第一種と第二種 どちらを受けるか|業種・科目数・難易度の違いを比較

第一種と第二種、どちらを受けるかは「事業場の業種」で決まります。有害業務(特定化学物質・有機溶剤・放射線・鉛・粉じんなど)を取り扱う事業場には第一種が必要です。IT・金融・医療事務・教育・小売など有害業務のない事業場なら第二種で対応できます。試験科目数は第二種3科目(30問)・第一種5科目(44問)で、難易度は第一種の方が高い傾向があります。

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どちらを選ぶかは「事業場の業種・有害業務の有無」で決まる

第一種と第二種の最大の違いは「選任できる事業場の業種」です。第二種は有害業務を行わない事業場でのみ選任できます。第一種はすべての事業場で選任できます。

したがって、まず自分が選任される予定の事業場が「有害業務を行う事業場かどうか」を確認するのが最初のステップです。有害業務のない事業場なら第二種で問題なく、有害業務のある事業場(または不明な場合)は第一種を目指すことになります。

「有害業務」とは、労働安全衛生法施行令や安衛則で定められた一定の危険・有害な業務のことです。具体的には、特定化学物質の製造・取り扱い、有機溶剤の使用、放射線業務、鉛業務、粉じん発生作業などが該当します。一般的なオフィスワークには該当しません。

第一種と第二種の違い(比較表)

比較項目 第二種 第一種
試験科目数 3科目 5科目
合計問題数 30問 44問
有害業務関連の科目 なし あり(関係法令・労働衛生の2科目)
試験時間 3時間 3時間(全科目)
合格基準 各科目40%・合計60%以上 各科目40%・合計60%以上(同じ)
令和7年度合格率 48.7% 試験協会の当年度統計で確認
選任できる事業場 有害業務のない事業場のみ すべての事業場
対象業種(例) IT・金融・小売・教育・医療事務 製造業・建設業・医療(放射線等)

出典:安全衛生技術試験協会 試験案内

第二種でよい業種(有害業務のない事業場の例)

試験協会は「有害業務と関連の少ない情報通信業、金融・保険業、卸売・小売業などの業種」と公式に例示しています。以下のような業種の事業場では、一般的に第二種衛生管理者で選任義務を満たせます。

  • 情報通信業(IT企業・ソフトウェア開発・通信会社・データセンター)
  • 金融業・保険業(銀行・証券会社・保険会社・ファンド)
  • 卸売業・小売業(百貨店・スーパー・コンビニ本部・ECサイト)
  • 不動産業・賃貸管理業
  • 飲食業・宿泊業(料理の製造工程が主でない本社・管理部門)
  • 教育・学習支援業(学校・塾・予備校・オンライン教育)
  • 医療・福祉(有害物質を取り扱わない一般事務・福祉施設・デイサービス)
  • サービス業(美容室・エステ・フィットネスクラブ・コールセンター)
  • 各種法人の本社・管理部門(製造業の本社が純粋な管理業務のみの場合など)

ただし業種だけでなく「事業場で実際に行われている業務」が基準です。同じ医療機関でも、放射線を扱わない受付・事務部門は第二種でよくても、放射線検査部門は第一種が必要になる場合があります。

第一種が必要な業種(有害業務のある事業場の例)

製造業・建設業など、有害物質の取り扱いや危険な業務が伴う事業場では第一種が必要です。

  • 製造業(化学品・金属・食品・繊維・電子部品など製造工程がある場合)
  • 建設業(塗装・溶接・石綿取り扱い・掘削など有害業務が伴う工事)
  • 農林業・漁業(農薬・重機・有機溶剤を使用する場合)
  • 鉱業(採掘・精製に伴う粉じん・有害ガス)
  • 電気・ガス・水道業
  • 運送業・倉庫業(有害物質を輸送・保管する場合)
  • 清掃業・廃棄物処理業(有害物質を含む廃棄物を処理する場合)
  • 医療業(放射線業務・特定化学物質を使用する検査・調剤)
  • 金属加工業・塗装業・めっき業

試験の科目・難易度の違い

第一種は第二種の3科目(関係法令・労働衛生・労働生理)に加えて、有害業務に関する2科目が追加されます。

科目 第二種 第一種
関係法令(有害業務以外) 10問(有) 7問(有)
関係法令(有害業務に係るもの) なし 10問(有)
労働衛生(有害業務以外) 10問(有) 7問(有)
労働衛生(有害業務に係るもの) なし 10問(有)
労働生理 10問(有) 10問(有)
合計 30問 44問

第一種の有害業務関連科目は、特定化学物質・有機溶剤・鉛・粉じん・石綿・放射線などの法令と衛生管理を問います。専門性が高く、実務で触れていない受験者には難易度が高い内容です。

一方、両試験で共通している「労働生理」(人体の仕組み)と「有害業務以外の関係法令・労働衛生」は、第二種と第一種でほぼ同じ内容が出題されます。第二種に合格してから第一種を受験する場合、これらの科目は免除されます。

第二種に合格した後で第一種へステップアップできる

第二種合格後に第一種を受験する場合、共通科目(労働生理・有害業務以外の関係法令・有害業務以外の労働衛生)が試験免除になります。残りは有害業務関連の2科目(20問)のみです。第二種で学んだ知識を活かしながら、有害業務の知識を上乗せする形で第一種を目指せます。

また、第二種取得後に製造業・建設業などの職場に転職・異動した場合、第一種取得が必要になることがあります。その際は科目免除制度を活用することで、効率よく第一種を取得できます。

迷ったときの判断基準

第一種か第二種かで迷う場合、以下の基準で判断することを勧めます。

  • 現在の事業場に有害業務がなく、今後も有害業務のある職場に転職・異動の予定がない:第二種を選ぶ
  • 現在は有害業務がないが、将来的に製造業・医療業への転職を考えている:第一種を最初から目指す
  • 現在の事業場に有害業務があるかどうか不明:所轄の労働基準監督署または産業保健総合支援センターに確認する
  • どちらでも選任できる状況で、難易度を下げたい:第二種から始める(後で第一種へ)

なお、第二種で選任できる事業場に第一種を持つ人が選任されても問題ありません。上位資格として第一種を持っていれば、有害業務のある・なしを問わず選任できます。

第一種と第二種で共通する試験範囲

第一種と第二種には共通する試験範囲があります。

科目 第二種 第一種
関係法令(有害業務以外) 10問 7問
関係法令(有害業務のみ) なし 10問
労働衛生(有害業務以外) 10問 7問
労働衛生(有害業務のみ) なし 10問
労働生理 10問 10問
合計 30問(3科目) 44問(5科目)

第二種合格後に第一種を取得する場合、「関係法令(有害業務以外)」と「労働衛生(有害業務以外)」が免除されるため、有害業務の2科目のみを受験することになります。

自分の職場で必要な方を選ぶ

どちらを受験するかを迷っている場合の判断フロー:

  1. 自分の勤務先が「有害業務(化学物質・放射線・鉛・粉じん等)」を取り扱うか確認する
  2. 有害業務あり → 第一種のみが有効(第二種では選任できない)
  3. 有害業務なし → 第二種で十分。IT・医療事務・教育・金融・小売等のオフィス系業種は第二種でOK
  4. 将来的に異業種(製造業・化学工場等)への転職を考えているなら、第一種取得を検討する

第二種衛生管理者は第一種より取得しやすく、有害業務のない職場なら実務上も第二種で問題ありません。自分の職場の業種と将来のキャリアを考慮した上で、どちらを受験するかを決めましょう。

第二種取得後のキャリアパス

第二種衛生管理者を取得した後のキャリアパスを整理します。

  • そのまま第二種として職場の衛生管理者として活躍する(有害業務のない職場では十分)
  • 第一種衛生管理者にステップアップする(有害業務科目の追加試験を受験・第二種合格者は一部免除あり)
  • 産業カウンセラー・メンタルヘルスマネジメント検定等の関連資格で専門性を深める
  • 衛生工学衛生管理者の資格取得(講習受講で取得可能・第二種との組み合わせで対応範囲が広がる)

第一種か第二種かの最終まとめ

第一種と第二種の選択は「事業場で有害業務があるかどうか」で決まります。有害業務のない職場(IT・事務・サービス業等)では第二種で問題ありません。将来的に製造業・化学工場・建設業等への転職を考えているなら、最初から第一種を目指すのも合理的な選択です。どちらを受験するかを決めたら、学習計画を立てて計画的に対策してください。

第二種から第一種へのステップアップ

第二種合格後に第一種を取得する場合の試験免除:

  • 第二種衛生管理者免許を持つ者は、第一種試験の「関係法令(有害業務以外)」と「労働衛生(有害業務以外)」の2科目が免除される
  • 受験科目は「関係法令(有害業務のみ:10問)」「労働衛生(有害業務のみ:10問)」の2科目のみになる
  • 受験時間も短縮される(免除なし:3時間 → 免除あり:2時間)

第二種を取得してから第一種の追加科目を受験する方法と、最初から第一種を受験する方法があります。まず第二種で安全衛生の基礎を固めてから第一種にステップアップするのが効率的な資格取得戦略です。

第一種か第二種かを選んだら、迷わず学習を始めることが大切です。どちらの試験も過去問中心の学習で独学合格が可能な難易度です。自分の職場・キャリアに合った資格を選んで、計画的に取得してください。第二種衛生管理者は有害業務のない多くの職場で選任資格として認められる実用的な資格です。

第一種か第二種かの選択を決めたら、あとは計画的に学習するだけです。どちらも過去問中心の学習で独学合格が可能です。職場と将来のキャリアに合わせた最適な選択をして、衛生管理者として活躍してください。

第二種衛生管理者は有害業務のない職場で活躍できる実用的な資格です。ぜひ取得を目指してください。

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出典:公益財団法人安全衛生技術試験協会「衛生管理者免許試験 試験案内」「合格率等一覧」(令和7年度)。2026年11月時点の情報です。

この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

ご質問はメールで。電話・面談はしていません。

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