GH包括型の「その他費用」25.9%(1,034万円)の内訳と費用管理のポイント

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厚生労働省「令和7年障害福祁サービス等経営概況調査結果」(令和6年度決算)によると、グループホーム包括型(GH包括型)の「その他費用」は10,341千円(約1,034万円)です。収入3,990万円に対して25.9%という比率は7サービス中で最も高い水準です。

GH包括型の費用内訳(全国平均)

費用項目 金額(千円) 収入比率 費用比率
人件費 24,602千円 61.7% 66.2%
その他費用 10,341千円 25.9% 27.8%
減価償却費 1,467千円 3.7% 3.9%
外注費・委託費 742千円 1.9% 2.0%
費用合計 37,152千円 93.1% 100%
収支差額 2,749千円 6.9% −

費用の27.8%が「その他費用」で、人件費(66.2%)に次ぐ第2の費用項目です。GH包括型のその他費用が高い理由は、居住型サービスとしての住居運営コストが大きいためです。

「その他費用」の主な内訳

GH包括型の「その他費用」1,034万円には次の費目が含まれます(概算)。

家賃・賃借料(最大の費目):GHは「住まい」を提供するため、建物の賃借料が発生します。賃貸型のGHでは、月25〜50万円程度の家賃が毎月かかります。年間家賃が300〜600万円の場合、その他費用の多くをこれが占めます。建物を法人所有している場合は家賃は発生しませんが、減価償却費として計上されます。

食費・日用品費(利用者負担除く):GHは入居者の食事を提供する場合、食材費が発生します。利用者から徴収する食費負担分を差し引いた「事業者負担分」が費用として計上されます。定員16人で利用者から月1〜2万円程度の食費負担があっても、食材費全体の補填が必要な場合があります。

水道光熱費:居住施設のため、24時間365日の光熱費が発生します。定員16人規模なら年間100〜200万円程度になります。

修繕費・消耗品費:入居者が生活する施設の修繕(壁・床・設備等)・日常的な消耗品の補充が継続的に発生します。

管理費・一般管理費:法人本部からの管理費配分(法人運営費等の按分)が計上されます。

7サービスのその他費用率の比較

サービス その他費用(千円) 収入比率
GH包括型 10,341千円 25.9%
就労移行支援 7,026千円 24.4%
放デイ 7,081千円 22.8%
GH日中型 12,971千円 22.3%
短期入所 1,803千円 20.5%
児発 4,177千円 18.9%
生活介護 13,616千円 17.2%

GH包括型(25.9%)と就労移行支援(24.4%)は特にその他費用率が高い。GH日中型は絶対額(12,971千円)が最大ですが、収入も大きいため比率は22.3%にとどまります。

GH包括型のその他費用が高い構造的理由

GH包括型の特徴として、「入所型でありながら収入規模が比較的小さい(平均3,990万円)」という点があります。GH日中型(5,803万円)や生活介護(7,939万円)と比べると収入規模が小さいため、同じ住居運営コスト(家賃・光熱費等)を負担しても、収入比率では高く見えます。

つまり「その他費用の絶対額は大きくないが、収入規模に対して高い比率になっている」という状態です。

就労移行支援の「その他費用」24.4%との比較

就労移行支援の「その他費用」は7,026千円(収入比24.4%)で、GH包括型(25.9%)に次いで高い水準です。就労移行支援の「その他費用」が高い理由はGHとは異なります。

就労移行支援のその他費用は家賃(事業所の賃借料)・光熱費・就労移行プログラム用の備品(パソコン等)・求職活動補助(交通費等)が主な費目です。GH包括型が「居住費・生活費用」が中心なのに対し、就労移行支援は「事業所の運営費・訓練用設備費」が中心です。

このように、同じ「その他費用率20〜26%」でも、サービスの性質によって費目の内訳が異なります。収支差率の改善を検討する際は、費目の内訳を踏まえた対策が必要です。GH包括型では家賃・食費・光熱費の見直しが有効ですが、就労移行支援では事業所賃料・設備費の見直しが中心になります。

自事業所のGH包括型でその他費用率が全国平均(25.9%)を超えている場合は、まず費目を確認します。最大の費目(多くの場合は家賃か人件費以外の施設運営費)を特定し、削減余地があるかどうかを確認することが費用管理の第一歩です。

その他費用を管理するポイント

  • 家賃の見直し:賃貸型のGHで家賃が収入の10%以上を占めている場合は、更新時の条件交渉・移転検討・増定員による家賃効率の向上(同じ家賃でより多くの入居者を受け入れる)を検討します
  • 光熱費の削減:省エネ設備(LED照明・高効率エアコン等)への更新で光熱費を削減できます。補助金(国・地方)が活用できるケースもあります
  • 食費の利用者負担額の適正化:利用者から徴収する食費負担が実際の食材費・光熱費を大幅に下回っている場合は、利用者負担額の見直しを検討します(上限額・地域の相場を確認した上で)
  • 管理費の按分方法の確認:法人本部から配分される管理費が合理的な基準(人員数・収入規模等)で按分されているか確認します

GH包括型の収支差率(6.9%)は比較的良好な水準ですが、その他費用率25.9%の管理が今後の改善余地のひとつです。

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出典:厚生労働省「令和7年障害福祁サービス等経営概況調査結果」(令和6年度決算)。その他費用の内訳は同調査の集計区分を参照してください。

この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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