構造・機能・整備は乙2の筆記試験で9問出題される最多科目です。合格基準は9問中4問以上(40%以上)で、一斉開放弁・プロポーショナー・ポンプ・起動の動作シーケンスが繰り返し問われます。各部品の役割と動作順序を押さえることが、この科目を乗り越える最短ルートです。
作成:fufumumu_design(ふふ)/作成日:2026年10月25日/数字の出典は各表の下に記載しています。
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構造・機能・整備は9問・単一科目で最多
消防法施行規則第33条の12は、乙種第2類の試験科目と問題数を定めています。筆記の内訳は次のとおりです。
| 科目 | 問題数 | 合格基準(足切り) |
|---|---|---|
| 消防関係法令(共通) | 6問 | 6問中3問以上(40%以上) |
| 消防関係法令(類別) | 4問 | 4問中2問以上(40%以上) |
| 基礎的知識(機械) | 5問 | 5問中2問以上(40%以上) |
| 構造・機能・整備(機械) | 9問 | 9問中4問以上(40%以上) |
| 規格省令 | 6問 | 6問中3問以上(40%以上) |
| 鑑別(実技) | 5問 | 実技全体で60%以上 |
出典:消防法施行規則第33条の12(2026年10月時点確認)
9問という問題数は、30問ある筆記の約3割を占めます。1問でも多く正解できれば合否に直結するため、この科目に時間をかけることが合格への近道です。
泡消火設備の構成部品と役割
泡消火設備は複数の部品が連動して動きます。試験では「この部品は何をするか」という問いが直接出題されるため、各部品の名称と役割をセットで覚えることが基本です。
| 構成部品 | 役割 |
|---|---|
| 加圧送水装置(消火ポンプ) | 水に圧力をかけて配管に送り込む |
| 補助ポンプ(圧力維持ポンプ) | 小容量で配管内の圧力を常時維持する。主ポンプの頻繁な起動を防ぐ |
| 流水検知装置(アラームバルブ) | 水が流れ始めたことを検知し、警報を発する |
| 一斉開放弁(デリュージバルブ) | 一斉放出の起点。信号を受けて開き、全ヘッドへ同時に水を送る |
| プロポーショナー(混合器) | 水に泡消火薬剤を一定の比率で混合する |
| 泡消火薬剤貯蔵タンク | 薬剤を貯蔵する容器。プロポーショナーの種類によって加圧有無が異なる |
| フォームヘッド/FWSヘッド | 泡を空間に放出する放出口。フォームヘッドは開放式、FWSヘッドは閉鎖式 |
| 火災感知器 | 火災を検知して起動信号を受信機に送る |
| 制御盤(受信機) | 感知器の信号を受け、電磁弁やポンプを制御する |
出典:消防法施行規則第18条の2(2026年10月時点確認)
試験では「流水検知装置の役割は何か」「補助ポンプはなぜ必要か」といった問いが出ます。各部品を一度に全部覚えようとせず、動作順序と一緒に覚えると定着しやすくなります。
一斉開放弁(デリュージバルブ)の仕組み
一斉開放弁は、泡消火設備の中で最も試験に出やすい部品のひとつです。火災感知器からの信号で電磁弁が開き、その加圧水が一斉開放弁を押し開く仕組みです。
起動には自動と手動の2通りがあります。
| 起動の種類 | 動作の流れ |
|---|---|
| 自動起動 | 火災感知器が作動 → 受信機が信号受信 → 電磁弁(ソレノイド弁)が開く → 一斉開放弁が開放 → 全ヘッドから泡放出 |
| 手動起動 | 手動起動装置(起動弁)を手で操作 → 一斉開放弁が開放 → 全ヘッドから泡放出 |
一斉開放弁が開くと、配管内の水が全ヘッドに届きます。フォームヘッド(開放式)は感熱素子を持たないため、弁が開けば即座に全ヘッドから放出されます。これはスプリンクラーが熱を受けたヘッドのみ開放するのとは根本的に異なる仕組みです。
試験では「一斉開放弁が開く条件」「自動起動の途中にある電磁弁の名称」などが問われます。「ソレノイド弁→一斉開放弁→全ヘッド放出」という順序を確実に覚えてください。
プロポーショナー3種の違いと覚え方
プロポーショナーは、水に泡消火薬剤を混合する装置です。乙2の試験では3種類の名称・混合原理・タンクの種類をセットで問われます。
| 種類 | 混合の原理 | タンクの種類 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| ライン式プレッシャープロポーショナー | ベンチュリー管の負圧で薬剤を吸引 | 大気圧開放タンク | 構造が単純。ただし圧力損失が大きく、長い配管には不向き |
| プレッシャープロポーショナー(バランシングプレッシャー式) | ポンプ吐出圧で加圧された密閉タンクから薬剤を圧送 | 密閉加圧タンク | 配管が長くても安定した混合比を維持できる |
| ポンプ式プロポーショナー(ポンププロポーショナー) | 薬剤専用の小型ポンプでポンプ吸水側に薬剤を注入 | 大気圧開放タンク | 薬剤ポンプの回転数で混合比を調節できる |
出典:消防法施行規則第18条の2(2026年10月時点確認)
覚えるポイントは「タンクが密閉加圧かどうか」です。プレッシャープロポーショナーだけが密閉加圧タンクを使います。ライン式とポンプ式はどちらも大気圧開放タンクです。
プロポーショナーの詳しい構造と鑑別での見分け方は、乙2の鑑別対策・プロポーショナーの仕組みと種類にまとめています。
加圧送水装置(消火ポンプ)の種類と起動条件
消火ポンプは電動機駆動とディーゼルエンジン駆動の2種類があります。どちらも、配管内の圧力が設定値を下回ると圧力スイッチが作動してポンプが自動起動します。
補助ポンプ(圧力維持ポンプ)は主ポンプより小容量で、平常時の配管内圧力を維持する役割を担います。バルブの微小な漏れ等で配管圧力がじわじわ下がっても、補助ポンプが先に起動して圧力を回復します。主ポンプは本当に放水が必要なときだけ起動する設計です。
試験では「補助ポンプの目的は何か」「ポンプが自動起動するきっかけは何か」という問いが出ます。「圧力スイッチが設定圧力以下を検知して起動する」という原則を押さえてください。
自動起動の動作シーケンス(全体の流れ)
泡消火設備が自動で作動するときの動作順序をまとめます。この流れを頭に入れておくと、どの部品の問題が出ても答えられるようになります。
| 順序 | 動作 | 関係する部品 |
|---|---|---|
| 1 | 火災が発生し、熱・煙を検知 | 火災感知器 |
| 2 | 感知器から信号が送られる | 制御盤(受信機) |
| 3 | 受信機が警報を発令し、電磁弁に信号を送る | 制御盤・警報設備 |
| 4 | 電磁弁(ソレノイド弁)が開く | 電磁弁 |
| 5 | 加圧水が一斉開放弁を押し開く | 一斉開放弁(デリュージバルブ) |
| 6 | 配管内の圧力低下を検知してポンプが起動 | 圧力スイッチ・消火ポンプ |
| 7 | 水がプロポーショナーを通り、薬剤と混合される | プロポーショナー・薬剤タンク |
| 8 | 泡水溶液が全ヘッドに達し、泡が放出される | フォームヘッド/FWSヘッド |
「一斉開放弁が開く前に圧力スイッチが働くか、後か」という問いが出ることがあります。正しくは「一斉開放弁が開いて配管内圧力が下がった後に圧力スイッチが作動してポンプが起動する」です。弁が先、ポンプが後、という順序を覚えてください。
整備・点検の種類と乙2でできる業務範囲
乙種第2類の資格があると、泡消火設備の整備と点検ができます。工事(新設・増設・改造)は甲種第2類の資格が必要で、乙2では工事はできません。
点検の種類は消防法施行規則第31条の6で定められています。
| 点検の種類 | 周期 | 内容 |
|---|---|---|
| 機器点検 | 6ヶ月ごと | 外観・機能の確認。実際に放水や放泡は行わない |
| 総合点検 | 1年ごと | 実際に作動させて総合的な機能を確認する |
出典:消防法施行規則第31条の6(2026年10月時点確認)
乙2の整備としてできる業務の例:
- フォームヘッドの詰まり確認・清掃・交換
- プロポーショナーの混合比確認・調整
- 消火ポンプの起動試験(圧力スイッチ・電動機の動作確認)
- 一斉開放弁の分解・清掃・動作確認
- 薬剤タンクの液面確認・薬剤の交換
試験では「乙2でできる業務に工事は含まれるか」「機器点検の周期は何ヶ月か」といった問いが出ます。整備・点検は乙2、工事は甲2という原則を押さえてください。
乙2を取得した後の具体的な業務範囲については、乙2を取ると何の仕事ができるかにまとめています。
まとめ
構造・機能・整備(9問)では、各部品の役割・動作順序・プロポーショナーの3種類・点検の周期が中心的な出題テーマです。「一斉開放弁が開いた後にポンプが起動する」「ライン式は大気圧開放タンク、プレッシャー式は密閉加圧タンク」「機器点検は6ヶ月、総合点検は1年」という3点を軸に整理すると、この科目の9問のうち半分以上は安定して取れるようになります。
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