居宅介護支援のケアマネジメントの流れは、省令(平成11年厚生省令第38号)の第13条に具体的なプロセスが定められています。ケアプランを作ればいいというだけでなく、アセスメントからサービス担当者会議・モニタリングまでの各ステップについて、「誰に・何を・いつ」行うかが規定されています。
この記事では、省令第13条が定める居宅介護支援のプロセス全体の流れと、各ステップで行うべき業務・頻度の要件を整理します。
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居宅介護支援の8つのプロセスステップ
省令第13条が定める居宅介護支援のプロセスは、大きく次の8ステップで構成されています。
| ステップ | 名称 | 根拠条項(省令第13条) |
|---|---|---|
| 1 | 課題分析(アセスメント)の実施 | 第1号・第2号 |
| 2 | 居宅サービス計画原案(ケアプラン原案)の作成 | 第3号・第4号 |
| 3 | サービス担当者会議の開催 | 第9号 |
| 4 | 居宅サービス計画(ケアプラン)の確定・説明・同意・交付 | 第10号・第11号・第12号 |
| 5 | サービスの開始と事業者への連絡 | 第13号 |
| 6 | モニタリング(給付管理・状況確認) | 第14号 |
| 7 | 再アセスメントの実施 | (第1号・第2号に戻る) |
| 8 | ケアプランの変更・終了 | 各号の対応する規定による |
これらのステップは、最初の1回だけで完結するものではありません。モニタリングを行い、状況が変わればアセスメントから再開するという繰り返しの構造になっています。
ステップ1:課題分析(アセスメント)
ケアプランを作成する前には、利用者の心身の状況・生活環境・利用者本人と家族の希望などを把握するためのアセスメントを行う必要があります(省令第13条第1号・第2号)。
アセスメントで押さえるべきポイントとして、省令が求める事項の中には次のものが含まれます。
- 利用者本人・家族に直接面接して行うこと(第2号)
- 生活全般の解決すべき課題(ニーズ)を把握すること(第1号)
アセスメントは、書類の確認や電話だけでは要件を満たしません。利用者の居宅を訪問して直接面接することが必要です。
課題分析に使う様式については、国が示した課題分析標準項目(23項目)を含むツールを使うことが求められます。様式そのものは事業所が選択できますが、標準項目を網羅していることが条件です。
ステップ2:居宅サービス計画原案の作成
アセスメントをもとに、ケアプランの原案を作成します(省令第13条第3号・第4号)。
原案の記載事項として、省令は次のような事項を含むことを求めています。
- 利用者・家族の生活に対する意向(目標)
- 総合的な援助の方針
- 生活全般の解決すべき課題
- 提供されるサービスの目標・内容・期間
- サービス種別・サービス担当者(事業所名)
- 週間サービス計画(第4号):週単位の生活スケジュールを記載するシート
ケアプランは第1表から第7表まで様式が定められており(国で標準様式を示している)、原案では特に第1表(居宅サービス計画書(1))・第2表(居宅サービス計画書(2))・第3表(週間サービス計画表)が中心になります。
ステップ3:サービス担当者会議の開催
ケアプラン原案を確定させる前に、担当するサービス事業者・医師等の専門家を集めてサービス担当者会議を開催することが求められています(省令第13条第9号)。
サービス担当者会議の目的は、専門的な見地からの意見を得てケアプランの精度を上げること、および関係者が利用者の状況・支援の方向性を共有することです。
| タイミング | 内容 |
|---|---|
| 新規のケアプラン作成時 | 原則として担当者を集めて開催する |
| 要介護度が変わった時 | 区分変更・更新認定の結果が出た時点でケアプランを見直す際に開催 |
| サービス内容の変更時 | 利用しているサービスに大きな変更がある場合 |
| 利用者の状況が大きく変わった時 | 入院・退院・病状の変化など |
担当者全員を一堂に集めることが原則ですが、やむを得ない理由がある場合は担当者への照会(文書・電話・FAX等)で代替することも認められています。ただし代替した場合はその理由と内容を記録に残す必要があります。
ステップ4:ケアプランの確定・説明・同意・交付
サービス担当者会議を経て原案をケアプランとして確定した後、利用者・家族に内容を説明し、利用者本人から文書で同意を得ることが必要です(省令第13条第11号)。同意を得たケアプランは、利用者・家族・各サービス事業者に交付します(第12号)。
ステップ5:サービス開始と事業者への連絡
ケアプランが確定し利用者の同意が得られたら、各サービス事業者に対してケアプランの内容に基づいてサービス提供を依頼します(省令第13条第13号)。事業者には、ケアプランの写しを交付することが求められます。
ステップ6:モニタリング
ケアマネジメントの中で最も継続的に発生する業務がモニタリングです(省令第13条第14号)。
モニタリングに関する省令の主な要件は次のとおりです。
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| 頻度 | 少なくとも1か月に1回、モニタリングの結果を記録することが求められる |
| 面接・訪問 | 少なくとも1か月に1回、利用者の居宅を訪問して利用者に面接することが原則(省令第13条第14号) |
| 事業者との連絡 | サービス提供状況について、必要に応じて事業者と連絡・調整を行う |
モニタリングでは、サービスが計画どおりに提供されているか、利用者の状況・意向に変化はないか、新たな課題が生じていないかを確認します。
ひとりケアマネ事務所では、担当件数が増えるに従ってモニタリングの訪問が物理的に集中することがあります。訪問スケジュールの管理と記録の整備は、監査・運営指導でもチェックされる事項のひとつです。
ステップ7:再アセスメントと計画の変更
モニタリングで利用者の状況に変化があると判断した場合や、要介護度の更新・区分変更があった場合には、再アセスメントを行いケアプランを見直します。
更新認定の時期(原則2年ごと・短期認定の場合は1年以内)は、ケアプランの見直しが集中するタイミングです。更新のタイミングでは再度サービス担当者会議を開催するか、または照会で対応するかを判断する必要があります。
給付管理業務(国保連への請求)との関係
モニタリングを毎月行うことは、介護給付費の給付管理業務とも結びついています。居宅介護支援事業所は、利用者が受けた各サービスの提供実績をまとめた「給付管理票」を作成し、国保連(国民健康保険団体連合会)に毎月請求します。
給付管理の基準月が毎月末であるため、月末までにモニタリング記録を整備し、翌月の10日までに国保連への請求を行うサイクルになっています。
まとめ
居宅介護支援のプロセスは、アセスメント→ケアプラン原案作成→サービス担当者会議→ケアプラン確定・同意・交付→サービス開始→モニタリング(原則月1回)→再アセスメントという流れになっています(省令第13条)。
モニタリングは毎月の訪問と記録が求められる継続業務です。担当件数に比例してモニタリングの量が増えるため、開業後の月次業務の最大の量を占める業務でもあります。
出典:指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第38号)第13条
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