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障害者グループホーム(共同生活援助)は、運営の形態によって「介護サービス包括型」と「日中サービス支援型」に区分されます。厚生労働省「令和7年障害福祉サービス等経営概況調査結果」(令和6年度決算)で、2つの区分の収支差率を比較しました。
令和6年度決算の基本データ
| 指標 | 包括型(R6) | 包括型(R5) | 日中型(R6) | 日中型(R5) |
|---|---|---|---|---|
| 収支差率(表の平均) | 6.9% | 5.0% | 5.1% | 6.8% |
| 収支差率(中央値) | 5.3% | 5.6% | 5.9% | 7.3% |
| 調査事業所数 | 341 | — | 236 | — |
| 給与費率(人件費率) | 61.7% | — | 66.1% | — |
| 赤字割合 | 32.6% | — | 34.7% | — |
包括型と日中型で収支の傾向が逆転している
令和6年度を見ると、包括型は平均6.9%・中央値5.3%で「平均>中央値」です。一方、日中型は平均5.1%・中央値5.9%で「中央値>平均」という逆のパターンです。
包括型で平均が中央値を大きく上回るのは、一部の高収益事業所が平均を引き上げているためです。包括型は事業所数も多く(341件)、規模や運営方法の差が大きい結果、分布の幅が広くなっています。
日中型で中央値が平均を上回るのは、日中も施設内で過ごす重度障害者を対象とした区分のため、報酬単価が高い一方で費用も高く、小規模な事業所ほど効率が出やすい構造を反映していると考えられます。
令和5年度からの変化、包括型が改善・日中型が悪化
令和5年度から令和6年度にかけて、包括型は中央値5.6%→5.3%とほぼ横ばいですが、平均は5.0%→6.9%と改善しています。日中型は中央値7.3%→5.9%・平均6.8%→5.1%と、どちらも大幅に悪化しています。
令和6年4月の報酬改定が2つの区分の収支に異なる影響を与えた可能性がありますが、調査データからは原因を特定できません。
人件費率の差、日中型は66.1%と包括型より高い
人件費率は包括型61.7%・日中型66.1%で、日中型の方が4.4ポイント高い結果です。日中サービス支援型は昼間も施設内でスタッフが対応するため、夜間のみ対応の包括型より職員の配置が手厚くなり、人件費率が高くなります。
収支差率の水準(日中型5.1%・包括型6.9%)と人件費率の高さ(日中型66.1%)の組み合わせから、日中型は人件費のコントロールが収支に直接影響しやすい構造であることが分かります。
経営主体別の収支差率
以下は当方が調査データから計算したものです(収支差 ÷ 収入)。
| 経営主体 | 包括型・収支差率 | 包括型・件数 | 日中型・収支差率 | 日中型・件数 |
|---|---|---|---|---|
| 社会福祉法人(社協を含む) | 8.5% | 142 | 3.6% | 84 |
| NPO法人 | 8.7% | 56 | 6.1% | 16 |
| 営利法人 | 2.3% | 119 | 3.9% | 124 |
| その他 | 13.2% | 24 | 33.8%※ | 12 |
※日中型「その他」は12件と少なく、個別事業所の影響を強く受ける参考値です。
包括型では「その他」(13.2%)・NPO法人(8.7%)・社会福祉法人(8.5%)が高い水準で、営利法人(2.3%)が際立って低い結果です。日中型は営利法人(3.9%)・社会福祉法人(3.6%)が低く、「その他」(33.8%)は件数が少ないため参考程度にとどめてください。
区分別の中央値は原典に掲載されておらず、上記は表の値(金額加重の平均)です。
WAMの稼働率参考値
福祉医療機構(WAM)の経営分析参考指標(2023年度決算)では、グループホームの稼働率は包括型85.7%・日中型86.0%です。2つの区分の稼働率はほぼ同水準で、入居率(定員に対する入居者の割合)の管理が収支差率に直結します。
定員20人の事業所で稼働率が80%(16人)から90%(18人)に改善すると、収入が1割以上増加するため、空き部屋の期間をできるだけ短くすることが経営改善の基本になります。
職種別月給(グループホーム・全国平均)
介護サービス包括型の職種別月給(令和7年4月分)は以下のとおりです。日中サービス支援型の水準はおおむね同程度か、やや高い傾向があります。
| 職種(包括型) | 常勤月給(全国平均) | 非常勤月給(全国平均) |
|---|---|---|
| 施設長・管理者 | 319,884円 | — |
| サービス管理責任者 | 304,550円 | 128,026円 |
| 生活支援員 | 244,803円 | 115,516円 |
| 世話人 | 231,146円 | 104,846円 |
| 夜間支援従事者 | 248,489円 | 108,495円 |
出典:厚生労働省「令和7年障害福祉サービス等経営概況調査結果」(令和7年4月分の給与・介護サービス包括型)
グループホームの経営診断で確認すべきポイント
グループホームの経営診断では、入居率(稼働率)と人件費率の2つが最も重要な指標です。WAMの参考値では稼働率85〜86%(包括型・日中型ともに)が示されており、これを下回っている場合は空き居室の期間をどう短縮するかが課題になります。
包括型と日中型で人件費率に差がある(包括型61.7%・日中型66.1%)ことから、同じ規模・同じ入居率でも日中型の方が収支差率が下がりやすい構造です。日中型で収支差率が包括型より低いのは、この人件費の重さを反映しています。
包括型の営利法人(2.3%)が社会福祉法人(8.5%)より収支差率が低い点は、他のサービスとは逆の傾向です。包括型の営利法人は件数が119件と多く、補助金収入が少ない、あるいは賃料・設備費が高い(民間物件を利用)ケースが多い可能性があります。ただし、調査データからは原因を特定できません。
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出典:厚生労働省「令和7年障害福祉サービス等経営概況調査結果」(令和6年度決算・令和5年度決算・令和7年4月分給与)、福祉医療機構(WAM)経営分析参考指標 2023年度決算分。経営主体別の収支差率は当方が原典データから計算したものです。各機関が作成したものではありません。

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