自動火災報知設備の配線系統図の読み方。共通線の7回路制限と終端抵抗の位置を整理する。

自動火災報知設備の配線系統図の読み方。共通線の7回路制限と終端抵抗の位置を整理する。 資格
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消防設備士4類の製図試験では、自動火災報知設備の配線系統図を描いたり読み取ったりする問題が出ます。系統図が読めるようになると、配線本数の計算・共通線の扱い・終端抵抗の位置が一気に整理できます。この記事では系統図の構造を基礎から順番に解説します。

配線系統図とは何か

配線系統図とは、建物内のどこに感知器・発信機・地区音響装置・受信機が設置されていて、それぞれがどのような配線でつながっているかを示した図です。平面図(感知器の設置位置を示す図)と並んで、製図試験で必ず出てくる形式です。

系統図で確認できる主な情報は次のとおりです。

  • 受信機から各警戒区域への回路の流れ
  • 感知器・発信機・地区音響装置の接続順序
  • 共通線と電圧線の本数
  • 終端器(終端抵抗)の位置
  • 配線の本数(往復で数える)

系統図を正確に描くには、P型受信機の配線規則を理解しておく必要があります。特に重要なのが「共通線は7回路ごとに1本」「送り配線で最末端に終端器」の2点です。

P型1級系統図の基本構造

P型1級受信機を使った系統図の基本的な構造を確認します。受信機から出る配線は、大きく次の3系統に分けられます。

配線の種類 役割 本数の考え方
電圧線(信号線) 各警戒区域ごとに感知器・発信機と接続する線 警戒区域の数だけ必要
共通線 複数の警戒区域が共用するリターン線 7警戒区域ごとに1本
電源線 地区音響装置・発信機の表示灯への供給線 往復2本

受信機から出た電圧線は、各警戒区域の感知器回路につながり、終端器で折り返します。共通線は複数の警戒区域が共用するため、1本で最大7回路をまとめることができます。

共通線の7回路制限

消防法施行規則第24条第1号ヘは、P型1級・GP型1級受信機の共通線について「7警戒区域以下ごとに1本」と定めています。これは試験でも実務でも最重要の規定のひとつです。

7回路以内のとき

警戒区域が7以下の建物では、共通線は1本で足ります。受信機から出る配線は「電圧線7本+共通線1本=8本」が基本形です(電源線・音響線は別に計算)。

8回路目が生じるとき

警戒区域が8以上になると、共通線を2本に増やす必要があります。たとえば10警戒区域の建物では「1本目の共通線で7回路・2本目の共通線で3回路」というように分けます。

警戒区域の数 必要な共通線の本数 各共通線に割り当てる回路数
1〜7 1本 1〜7回路
8〜14 2本 7回路+1〜7回路
15〜21 3本 7回路+7回路+1〜7回路

試験では「警戒区域が何回路のとき共通線を何本にするか」を計算させる問題が出ます。「7で割り切れない場合は切り上げ」という考え方で対応できます。

共通線を超えた場合の系統図の変化

共通線が2本になると、系統図の中で「どの警戒区域がどちらの共通線に割り当てられているか」を明示する必要があります。製図問題では8回路以上の構成が出題されることがあり、共通線の分割が正確に描けているかが採点のポイントになります。

終端抵抗の位置と断線検出の仕組み

消防法施行規則第24条第1号トは、感知器回路の断線を検出するために「送り配線とし、末端に終端器を設けること」を義務付けています。

終端器を最末端に置く理由

終端器(終端抵抗)は、感知器回路の電気的な終端として機能します。受信機は常時、終端器を通した微弱電流(監視電流)が流れているかを確認しています。配線が途中で断線すると監視電流が流れなくなり、受信機が断線を検出して「断線警報」を出します。

終端器を最末端(回路の一番遠い感知器の次)に置かないと、終端器より先の配線が断線しても検出できなくなります。これが「終端器は必ず最末端」というルールの理由です。

系統図での記号と描き方

系統図では、終端器は小さな四角形(□)または「T」の記号で表します。送り配線の流れは次のようになります。

  • 受信機 → 感知器1 → 感知器2 → 感知器3 → 終端器
  • 感知器はすべて直列(送り配線)でつなぐ
  • 終端器は最後の感知器の次に設置
  • 配線は終端器で終わり、ループしない

送り配線の意味とループが禁止される理由

送り配線とは、感知器を一方向に直列でつないでいく配線方式です。受信機から出発して感知器を順番につなぎ、最末端の終端器で終わります。

ループさせてはいけない理由

配線をループ状(環状)にすると、断線が起きても断線箇所の両側から電流が流れるため、断線を検出できなくなります。消防設備は「断線が起きたことを確実に検出する」ことが安全上の要件であるため、ループ配線は禁止されています。

配線方式 断線検出 P型1級での使用
送り配線(直列・終端器あり) できる 義務
ループ配線(環状・終端器なし) できない 禁止

系統図から配線本数を読み取る手順

系統図をもとに配線本数を求める問題も出題されます。手順は次のとおりです。

  1. 警戒区域の数を数える(電圧線の本数=警戒区域の数)
  2. 共通線の本数を計算する(警戒区域の数÷7、切り上げ)
  3. 電圧線+共通線の合計本数を出す
  4. 電源線・音響線を加える(往復2本ずつ)
  5. 幹線部分の配線本数を合計する

たとえば警戒区域が5回路の場合、電圧線5本+共通線1本=6本が感知器回路の配線本数(往復分)の基本形です。これに地区音響の2本・発信機の応答線・電話線などを加えると製図試験の回答になります。

試験での出題パターン

系統図に関する出題は、主に次の4パターンです。

出題パターン 問われる内容 対策のポイント
終端器の位置 「終端器を設ける場所として正しいものはどれか」 最末端(最遠端の感知器の次)と即答できるようにする
共通線の本数 「共通線を2本にする必要があるのは何警戒区域以上か」 8回路以上で2本・答えは「8回路」または「8警戒区域以上」
配線本数の計算 「受信機から第1警戒区域までの配線本数はいくつか」 電圧線+共通線+電源線+音響線を区別して計算する
送り配線の説明 「送り配線にする目的として正しいものはどれか」 「断線を検出するため」が正解

まとめ

配線系統図を読むうえで押さえるべき核心は3点です。

  • 共通線1本で担当できるのは7警戒区域以下(根拠:施行規則第24条第1号ヘ)
  • 終端器は感知器回路の最末端に置く(根拠:施行規則第24条第1号ト)
  • 送り配線にする理由は断線検出のため(ループ配線は禁止)

この3点を軸に系統図の構造を覚えると、配線本数の計算・製図の描き方・穴埋め問題がまとめて解けるようになります。消防設備士4類 AI問題集では系統図・配線本数の計算問題も出題しています。ぜひ繰り返し解いて定着させてください。

関連記事:受信機からの配線本数計算 / 製図問題の手順と対策 / P型受信機の規格(1級・2級・3級)

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この記事を書いた人

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