居宅介護支援と介護予防・総合事業の関係。要支援者の担当と引き継ぎのポイント。

居宅介護支援と介護予防・総合事業の関係。要支援者の担当と引き継ぎのポイント。 介護

介護予防・日常生活支援総合事業(以下「総合事業」)は、要支援1・2と事業対象者を対象に市区町村が実施するサービスです。居宅介護支援事業所は総合事業の対象となる利用者のケアマネジメントには直接関わりません。ただし、要支援者のケアプランは地域包括支援センターが担うため、要支援者が要介護に移行した場合などに居宅介護支援事業所への引き継ぎが生じます。この記事では居宅介護支援と介護予防・総合事業の関係を整理します。

総合事業の対象者と居宅介護支援の関係

介護保険の被保険者は要介護認定の結果によって受けられるサービスが異なります。

要介護度別のケアマネジメント担当機関
状態 ケアマネジメントの担当 主なサービス
要介護1〜5 居宅介護支援事業所(ケアマネ事務所) 訪問介護・通所介護・短期入所等の居宅サービス
要支援1・2 地域包括支援センター(または委託を受けた居宅介護支援事業所) 介護予防サービス(介護予防訪問介護等)または総合事業
事業対象者(チェックリスト該当) 地域包括支援センター(または委託) 総合事業のサービスのみ

居宅介護支援事業所が介護予防ケアマネジメントを受託するケース

地域包括支援センターは、要支援者・事業対象者のケアマネジメント業務(介護予防ケアマネジメント)の一部を居宅介護支援事業所に委託することができます。委託を受けた居宅介護支援事業所は、要支援者のケアプランを作成・管理します。この委託業務を「介護予防支援」と呼びます。

ただし、介護予防支援を行うには、指定介護予防支援事業所としての指定(市区町村から)が別途必要です(令和6年改定で居宅介護支援事業所も指定を受けられるように変更)。

令和6年改定:介護予防支援の指定が居宅介護支援事業所でも可能に

令和6年4月改定から、介護予防支援事業所の指定は地域包括支援センターだけでなく、居宅介護支援事業所も申請できるようになりました。居宅介護支援事業所が介護予防支援の指定を取得することで、要支援者のケアマネジメントを地域包括支援センターからの委託ではなく直接受けられます。

令和6年改定前後の介護予防支援の指定
改定前(令和5年以前) 改定後(令和6年4月〜)
介護予防支援の指定は地域包括支援センターのみ。居宅介護支援事業所は委託でのみ実施可能 居宅介護支援事業所も介護予防支援事業所の指定を取得できる。直接、要支援者のケアプランを担える

要支援者が要介護になった場合:引き継ぎのポイント

要支援1・2の利用者が区分変更または更新認定で要介護1以上になった場合、ケアマネジメントの担当が地域包括支援センターから居宅介護支援事業所に移行します。この移行時のスムーズな引き継ぎが求められます。

  • 利用者・家族が担当の居宅介護支援事業所を選べるよう、複数の事業所の情報を提供する
  • 地域包括支援センターは、引き継ぎ元として利用者の情報(アセスメント・サービス利用状況・主治医情報)を居宅介護支援事業所に提供する
  • 居宅介護支援事業所は、引き継ぎを受けたら速やかに初回アセスメント・ケアプランの作成を行う

総合事業のサービスをケアプランに位置付ける場合

要介護者のケアプランには、居宅サービスに加えて総合事業のサービス(住民主体サービス・通所型サービスB等)を位置付けることが可能です。総合事業のサービスは介護給付費の対象外であることを利用者に説明した上で、利用者の意向に応じてケアプランに組み込みます。

総合事業のサービス内容・利用手続きは市区町村によって異なるため、事業所所在地の市区町村の担当窓口で最新の情報を確認してください。

居宅介護支援事業所の開業と3年間の収支変化の試算は、居宅介護支援事業所(ケアマネ事務所)収支シミュレーターで確認できます。

参考・出典

  • 介護保険法(平成9年法律第123号)第115条の45の2(地域支援事業・総合事業)
  • 介護予防・日常生活支援総合事業ガイドライン(厚生労働省)
  • 令和6年度介護報酬改定の概要(厚生労働省・2024年1月)

この記事は2026年11月時点の情報に基づいています。総合事業の内容は市区町村によって異なるため、詳細は事業所所在地の市区町村に確認してください。

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この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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