・2A・600V・10日)を落とさないことが重要です。難しい計算問題ではなく、条文の数字を正確に記憶しているかどうかを問う科目なので、繰り返し確認して覚えてしまうのが対策として有効です。


設置義務に関する条文ベースの問題は、「消防設備士 乙種第7類 問題集」の確認問題(38問・法令類別を含む)で練習できます。根拠の条文番号も答えとともに確認できます。

この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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