雇い入れ時の安全衛生教育 8項目と省略できる事項|第二種衛生管理者 試験対策

「雇い入れ時の安全衛生教育」は第二種衛生管理者試験に出る関係法令のテーマです。事業者は労働者を雇い入れたとき・作業内容を変更したときに安全衛生教育を実施する義務があります(労働安全衛生法第59条)。教育の8項目と「省略できる場合の条件」が試験で問われます。このページでは試験に出る雇い入れ時の安全衛生教育のポイントを整理します。

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安全衛生教育の実施義務(労働安全衛生法第59条)

事業者は以下のタイミングで安全衛生教育を実施しなければなりません。

  • 労働者を雇い入れたとき(雇い入れ時の安全衛生教育)
  • 作業内容を変更したとき(作業内容変更時の安全衛生教育)
  • 一定の危険・有害業務に就かせるとき(特別教育:第60条の2)

教育対象は「常時使用する労働者」のほか、臨時雇用・パートタイム・派遣労働者も含まれます。すべての新規採用者が対象です。

雇い入れ時安全衛生教育の8項目(試験頻出)

安全衛生教育で実施すべき8つの事項は安全衛生規則第35条に定められています。

  1. 機械・原材料等の危険・有害性
  2. 安全装置・有害物抑制装置・保護具の使用方法
  3. 作業手順
  4. 業務に関して発生するおそれのある疾病の原因・予防
  5. 整理・整頓・清潔の保持
  6. 事故時における応急措置・退避
  7. その他当該業務に関する安全・衛生のために必要な事項

※参考:安全衛生規則第35条では計8項目(省略可能な項目を含む)が定められています。厳密には上記に「労働安全衛生法その他関係法令の適用範囲等」が加わります。

省略できる事項(有害業務なし・第二種関連)

安全衛生教育の8項目のうち、「危険・有害業務のない業種(第三号業種:小売業・飲食店・金融・保険・不動産・サービス業等)」では以下の5項目を省略できます。

省略可能な5項目(危険有害業務のない第三種業種):

  1. 機械・原材料等の危険・有害性
  2. 安全装置・有害物抑制装置・保護具の使用方法
  3. 業務に関して発生するおそれのある疾病の原因・予防
  4. 整理・整頓・清潔の保持
  5. 事故時における応急措置・退避

残りの3項目(作業手順・その他安全衛生のために必要な事項・法令の適用範囲等)は省略できません。

試験のポイント:「省略できる5項目」と「省略できない3項目」の区別が問われます。また、「省略できるのは危険・有害業務のない業種のみ」であり、すべての業種で省略できるわけではありません。

特別教育・技能講習との違い

安全衛生教育には「雇い入れ時教育(第59条)」のほかに「特別教育(第60条の2)」があります。

種類 対象 実施時期 義務の性質
雇い入れ時・作業変更時教育 すべての労働者 雇い入れ時・作業変更時 必須(危険有害業務なし業種は一部省略可)
特別教育 一定の危険・有害業務に就く労働者 業務就業前 必須(省略不可)
職長等への教育(第60条) 製造業等の新任職長・作業指揮者 職長・作業指揮者に就く前 対象業種のみ必須

安全衛生教育の頻出ひっかけパターン

よくある誤り 正しい内容
小売業(危険有害業務なし)ではすべての安全衛生教育事項を省略できる 誤り。省略できるのは5項目のみ。作業手順等3項目は省略できない
雇い入れ時の安全衛生教育は正規社員のみが対象 誤り。パート・臨時雇用・派遣労働者も対象
教育を実施する義務は事業者ではなく管理監督者にある 誤り。安全衛生教育の実施義務者は「事業者」

雇い入れ時教育の実施計画の立て方

実務上、雇い入れ時の安全衛生教育は計画的に実施する必要があります。

実施計画のポイント:

  • 新入社員・中途採用者・派遣社員・パートタイム労働者を区別せず対象に含める
  • 教育の実施時期:入社・着任日または直後(採用が決まった時点ではなく、雇い入れた後)
  • 教育の方法:講義・実習・OJTなど(方法の定めはないが、記録が必要)
  • 教育の記録:実施日・内容・出席者を記録して保存する(保存義務の期間は定めがないが、関係法令上の保存期間に準じるのが一般的)

特別教育の実施義務と記録保存

特別教育は一定の危険・有害な業務に従事する労働者に対して実施が義務づけられています。

特別教育が必要な業務の例 根拠
低圧電気の取り扱い業務(充電電路の敷設・修理等) 安衛則第36条第4号
クレーン運転業務(5トン未満) 安衛則第36条第15号
フォークリフト運転業務(最大積載量1トン未満) 安衛則第36条第5号
有機溶剤取り扱い業務(特定の有機溶剤) 有機溶剤中毒予防規則

特別教育の記録(実施年月日・受講者名・教育内容)は3年間の保存義務があります(安衛則第38条)。これは雇い入れ時教育と異なる重要なポイントです。

職長教育との違い(安全衛生法第60条)

「職長等への教育」は第59条の雇い入れ時教育とは異なる制度です。

  • 対象:建設業・製造業等の新任の職長(作業グループのリーダー・現場監督者等)
  • 実施義務:対象業種(製造業・建設業等)に限定される(すべての業種ではない)
  • 実施タイミング:職長・作業指揮者に就く前
  • 内容:作業方法の決定・労働者の配置・作業の監督の方法等

第二種衛生管理者の試験範囲では主にオフィス業種(IT・小売・金融等)が対象になるため、職長教育の実施義務がない業種が多いです。ただし、試験では「職長教育が必要な業種」の問いが出ることがあります。

安全衛生教育の頻出ポイント整理

区分 対象者 実施タイミング 省略可能か
雇い入れ時教育(第59条第1項) すべての新規採用労働者 雇い入れ時 危険有害業務なし業種は一部(5項目)省略可
作業内容変更時教育(第59条第2項) 作業内容が変わった労働者 作業内容変更時 同上
特別教育(第60条の2) 一定の危険・有害業務に就く者 業務就業前 省略不可
職長教育(第60条) 対象業種の新任職長・作業指揮者 職長就任前 対象業種のみ必須

試験対策まとめ:安全衛生教育の得点ポイント

安全衛生教育のテーマから得点を確実に取るために意識したいポイント:

  • 「雇い入れ時教育の対象はすべての労働者(正規・非正規・派遣も含む)」を覚える
  • 「省略できる5項目」と「省略できない3項目(作業手順・法令の適用範囲等)」の区別を覚える
  • 「省略できるのは危険有害業務のない業種のみ」で、すべての業種で省略できるわけではない
  • 特別教育の記録は3年保存(安衛則第38条)

安全衛生教育の実施記録と保存

安全衛生教育を実施した後の記録・保存についてまとめます。

教育の種類 記録保存義務 保存期間
雇い入れ時・作業内容変更時の安全衛生教育 記録作成の義務あり(安衛則第38条) 明示の規定なし(関係法令に準じて3年保存が一般的)
特別教育 記録作成の義務あり(安衛則第38条) 3年間
職長教育 記録作成の義務あり 明示の規定なし

特別教育の3年保存は安衛則第38条に明記されており、試験でも問われる重要な数字です。

危険有害業務のない業種(第三種業種)の判定

安全衛生教育の省略が認められる「危険有害業務のない事業場の業種」(第三種)の代表例:

  • 小売業・飲食店・美容業・クリーニング業
  • 旅館・ホテル・興行業
  • 金融業・保険業・不動産業
  • 医療業・社会福祉施設
  • 情報サービス業(IT・ソフトウェア業等)

これらの業種では雇い入れ時教育の8項目のうち「危険有害業務に関する5項目」を省略できます。ただし、省略できるのは業種単位ではなく、実際に危険・有害業務を行わない場合に限ります。同じIT業種でも工場・研究所等があれば省略できない場合があります。

試験対策まとめ:安全衛生教育の最終確認

安全衛生教育のテーマでよく出題されるポイントを最終確認します。

  • 「雇い入れ時教育の対象はすべての労働者(正規・非正規・派遣・パートも含む)」を覚える
  • 「省略できる5項目(機械の危険性・保護具・疾病の原因・整理整頓・応急措置)」を覚える
  • 「省略できない3項目には作業手順が含まれる」を覚える(危険がなくても作業手順は教える必要がある)
  • 「特別教育の記録は3年保存」を覚える
  • 「教育の実施義務者は事業者(管理監督者・衛生管理者ではない)」を覚える

安全衛生教育に関する試験の総仕上げ

安全衛生教育のテーマに関する試験問題の典型パターンを確認します。

問われやすい内容の整理:

  • 「雇い入れ時の安全衛生教育は正規労働者のみが対象か?」→誤り。すべての労働者が対象
  • 「第三種業種(危険有害業務なし)では安全衛生教育の全項目を省略できるか?」→誤り。3項目は省略できない
  • 「特別教育の記録保存期間は何年か?」→3年間
  • 「雇い入れ時教育の実施義務者は衛生管理者か?」→誤り。事業者が義務を負う

第二種衛生管理者試験では「関係法令」の科目で安全衛生教育に関する問題が出題されます。法令に基づく義務の範囲(対象者・省略可否・保存期間)を正確に覚えることが得点のポイントです。

安全衛生教育(雇い入れ時・作業内容変更時・特別教育・職長教育)は第二種試験の「関係法令」科目で必ず問われるテーマです。「対象者はすべての労働者(正規・非正規・派遣を含む)」「危険有害業務のない業種では5項目を省略できる(3項目は省略不可)」「特別教育の記録は3年間保存」という3点を確実に覚えることで、この分野で出題される問題のほとんどに対応できます。

安全衛生教育のテーマは第二種試験の「関係法令」科目で毎回出題される重要分野です。「すべての労働者が対象(非正規・派遣を含む)」「危険有害業務のない業種では5項目省略可(3項目は省略不可)」「特別教育の記録は3年保存」という基本を押さえた上で、過去問で出題パターンを確認しておくことを勧めます。

安全衛生教育の法的根拠(安衛法第59条・第60条・安衛則第35条)を確認しておくことも試験対策に有効です。

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出典:公益財団法人安全衛生技術試験協会「衛生管理者免許試験 試験案内」(2026年11月時点)。法令の数字は労働安全衛生法・同施行令・安衛則の条文に基づきます。

この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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