職業性疾病の種類と原因。有害物質・粉じん・騒音による健康障害一覧

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職業性疾病は、業務に起因して発生する疾病のことです。有機溶剤による中枢神経障害・粉じんによるじん肺・石綿による中皮腫・鉛による貧血など、原因物質と引き起こされる疾病の組み合わせが試験で繰り返し出題されます。

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主な有害因子と職業性疾病の一覧

有害因子・物質 主な職業性疾病・症状 主な対象業種・作業
粉じん(ケイ酸・遊離二酸化ケイ素等) じん肺(ケイ肺):肺の線維化・肺機能低下。治療法がなく、進行性 採掘・トンネル掘削・研磨・鋳造
石綿(アスベスト) 石綿肺・中皮腫(悪性:胸膜・腹膜)・肺がん。潜伏期間は20〜40年と長い 建築物の解体・船舶の修理・断熱材製造
鉛(鉛及びその化合物) 鉛中毒:貧血・腹仙痛(鉛仙痛)・末梢神経障害・腎障害 鉛蓄電池製造・印刷・陶磁器の釉薬処理
有機溶剤(トルエン・キシレン・クロロホルム等) 中枢神経障害(頭痛・めまい・意識障害)・肝障害・腎障害 塗装・洗浄・印刷・接着
ノルマルヘキサン(有機溶剤) 多発性神経炎(末梢神経障害):手足のしびれ・筋力低下 接着剤使用作業・靴製造
ベンゼン(特定化学物質第2類) 再生不良性貧血・白血病(造血器系障害) 化学工業・ゴム工業
一酸化炭素(CO) 一酸化炭素中毒:頭痛・悪心・意識消失。ヘモグロビンとの結合で酸素欠乏状態になる 坑内作業・燃焼器具使用場所・倉庫
マンガン マンガン中毒:神経系障害・パーキンソン様症状(振戦・筋固縮) 溶接・電池製造
クロム(六価) 鼻中隔穿孔・肺がん・皮膚障害 めっき・顔料製造・セメント作業
砒素及びその化合物 皮膚がん・肺がん・末梢神経障害・角化症 殺虫剤・除草剤・ガラス・金属精錬
振動(局所振動) 振動障害:白ろう病(レイノー現象)・末梢循環障害・末梢神経障害 チェーンソー・削岩機・リベット打ち
騒音 騒音性難聴(4,000Hz帯の聴力低下が先行する)。不可逆性 プレス・鍛造・金属加工・建設業
電離放射線 急性:放射線宿酔(悪心・脱毛・白血球減少)。晩発:がん・遺伝的影響 原子力・放射線診療・非破壊検査
高温(暑熱環境) 熱中症:熱失神・熱疲労・熱けいれん・熱射病(最重症) 製鉄・ガラス製造・屋外作業
高気圧(潜水・潜函作業) 潜函病(減圧症):関節痛・麻痺。気体塞栓による 潜水作業・ケーソン工法

じん肺の特徴

じん肺は、粉じんを長期間吸入することで肺の組織が線維化する病気です(じん肺法第2条)。ケイ酸含有の粉じん(ケイ肺)が典型例です。次の特徴があります。

  • 完治しない(不可逆的な進行性疾患)
  • 合併症(肺結核・結核性胸膜炎・続発性気管支炎・続発性気管支拡張症・続発性気胸・肺がん)を引き起こしやすい
  • 粉じん作業から離れても進行することがある
  • 管理区分(管理1〜管理4)により就業禁止・転換等の措置が異なる

石綿による疾病の潜伏期間

石綿(アスベスト)は、吸入後20〜40年の潜伏期間を経てから中皮腫・肺がんを発症することがあります。このため、過去に石綿を使用していた業種(建築・造船・断熱材製造等)の元従業員に対しても、現在も健康管理が必要です。石綿則では石綿の取り扱い・解体作業に対する規制が定められています。

試験での出題ポイント

  • ノルマルヘキサン→末梢神経障害。トルエン・キシレン→中枢神経障害(混同注意)
  • ベンゼン→白血病・再生不良性貧血(造血器障害)
  • 石綿→中皮腫(悪性)・潜伏期間20〜40年
  • 騒音性難聴→4,000Hzから始まる。不可逆性
  • 振動障害→白ろう病(レイノー現象・末梢循環障害)
  • 潜函病(減圧症)→高気圧作業後の急激な減圧が原因。気泡塞栓

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出典:
・じん肺法 第2条・第8条
・石綿障害予防規則
・厚生労働省「職業性疾病の概要」
・公益財団法人 安全衛生技術試験協会「公表試験問題」(www.exam.or.jp)

この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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