就業制限・就業禁止 第二種衛生管理者で問われるポイント|妊産婦・年少者・疾病

第二種衛生管理者試験で出題される「就業制限・就業禁止」では、妊産婦・年少者(18歳未満)の深夜業・危険業務・重量物取り扱いに関する制限と、疾病を持つ労働者の就業禁止(伝染性疾病等)が問われます。このページでは試験に出る就業制限・就業禁止のポイントを整理します。

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就業制限の対象者と内容

就業制限は労働基準法(妊産婦・年少者)と労働安全衛生法(一定の業務)に基づいています。

対象者 主な就業制限の内容 根拠法
妊産婦(妊娠中・産後1年) 深夜業(午後10時〜午前5時)の禁止(請求により適用)・坑内業務の禁止・重量物取り扱い業務の制限 労働基準法第64条の2・64条の3
年少者(18歳未満) 深夜業(午後10時〜午前5時)の禁止・危険業務・有害業務・坑内業務の禁止 労働基準法第60・62・63条
一定業務の就業制限 クレーン・フォークリフト等の特定機械の運転は免許・技能講習修了が必要 労働安全衛生法第61条

妊産婦の就業制限(試験頻出)

妊産婦(妊娠中の女性または産後1年を経過しない女性)に対する就業制限は、労働基準法第64条の2・64条の3に定められています。

妊産婦が請求した場合に事業者が行う義務:

  • 深夜業(午後10時〜午前5時)への就業を禁止
  • 時間外労働・休日労働をさせないこと
  • 変形労働時間制の適用を除外すること

事業者が請求なしに行う義務(妊娠中の女性):

  • 坑内業務への就業禁止
  • 重量物を継続して取り扱う業務の禁止
  • 有害ガス・放射線等の有害業務への就業禁止

試験のポイント:深夜業については「妊産婦が請求した場合」に禁止の義務が発生します。請求がない場合は事業者に自動的に禁止義務は発生しません。

就業禁止(疾病に基づく)

一定の疾病を持つ労働者に対しては、事業者は就業禁止(または就業制限)の措置をとらなければなりません(労働安全衛生法第68条)。

就業禁止の対象疾病(試験に出る主なもの):

  • 伝染性疾患(感染性のある結核・コレラ・腸チフス等)
  • 心臓・腎臓・肺等の疾病で労働が困難な者
  • 精神障害で労働が困難な者

就業禁止の判断は医師の意見を参考に事業者が行います。

妊産婦の重量物取り扱い制限

妊産婦が取り扱うことができる重量物の上限は一般の女性より低く設定されています(女性労働基準規則第2条)。

作業の状態 断続作業の重量上限 継続作業の重量上限
妊娠中 12kg未満 8kg未満
産後1年以内 16kg未満 10kg未満

就業制限・禁止の頻出ひっかけパターン

よくある誤り 正しい内容
妊産婦の深夜業は請求なしに事業者が禁止しなければならない 誤り。深夜業の禁止は妊産婦が請求した場合に義務が発生する
産後1年を経過した女性には就業制限がない 正しい(産後1年を超えた場合、妊産婦としての就業制限はなくなる)
年少者(18歳未満)は深夜業に就かせることができる 誤り。18歳未満は深夜業(午後10時〜午前5時)への就業が原則禁止

年少者(18歳未満)の就業制限詳細

年少者(18歳未満)には深夜業の禁止以外にも様々な就業制限があります(労働基準法第60〜63条)。

制限の種類 内容
深夜業の禁止 午後10時〜午前5時の就業禁止(演劇・映画・官公署等は除外あり)
危険業務・有害業務の禁止 クレーン・ボイラー等の運転、有害物の取り扱い、有害粉じん・ガス環境での業務
坑内業務の禁止 鉱山・トンネル内等の坑内での業務全般
重量物取り扱いの制限 16歳未満:断続作業12kg未満・継続作業8kg未満(他の年齢区分・性別と異なるため注意)
変形労働時間制の制限 1か月または1年単位の変形労働時間制は適用できない(1週間単位は適用可)

就業禁止の手続き

疾病を持つ労働者への就業禁止(労働安全衛生法第68条)は以下の手順で行います。

  1. 健康診断や医師の診断等で労働者の疾病・状態が把握される
  2. 事業者が当該労働者について就業禁止が必要かどうかを医師の意見を聴いて判断する
  3. 就業禁止・就業制限の措置をとる(休業・配置転換・時間短縮等)
  4. 就業禁止後も当該労働者の状態を継続的に確認し、回復したら就業再開の措置をとる

就業禁止措置は「医師の意見を参考に事業者が判断する」点が重要です。医師が自動的に就業禁止を命じるわけではありません。

妊産婦の坑内業務・有害業務の禁止(請求不要)

坑内業務・重量物・有害業務への就業禁止は、妊産婦の「請求なし」でも事業者が行う義務です(深夜業は「請求があった場合」と区別して覚えることが重要)。

措置の種類 妊産婦の請求の要否
坑内業務への就業禁止 請求不要(妊娠中のみ)
重量物取り扱い業務の禁止 請求不要(妊娠中・産後1年)
有害ガス・放射線等の有害業務禁止 請求不要(妊娠中)
深夜業の禁止 請求が必要(妊産婦が請求した場合のみ義務発生)
時間外・休日労働の免除 請求が必要

労働安全衛生法に基づく就業制限(一定の業務)

労働安全衛生法第61条では、一定の危険・有害業務については、免許・技能講習・特別教育を受けた者でなければ就業させてはならないとされています。

主な就業制限業務:

  • クレーンの運転(5トン以上):クレーン・デリック運転士免許が必要
  • フォークリフトの運転(最大荷重1トン以上):フォークリフト運転技能講習修了が必要
  • ボイラーの取り扱い:ボイラー技士免許(1級・2級等)が必要
  • 高圧・特別高圧の電気設備の取り扱い:電気工事士免許等が必要

試験では「就業制限業務の無資格者への就業は禁止(無資格者に業務を行わせると事業者が処罰される)」という点が出題されます。

よくある質問

Q. 妊娠中の社員が深夜業を希望している場合、事業者は応じなければならないか?
A. 深夜業の禁止は妊産婦が「請求した場合」に適用される保護措置です。本人が請求していない場合、事業者に深夜業を禁止する義務は発生しません。ただし、健康への配慮から就業制限を設ける企業も多いです。

Q. 就業禁止の期間中の賃金はどうなるか?
A. 就業禁止の措置をとる場合の賃金の扱いは法令で一律には定められていません。事業者の責任で就業禁止にする場合は休業手当(平均賃金の60%以上)の支払い義務が生じるケースがあります。

就業制限・禁止の試験対策まとめ

就業制限・禁止に関する試験問題は「誰に・何の制限が・どの条件で適用されるか」の3点を整理することが得点のポイントです。

特に重要な区別:

  • 妊産婦の深夜業禁止は「請求があった場合」のみ → 請求なしでは義務なし
  • 坑内業務・重量物・有害業務は「請求なし」で妊娠中は自動禁止
  • 18歳未満の深夜業は「全面禁止」(請求の有無に関係なく禁止)
  • 疾病による就業禁止は「医師の意見を参考に事業者が判断」(医師が自動的に命じない)

過去問ではこれらの「似ているようで異なる条件」を比較する問題が出ます。アプリで繰り返し解くことで正確な知識が定着します。

女性の重量物取り扱いの制限一覧

女性労働基準規則に定める重量制限(継続作業・断続作業別):

区分 断続作業の上限 継続作業の上限
満18歳以上の女性(一般) 30kg未満 20kg未満
満16歳以上18歳未満の女性 25kg未満 15kg未満
満16歳未満の女性 12kg未満 8kg未満
妊娠中の女性 12kg未満 8kg未満
産後1年以内の女性 16kg未満 10kg未満

試験では「妊娠中の女性」と「産後1年以内」の数値の違いが出題されることがあります。妊娠中は12/8kg、産後1年以内は16/10kgと覚えましょう。

就業制限・禁止に関する試験対策の総まとめ

就業制限・就業禁止の出題パターンは毎回類似しています。以下の4点を確実に覚えれば、この分野で安定して得点できます。

(1)妊産婦の深夜業は「請求があった場合」のみ禁止義務が発生する(坑内・重量物・有害業務は請求不要)。(2)18歳未満は深夜業全面禁止。(3)疾病による就業禁止は「医師の意見を参考に事業者が判断」する。(4)特定機械(クレーン等)は資格なしに就業させると事業者が罰則対象。これらをアプリで繰り返し確認することで、試験当日に確実な得点源になります。また、女性の重量物取り扱い制限(年齢区分・妊娠中・産後1年の違い)も表で整理して確認しておきましょう。

就業制限・就業禁止の学習は、条文の条件を「誰が・何のために・どの条件で適用されるか」という視点で整理することが重要です。特に妊産婦と年少者の制限は出題頻度が高く、両者の違いを比較表で確認しながら学習することで得点しやすくなります。アプリで繰り返し問題を解き、瞬時に条件を思い出せるようにすることが合格への近道です。

就業制限・就業禁止の法律(労働基準法・労働安全衛生法・女性労働基準規則)は、働く人の健康と安全を守るための規定です。これらの規定は衛生管理者として実務で直接関わる場面があります。妊産婦や年少者・疾病を持つ労働者への配慮を日常の業務の中で実践することが、衛生管理者の重要な役割の一つです。

就業制限・禁止は「労働者の健康と安全を守るための最低基準」として定められた規定です。これらの規定に違反した場合(例:18歳未満を深夜業に就かせた・無資格者にクレーンを運転させた等)は事業者に罰則(懲役・罰金)が課されます。試験では罰則の有無や種類を問う問題も出ることがあります。過去問演習でこれらのポイントを確認しておくことが、試験での安定得点につながります。

就業制限・就業禁止の規定は試験の「関係法令」科目だけでなく、衛生管理者の実務でも直接関わります。妊産婦・年少者の雇用がある事業場では、就業制限の内容を把握した上で担当者へ伝達する役割も担います。知識を試験だけでなく実務にも活かすことを意識して学習することが、合格後の業務にもつながります。

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出典:公益財団法人安全衛生技術試験協会「衛生管理者免許試験 試験案内」(2026年11月時点)。法令の数字は労働安全衛生法・同施行令・安衛則の条文に基づきます。

この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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