乙2の鑑別問題では、泡放出口(泡ヘッド)の写真や図を見て「名称を答えよ」「この機器はどこに設置されるか答えよ」という問題が出ます。乙2で覚えるヘッドの種類は、フォームヘッド(FH)・フォームウォータースプリンクラーヘッド(FWSヘッド)・高発泡用泡放出口の3つです。この記事では、それぞれの外見上の特徴・設置場所・施行規則での扱いを整理します。
作成:fufumumu_design(ふふ)/作成日:2026年10月17日/数字の出典は各表の下に記載しています。
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泡ヘッドは3種類、設置場所で使い分ける
泡放出口の選択は、防護対象物の種類と床面の高さで決まります(消防法施行規則第18条の2)。
| 放出口の名称 | 略称 | 方式 | 主な設置場所 |
|---|---|---|---|
| フォームヘッド | FH | 開放式(感熱素子なし) | 回転翼航空機格納庫・道路・屋内駐車場 |
| フォームウォータースプリンクラーヘッド | FWSヘッド | 閉鎖式(感熱素子あり) | 飛行機(固定翼)格納庫 |
| 高発泡用泡放出口 | (略称なし) | 全域放出(高発泡・床高5m超) | 床の高さが5mを超える防護区画 |
出典:消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号)第18条の2(2026年10月17日に確認)
「飛行機(プロペラ機・ジェット機などの固定翼航空機)の格納庫→FWSヘッド」「回転翼航空機(ヘリコプター)の格納庫・駐車場・道路→フォームヘッド」という対応を最初に押さえておくと、鑑別問題の選択肢を絞りやすくなります。
フォームヘッド(FH)の特徴
フォームヘッドは開放式のヘッドです。感熱素子を持たず、通常は常に開口部が開いた状態になっています。火災発生時は、系統の末端に設置された一斉開放弁(デリュージ弁)が起動することで、その系統のすべてのフォームヘッドから同時に泡が放出されます。
外見の特徴として覚えるポイントは次の3点です。
- 開口部が常時開いている(ガラス球や可溶片のような感熱素子がない)
- 放射口が複数の小孔で構成された「ロゼット状(花びら状)」の拡散板を持つものが多い
- 下方への泡の放射を意図した形状(天井から床面へ向けて放射)
試験の鑑別問題では、FWSヘッドと並べた2枚の写真から「どちらがFHか」「どちらが閉鎖式か」という問い方をされることがあります。感熱素子(ガラス球)の有無が最も明確な識別ポイントです。
フォームヘッドの設置基準(施行規則第18条の2第4号・第5号)
| 基準の種類 | 数値 | 根拠条文 |
|---|---|---|
| 1個のヘッドがカバーする面積 | 9m²につき1個以上 | 施行規則第18条の2第4号 |
| 放射区域の範囲(通常の場所) | 50m²以上100m²以下 | 施行規則第18条の2第5号 |
| 放射区域の範囲(道路・屋内駐車場) | 80m²以上160m²以下 | 施行規則第18条の2第5号 |
出典:消防法施行規則第18条の2第4号・第5号(2026年10月17日に確認)
「9m²につき1個以上」という基準は、FWSヘッド(8m²につき1個以上)より面積が広い(1個あたりの担当面積が大きい)点が区別のポイントです。放射区域の上限(100m²・160m²)と下限(50m²・80m²)は両方セットで覚えます。
フォームウォータースプリンクラーヘッド(FWSヘッド)の特徴
FWSヘッドは閉鎖式のヘッドです。ヘッドの先端にガラス球(または可溶合金製の可溶片)が付いており、周囲温度が設定温度(72℃など)に達すると感熱素子が破裂・溶融して放射が始まります。一斉開放弁は不要で、熱を受けたヘッドだけが個別に開放します。
名前に「ウォータースプリンクラー」とあるのは、水と泡の両方を放射できる構造を持つためです。泡消火薬剤(AFFF・たん白・合成のいずれか)が混合された水溶液がヘッドを通過するときに、ヘッド内部の構造(デフレクターや発泡体)で泡が生成され、防護対象物(航空機)に放射されます。
外見の特徴として覚えるポイントは次の3点です。
- 感熱素子(ガラス球・赤/橙/黄などの色が設定温度を表す)が付いている
- デフレクター(拡散板)がスプリンクラーヘッドに似た形状だが、泡の拡散のために幅が広いタイプが多い
- 飛行機格納庫専用という用途の特異性
FWSヘッドの設置基準(施行規則第18条の2第4号)
| 基準の種類 | 数値 | 根拠条文 |
|---|---|---|
| 1個のヘッドがカバーする面積 | 8m²につき1個以上 | 施行規則第18条の2第4号 |
出典:消防法施行規則第18条の2第4号(2026年10月17日に確認)
フォームヘッド(9m²)よりも設置密度が高い(8m²に1個)のは、飛行機格納庫という高リスク用途を想定しているためです。
FHとFWSヘッドの比較まとめ
| 項目 | フォームヘッド(FH) | FWSヘッド |
|---|---|---|
| 開放・閉鎖の区別 | 開放式(常時開) | 閉鎖式(感熱素子あり) |
| 感熱素子 | なし | あり(ガラス球等) |
| 起動方式 | 一斉開放弁(デリュージ弁) | 個別感熱開放 |
| 設置場所 | 回転翼航空機格納庫・駐車場・道路 | 飛行機(固定翼)格納庫のみ |
| 1個当たり面積 | 9m²以上につき1個 | 8m²以上につき1個 |
出典:消防法施行規則第18条の2(2026年10月17日に確認)
高発泡用泡放出口
床面の高さが5mを超える防護区画(大型格納庫など)には、高発泡用泡放出口による全域放出方式が必要です(施行規則第18条の2)。
高発泡用泡放出口は、500倍〜1000倍(第三種)の膨脹率の泡を大量に発生させ、防護区画全体を泡で満たして消火します。フォームヘッドやFWSヘッドとは形状が全く異なり、送風機(ブロワー)付きの大型発泡器具です。
| 基準の種類 | 数値・条件 | 根拠条文 |
|---|---|---|
| 全域放出が必要な場所 | 床面の高さが5mを超えるもの | 施行規則第18条の2 |
| 冠泡高さ | 防護対象物の最高位より0.5m以上の高さ | 施行規則第18条の2 |
| 放出口の数 | 床面積500m²ごとに1個以上 | 施行規則第18条の2 |
| 使用できる発泡倍率 | 高発泡(第一種80〜250倍・第二種250〜500倍・第三種500〜1000倍) | 施行規則第18条の2第1号 |
出典:消防法施行規則第18条の2(2026年10月17日に確認)
「冠泡高さ=防護対象物の最高位+0.5m」という基準は数字として出題されます。「0.5m以上」と「0.5m以下」の誤りの選択肢に注意します。
鑑別問題の練習ポイント
鑑別問題は配点が1問20点(鑑別5問×20点=100点満点中の一部)で、筆記とは別に60%以上の正解が必要です。乙2の鑑別の出題傾向として特に多いのは次の2種類です。
①ヘッドの名称を答える問題:写真や断面図から「これはフォームヘッドか、FWSヘッドか、高発泡用泡放出口か」を答える。感熱素子の有無・形状の違いを視覚的に記憶することが有効です。
②設置場所の組み合わせを答える問題:「この設置場所に適切なヘッドはどれか」という選択問題。飛行機格納庫→FWSヘッド・その他→フォームヘッドという対応を、問題を通じて繰り返すことで定着します。
プロポーショナー(混合装置)の種類についても鑑別で出ることがあります。プロポーショナーの3種類は乙2の鑑別対策(プロポーショナーの仕組みと種類)にまとめています。
まとめ
泡ヘッドの鑑別は、感熱素子の有無(FHとFWSヘッドの最大の違い)、設置場所の対応(飛行機格納庫→FWSヘッド・それ以外→FH)、高発泡用は床高5m超の専用、という3点を軸に理解します。施行規則第18条の2の数字(9m²・8m²・5m・0.5m・500m²)は、問題を解く中で自然に定着させるのが効率的です。
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