第2類危険物の物理化学(物化)科目では、各物質の燃焼反応式・水との反応式が出題されます。硫黄の燃焼(S+O₂→SO₂)・マグネシウムと水の反応(Mg+2H₂O→Mg(OH)₂+H₂)・硫化水素の発生(硫化りん+水)など、反応式をそのまま選択肢として出す問題が多いです。本記事では第2類の主要反応式を一覧で整理します。
燃焼反応式(酸素との反応)
第2類危険物が燃焼したときの反応式と生成物をまとめます。生成物の特徴(色・毒性・物理的性質)とセットで覚えることが重要です。
| 物質 | 燃焼反応式 | 生成物の特徴 |
|---|---|---|
| 硫化りん(三硫化四りん P₄S₃) | P₄S₃ + 8O₂ → P₄O₁₀ + 3SO₂ | SO₂(有毒・刺激臭)とP₄O₁₀(白煙・吸湿性) |
| 赤りん(P) | 4P + 5O₂ → 2P₂O₅ | P₂O₅(白煙・強い吸湿性) |
| 硫黄(S) | S + O₂ → SO₂ | SO₂(有毒・刺激臭・酸性)・青紫色の炎 |
| 鉄粉(Fe)高温燃焼 | 3Fe + 2O₂ → Fe₃O₄ | Fe₃O₄(四酸化三鉄・黒色) |
| アルミニウム粉(Al) | 4Al + 3O₂ → 2Al₂O₃ | Al₂O₃(白色・非常に高温) |
| マグネシウム(Mg) | 2Mg + O₂ → 2MgO | MgO(白色・強烈な白光・3,100℃) |
出典:無機化学の標準反応式(消防法施行規則別表)。
水との反応式(禁水性物質)
禁水性を持つ第2類危険物が水と接触したときの反応式をまとめます。すべて水素ガス(H₂)または硫化水素(H₂S)が発生します。
| 物質 | 水との反応式 | 発生ガス |
|---|---|---|
| 硫化りん(三硫化四りん P₄S₃) | P₄S₃ + 6H₂O → 3H₂S + H₃PO₃(亜リン酸)など | H₂S(硫化水素・有毒・卵臭) |
| 鉄粉(Fe)高温の水蒸気と | 3Fe + 4H₂O → Fe₃O₄ + 4H₂↑ | H₂(水素・可燃性) |
| アルミニウム粉(Al) | 2Al + 6H₂O → 2Al(OH)₃ + 3H₂↑ | H₂(水素・可燃性) |
| マグネシウム(Mg) | Mg + 2H₂O → Mg(OH)₂ + H₂↑ | H₂(水素・可燃性) |
酸との反応式
第2類の金属系危険物は酸とも反応してH₂を発生します。禁水性物質は酸とも接触させてはいけません。
| 物質 | 酸との反応式(例:塩酸) | 発生物 |
|---|---|---|
| 鉄粉(Fe) | Fe + 2HCl → FeCl₂ + H₂↑ | 塩化鉄(II)とH₂ |
| アルミニウム粉(Al) | 2Al + 6HCl → 2AlCl₃ + 3H₂↑ | 塩化アルミニウムとH₂ |
| アルミニウム粉(Al)+強アルカリ | 2Al + 2NaOH + 2H₂O → 2NaAlO₂ + 3H₂↑ | メタアルミン酸ナトリウムとH₂ |
| マグネシウム(Mg) | Mg + 2HCl → MgCl₂ + H₂↑ | 塩化マグネシウムとH₂ |
アルミニウムはアルカリにも反応する「両性金属」であり、強アルカリとの接触も禁忌です。
テルミット反応(金属粉の特殊反応)
アルミニウム粉と金属酸化物の混合物が激しく反応する「テルミット反応」は物化科目で出題されることがあります。
- 反応式(鉄テルミット):2Al + Fe₂O₃ → Al₂O₃ + 2Fe + 大量の熱
- 反応温度:約3,000℃以上(鉄が溶融する温度を超える)。
- 用途:溶接・金属製造・溶接棒。
- 消火:乾燥砂のみ(水では消火不能)。
SO₂(二酸化硫黄)の性質
硫黄・硫化りんの燃焼で発生するSO₂は物化科目でよく問われます。
- SO₂の化学式:二酸化硫黄(sulfur dioxide)。
- 溶解性:水に溶けて亜硫酸(H₂SO₃)になる(酸性)。
- SO₂+H₂O → H₂SO₃(亜硫酸)。
- 毒性:刺激臭・有毒ガス。高濃度では気道障害を起こす。
- 環境影響:酸性雨の原因物質の一つ。
- 硫黄の燃焼での炎の色:青紫色。
H₂S(硫化水素)の性質
硫化りんと水の反応で発生するH₂Sも物化科目の頻出事項です。
- 化学式:硫化水素(hydrogen sulfide)。
- 臭い:腐卵臭(卵が腐ったような臭い)。非常に特徴的。
- 毒性:猛毒。100ppm以上で即座に危険。可燃性ガスでもある(爆発限界4〜44%)。
- 燃焼:2H₂S + 3O₂ → 2SO₂ + 2H₂O(SO₂が生成される)。
- 水に溶けると弱酸性を示す。
P₂O₅(五酸化二りん)の性質
赤りん・硫化りんの燃焼で発生するP₂O₅は強い吸湿性を持ちます。
- 白色の粉末・非常に強い吸湿性。乾燥剤として工業的に使用される。
- P₂O₅ + 3H₂O → 2H₃PO₄(リン酸に変化)。
- 水と反応して発熱する。
- 燃焼中は白煙が立ち上がる(可視化される)。
乙2試験での化学反応式の出題パターン
| 問われる内容 | 答え |
|---|---|
| 硫黄の燃焼反応式 | S + O₂ → SO₂ |
| マグネシウムの燃焼反応式 | 2Mg + O₂ → 2MgO |
| マグネシウムと水の反応式 | Mg + 2H₂O → Mg(OH)₂ + H₂↑ |
| アルミニウム粉と水の反応式 | 2Al + 6H₂O → 2Al(OH)₃ + 3H₂↑ |
| 硫黄の燃焼生成物の毒性 | SO₂(有毒・刺激臭) |
| テルミット反応の生成物 | Al₂O₃と溶融した鉄(Fe) |
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